結婚式当日――
鐘の音が静かに響いていた。
祝詞のように重ねられた声が、空へと吸い込まれていく。
白い光がゆらめき、金の縁取りを持つ祭壇に立つ道満の姿が、ぼんやりと滲んで見えた。
司祭「――誓いますか?」
その声が耳に落ちた瞬間、喉の奥が震えた。
何かを言わなければならないのに、胸の奥で言葉が形にならない。
ううん、何も言わなくていい、、どうせ振られるのだから……
……道満がゆっくりとこちらを見た。
その瞳が、何かを訴えるように穏やかで、まっすぐで。
道満『……誓います』
(え?)
驚くと同時に、咄嗟に僕も繰り返してしまった。
会場が静まり返った。
柔らかな風が、白いカーテンを揺らす。
そして、唇に触れた――温かいもの。
あまりにも自然で、けれど、世界の音が全て遠のいた。
まるで夢の中で息をするように、時間が止まる。
晴明『……え、なんで、……?』
思わず零れた言葉は、自分でも掴めなかった。
誰に向けて言ったのかも分からない。
道満は何も答えず、ただ静かに笑った。
その笑顔が、あまりにも優しくて、逆に苦しかった。
――
式が終わると、外の空は淡い金色に染まっていた。
花弁が風に乗って、祝福のように舞い散る。
その中で、雨がこちらへ駆け寄ってくる。
雨明「晴! めっちゃ綺麗やったで! ほんま、おめでとうな!」
晴明『……雨』
雨明「なんや、そんな顔して。嬉しいんちゃうん? うち、めっちゃ嬉しいで? 晴が笑ってくれるん、うち大好きやから」
晴明『……ありがとう、雨。……ありがとう』
雨明はにこっと笑い、手を振って去っていった。
雨明は、道満さんのことが好きでは無かったのかぁ……単純に応援してくれてたんだね、
雨の背中が小さくなっていくのを、僕はただ見つめていた。
道満が横に立ち、静かにその手を取る。
手のひらが、心臓の鼓動と同じ速さで脈打っていた。
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ひゃっほぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉい!!!!!! おめでとぉぉぉぉぉぉぉぉ😭😇 えもぉぉい!とうとぉぉい!可愛いぃぃぃぃ!!!!