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4週目(話)

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ずっと昔の、私がまだ子供だった頃です。

その時、私はよく友人と共に、この神社の神主さんの手伝いをしていました。

神主はとても優しそうな、白髪混じりの髪をした人でさん、年齢は直接聞いたことはなかったのですが、高齢だったイメージがあります。

いつも通り友人と神社をホウキで履いていた時に、突然神社の中にいた神主さんが出てきて、

「今すぐ逃げなさい」

と、焦ったように言ってきました。

神主さんの慌てているところを見たことがなかった私達は、これはただ事じゃないと、慌てて石段をおりました。

そして、石段から降り終えた時に、神社から炎が上がっているのを見たのです。

それを呆然と見ていると、友人が焦った様に

「はやく消さなきゃ、森にもえうつるよ!」

と、私の着物の裾を強く引っ張りながら言いました。それを聞いて私は、慌てて周りの住民に神社が燃えていると言い、火消しを呼んでもらいました。火消しを呼んだしもう大丈夫だとホッとした時、また友人が、次は先程とは比べ物にならないほど焦ったように叫びました。

「神主さんがいない!!」

私もそれを聞いて殆どパニック状態になりつつも、友人と共に石段を駆け上がりました。不思議と、その時だけは普段登るだけで息が切れる石段を登っても、全く疲労は感じませんでした。

そして、石段を登りきった時、私達は信じられないものを見ました。

神社は全焼しているのに、何故か桃色の幼女用の着物だけが、無傷で残っているのです。

「なんで…?」

そう友人が呟いた時、

「おぉ、戻ってきたか」

と、神主さんが後ろから話しかけてきました。

それまで全く気配も何も無かったので、驚いて後ろを振り向くと、そこには服が所々燃えており、額には汗が滲んでいる神主さんが居たのです。

「神主さん!」

神主さん無事なことに安心した私たちは、思わず神主さんに飛びつきました。

少しして落ち着いたあと、私は神主さんに訊きました。

「ねぇ、どうして神社はもえたんですか?火の元になるようなものなんてないはずなのに…」

すると、神主さんはどこからか、御札の貼られている、水に濡れた刀を取り出して来ました。

「この刀から、火が燃えたんじゃよ」

「えぇ?この刀から?」

友人が、その刀に向かって疑いの眼を向けました。無理もありません。その刀はボロボロで、殆ど錆び付いており、変な臭いもしましたが、火が上がるような事は何一つなかったからです。何より、これから火が上がったなら、これが今残っているはずがありません。

「なんでお札がはってあるんですか?」

私がそう言いながら刀に触れようとすると、神主さんは急に恐ろしい顔で、

「これに触れちゃ駄目じゃ!」

と、言いました。

その声に驚いた私と友人が固まるのを見て、神主さんはハッとして、謝ると、なぜこれに触れてはいけないのか説明してくれました。

「これは、呪われているんじゃよ…」

その言葉から始まった説明は、私自身が人外じゃなければ、到底信じられない話でした。

神主さんの話によると、まだ神主さんが幼い頃、この辺りでとある事件があったそうです。あ、その時は神社ありませんでした。

事件の内容は、妻が夫や子供を殺害するというものでした。

…おや、その反応を見るに、皆さんこの事件はもう知っているのですね。じゃあ、事件をどうやって止めたかも知っていますか?

…知らないようですね。確かに当時の城主が倒したと言われていますが、それは嘘です。…はい、城主が人気を得る為の嘘です。そもそも、あれは人に倒せる者ではありません。実際に倒したのは、神主さんの父親です。

えぇ。神主さんの父は人外で、母は人間でしたね。当時この辺りでは、普通に人外が人外として生活していました。…黒い霧?あぁ、その絵を描いたのは人外の方でしょうね。人間には見えませんし。貴方も見えるんですか?珍しいですね。今は見えるヒトも少なくなっているのに…

おっと、話が脱線しました。

その神主さんの父は、事前に今の神社があるところに結界を貼り、そこに鬼を呼び寄せると、何やら到底ききとれない、言葉と言うより音のような物を唱えながら、鬼の刀に札を貼り、鬼を刀に封じ込めました。因みに、封じ込めた時にその方も大量の妖力…今は魔力ですね。魔力を消費してしまい、死にかけました。何とか一命は取り留めましたが、それ以降魔力は使えなくなり、普通の人間と同じくなったらしいです。

そして、その結界から刀を出すのは不味いと、そこに神社を建て、厳重に刀を保管したらしいです。

これが、この地で昔起こった出来事です。他に聞きたいことは…御神体の着物ですか。あれは、鬼の娘さんの物です。

…えぇ、その鬼は元々普通の人間でした。ある時、いきなり1家無理心中をしたらしいですね。娘さんだけは何とか逃げ出して生き残ったのですが、酷くトラウマが残ってしまい、その時の事を話そうとはしてくれなかったそうです。…そういえば、その娘さんが後に自殺してからでしたね。あの事件が起こったのは…

娘さんの両親の死に方?……奥さんが血まみれの包丁を握った状態で、身体中刺し傷だらけの旦那さんの上に覆いかぶさった状態らしいです。娘さんは、片目が潰れていたらしいですね。

逃げ出してからは、お地蔵さんを彫ったりしてたそうですよ。そのお地蔵さんに込められている感情が、何なのかを知る方法はもうありませんが…

これでここに昔あった話は終わりです。多分、貴方たちを襲っている鬼は、この鬼でしょうね。何故今になってまた現れたかは分かりませんが…

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