テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
はあ、桜魔に来てから何年経ったのだろうか。家族は元気にやってるかな。日本はどんな風に変わってるのかな。…もう、僕死んだ事になってんのかな。そんな事を考えていた時、聞き慣れた声が聞こえてきた。
「とーやくん!!!」
「あ、晴くん」
銀鼠色の髪に朧花色の目をした桜魔の友達が走り寄ってくる。そして嬉しそうにこう言った。
「前から言ってた僕の友達連れて来たよ!」
「え!ホント!?」
僕も嬉しくなる。数年前から晴くんが紹介してくれていたのだが、家の都合などでなかなか会えず、会うのがずっと先回しになっていた。でも、今日やっと会う事ができるのだ。桜魔での友達は晴くんしかいないから、新しい友達ができると思うとテンションが上がってくる。
「ほ〜ら〜!長尾!弦月!早く〜!」
「もぉ〜!わかってるって!」
女の子と間違えてしまいそうな程にお淑やかな雰囲気の男の子が言った。
その次に、腕や脚に何ヶ所か包帯が巻かれていてヤンチャそうな男の子が言う。
「うるせぇ甲斐田ァ!そんな急かすなよ!」
…少々お口が悪い。僕も人の事言えないかもだけど。
「よし!みんな揃ったね!」
「何して遊ぶ?」
「俺はおままごと以外だったらなんでも」
弦月くんがニヤニヤしながら言った。
「えぇ〜?おままごとしようよ〜」
「嫌な予感がするから絶対イヤ」
「僕も」
苦虫を噛み潰しているかのように長尾くんと晴くんが言う。
すげー、会話のテンポ早い。追いつけない。
「ちょっと、刀也くんの意見も聞かなきゃ!」
「あ、ごめんごめん。」
「剣持くんは何したい?」
「えーっと…」
うーん、今の所はまだ遠慮してくれると信じて…。ちょっと悪ノリするか…。
「おままごとで良いんじゃない?」
「げっ…」
「嘘でしょ!?」
「やったー!僕と剣持くん意見同じ〜!」
そう言いながら弦月くんが腕を組んでくる。結構距離感バグってる感じなのかな?いや、腕組はそうでも無いか。
「まあ剣持くんもこう言ってるし?おままごとしようよ〜」
「…はぁ、しゃーなしな?」
「え、マジか長尾」
「うん、条件付きだけど」
「条件何?」
「俺は女以外で…」
だよねそうなるよね。女役はプライドがね…。
「わかった!景くんはお母さん役ね☆」
「おい!!!!!」
あ、長尾くんお疲れ様。
「長尾かわいそ〜」
「あ、晴くんは娘ね?」
「は?」
晴くん可哀想。笑
「じゃあ〜、剣持くんは…姪っ子?」
「え??」
僕も女役???
てか男役足りないだろ。
「おいこのおままごとオネェしか居ねぇじゃん」
「地獄絵図だね」
「地獄絵図かぁ笑」
ーーー
「はぁ、いっぱい遊んだね〜」
「うん。もう体が棒のようだよ」
「あはは、そんなに?笑」
「そう、そんなに」
「いやぁ、良かった」
「何が?」
「刀也くんがみんなと仲良くできそうで」
「ちょっと?僕のコミュ力舐めてんの?」
「舐めてないよ笑」
「少なくとも僕よりはコミュ力あるね」
「確かに、晴くんは初めて僕に会った時、景くんに会話任せっきりだったもんね」
「ちょっと!言わないでよ!」
「あっはは」
「…」
「なあ、剣持は俺らと友達になりたい?」
「え、友達になりたいっていうか、もう友達だと思ってた」
「そっか、ありがと」
「え、何、怖…」
「いや、俺らと友達でホントに良いのかなって思って」
「えぇ、どういう事…?」
「んー、知りたい?」
「うん」
「じゃあ、このまま友達でいてね」
「その時が来るまで」