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第二章 憂鬱の祭〈Akina’s distress〉

 

 

その日、平良は神人の協会の関西支部の者に拘束、連行された。翌日、クウガは蓮たちに、護国輔翼会の本拠地は平安神宮のすぐ北東にある邸宅である旨、自首勧告の期限は四日後、十一月十八日、日曜日の十時である旨などの説明を行った。

クウガの命で、蓮は水、木、金、土と、アキナの護衛の下で中学校に通った。授業中、アキナは教室の後ろに控えており、護衛としての使命感ゆえか落ち着いた佇まいを見せていた(唇を引き結んだ表情はやはり子供っぽく、警察ごっこのようにも見えなくもなかったが。

土曜は午後半休だった。昼食を取ってから、二人は中学校を後にした。

「それで、そろそろ教えてもらいたいんだけど。俺たちが、円山公園に向かわなきゃいけない理由をさ」

四条大橋上の歩道、右側を歩くアキナに蓮はおずおずと尋ねた。アキナはどういうわけか、意欲に溢れたような明るい表情をしていた。

歩道に挟まれた中央の大きな道では、自転車や人力車が通行していた。橋の下は鴨川で、流れはいつもと変わらず悠然としたものだった。

「良い質問だ。それでは教えて進ぜよう。私たち神人は、圧倒的な力で世界大戦を治めた。だけれど中には、強すぎる私たちの武力に恐れを抱いている人もいる。さあて、ここでクイズだ。どうすればみんなの恐怖心を和らげて、仲良しこよしでやってけるでしょーか」

人差し指をピンと立てて、アキナは抑揚をつけて朗らかに問うてきた。蓮を見つめる眼差しは、どこまでも真っ直ぐである。

顎に右手を当てた蓮は、黙考する。(何だろ。参加者を募って講演するとか?)

「はい、ざぁんねん。タイムアップ、アーンド時間切れ……。って、あっ」

五秒程してから、アキナは蓮の思考を断ち切った。

「答えは見てのお楽しみ! とゆうわけで走るぞ、蓮くん! 実はもう時間ギリギリ、ケツカッチンってやつだ! まことにまことに申し訳ないけどねっ!」

焦ったように叫ぶやいなや、アキナは走り始めた。走り方は女の子らしいが、疾走と呼んで差し支えない速度だった。

「ケツカッチン? 何語だ、それ。とにかく急がなきゃ間に合わないんだな。っていうか、もっと早く教えてくれよ。いくらでもやりようはあっただろ?」

呆れた思いの蓮が大声で返した。

「ついさっき気づいたんだよー」と、先を行くアキナから泣きそうな声が飛んできた。

蹴撃の黒メイデン

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