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コウsid
「 …… 」
人は心だけでは生きていけないと思う。
努力しないと得れないものがあると思う。
山のように積まれた教科書や問題集を眺める。
「 あぁ…またジョウに数学教えとかないと…それに… 」
今日、学校に来た、担任代理。キリスト。
「 彼奴もいつか必ず理解する。 」
俺の能権力は〈 返礼未来記 〉。
相手のことを知る事で、その人間の未来が予測できる。
だが予想出来るのは悪い事のみ。
そしてその予測されたことを変えることは出来ない。
……こんなものが何の役に立つのだか。
「 こんな不運なことを決定するこの能力は世の需要はないが… 」
一息ついて椅子の背もたれにもたれる。
「 つまらないことだ…考えても無駄だ。 」
近くにあって教科書を手に取りパラパラと捲る。
この世で能力以外で生きていくなら頭脳が無くてはならない。
俺は能力を使わずしてこの世を渡らければならない。
どんなけ俺は不利であろうとそうでないと生きていけない。
生きるすべが無いのだから。