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ある意味初投稿なり。あまり上手では無いかもです
…いつからだろうか。
自分の名前がはっきりと呼ばれなくなったのは。
____自分は、人並みには仕事はできる方だった。
だからなのかは分からないが、最近それっぽいあだ名が付けられ始めた。
「大天使」「天使」「有能」「機械」
様々なあだ名だった。不思議と嫌な感じはしなかった。初めのうちは。
しばらくしてから、仲間は俺の名前を呼ばなくなった。
ガバ野郎のガバを指摘すれば、怯え、ふざけた様子で。
「ぴぇ、有能機器がめっちゃ怖いぃ…」
「なんやそのあだ名は!!」
「ぴぁぁぁぁぁ!!」
「有能」「機械」
書類仕事から逃げ出した甘党を連れ戻せば不機嫌そうに。
「チッ、さっすが有能大天使だな。人の休憩を邪魔するのがお得意な様で。……ハァァア…」
「…俺の気持ちも知らんで」((ボソッ
「あ?何か言ったか?」
「いや?」
「有能」 「大天使」
いつからか、自分の名前を呼びれないことに苛立ちを覚えるようになった。
不安、悲しみ、苦しみ、寂しさ…様々な感情が混ざりに混ざって、複雑な気持ちになる。この複雑な気持ちを、俺は書類にぶつけた。
怒りに任せやっていると、みるみるうちに書類が減っていった。
ある日のこと。山のような書類が終わるまであと少し…!というところで、天の声から通信が届いた。
『えーっと、基地2階、東階段で内ゲバ。参加者はゾム、シャオロン、コネシマ、グルッペン。ほんまに建物が危ない。頼んだで、書記長サマ。』
「…分かった。」
ここでも、名前は呼んでくれないのか。
____1人、廊下を歩く。
決して自分は歓迎されないであろう騒がしい場所へ向かって。
「…はは、ッ」
苦しみを抑える乾いた笑いが、誰かに届くことはなかった。
「うぇーい!!」
「ッちょ、ナイフ多ない!?」
「そんなお前にこれもやろう。」
「追いナイフやめて!!!!!?」
「あ”ーーーはっはっはっ!!!!!」
「「「うるせぇ!!」」」
「…お前ら」
全員がぎょっとした顔でこちらを見てくる。それからすぐに不満ですという気持ちを隠さず顔に出してくる。
「……なんや、書記長サマやん。」
「なんや不満かいな」
出来るだけいつも通りに
「当たり前やろ。せっかく久し振りにグルッペンと戦えたんにさー。」
「どこぞの有能(笑)が仕事ばっかり強要するお陰でなかなか参加出来なかったからな」(笑)
「あーほんま、書記長なんやから書類仕事だけしとけや。」
「それな」
「ハ、なんやねんその言い草」
出来るだけいつも通りに
「機械なんやろ?やったら俺らに干渉せぇへんようにプログラムせなやな?w」
「でも『有能な』機械やろぉ?やったら自分で、『あ、今は邪魔せん方がええな』とか察することくらい出来るやろw」
「それが出来ないとか、」
「「「『有能』じゃなく、『無能』やな」」」
プツッ
細いものが切れた音がした。
次の瞬間、普段の自分からは想像できないほど、低い声が喉の奥から出てきた。
「ええ加減にせぇよ。」
「お?なんや、自分が『無能』やって現実が受け入れられへんのか?w」
「好き勝手言いよって。」
「お前らはあだ名とかいうものに縛られすぎやねん。」
「はぁ?」
「俺の背中に羽は生えてるか?」
「俺は電池とか、電気でしか動けへんのか?」
「俺はガバったことは数回しか無かったんか?」
「何が天使や。何が機械や。何が…ッ何が有能や…ッ」
「俺は自分が有能やなんて一回も思ったことはあらへんで、?」
「…」
「な?『脅威』さん。『チワワ』さん。『ポメラニアン』さん。『総統』サマ。」
「ッ名前、「…お前らには、この気持ちも分からんか…w」
「なぁ、おm「俺の名前を最後に呼んだんはいつや?」
「は、?い、いつも読んど…」
「それは名前ちゃうやろ?単なるあだ名でしかない。」
「…みんな、忘れたんか…?」
震える体を押さえつける。
「俺の名前は…『トントン』やで…?」