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俺は帰っていた。ぺいんととしにがみさんと一緒に。
俺はトラゾー。ただのヒトだ。
ぺいんととしにがみさんはずっとクロノアさんの話をしている。
pn「…あの人のさ、情報見たけど…お父さんが殺人したって…」
そう、クロノアさんにはその噂がある。
学校のみんなはそれを信じ切ってるみたいだ。
それは、先生でさえも。
俺らはそのことについて話し合っている。
sn「でも、2人の怪我を治してくれた時点でその噂は嘘だと思いますけどね。」
pn「まぁ、冤罪の可能性が高いもんな」
sn「…それにしても、いつあんな怪我したんですか。ぺいんとさんとトラゾーさん。」
pn「えっ、いやーそれはー…(汗)」
…ぺいんとは今日の朝、トイレに行くと言って実は保健室に行っていたらしい。
その傷を見せてもらうと、ありえないくらいの深傷を負っていた。
pn「…はぁ、家の前にガラスがあってこけただけ。」
sn「!もう、何で言わないんですか!!」
pn「だって、別に大したことねぇし…」
sn「はぁ…。それに!トラゾーさんもですからね!」
tr「えぇー。」
俺は笑顔でそんな言葉を返す。
もちろん、偽りの笑顔で。
sn「…その、僕、トラゾーさんだけがわかりません。」
そんなことを急に言い始める。
俺も最初は困惑したし、ぺいんとも困惑していた。
だが、その理由はすぐにわかった。
sn「…なんで、トラゾーさんはずっと…」
嘘ばかりついてるんですか…?
tr「…」
それに俺は何も答えられなかった。
だって、本当のことだから。
…でも、そろそろ話さなきゃ怒るかな。
tr「…簡単だよ。」
嘘つかなくちゃ、生きてられないから。
過去に、俺はずっとヒトから裏切られた。
友達になったと思ったら嘘で。
告られたと思ったら嘘告で。
親友だと言ってくれたのに、最終的には赤の他人だって言われて。
だから思ったんだ。
俺が正直すぎるからこうなるんだ。って。
だから俺は、嘘をつかなくちゃ、この関係もいつか崩れると思って…。
ずーっと、嘘をついてきた。
tr「それだけだよ。」
俺は全てを話した。
でも、俺はもう諦めていた。
こんなことを話したらまた友達辞めさせられるんだって思った。
そうして次の瞬間、頭に衝撃が走った。
tr「っいってぇ?!」
俺が見上げるとそこにはぺいんとがいた。
俺はぺいんとからゲンコツを受けたらしい。
それに、ぺいんとは泣いていた。
そうしてぺいんとは口を開けて、言った。
pn「…ごめん。気づかなくて、ごめん。」
tr「…っへ?」
俺の目からハイライトは消えた。
俺の心はその言葉でどす黒く染まった。
焦った。とにかく焦った。
何で謝るんだ?俺のせいで?
頭の思考は止まった。
でも、何だか、今までに感じたことのない感情だった。
だから、ここは少しでも、素直に。
謝らなきゃ。
tr「…ご、めん…」
それから、しにがみさんが何とか俺らを落ち着かせてくれた。
そうして、ある約束をしたんだ。
正直に気持ちを伝えること。
それが俺らの大事な約束だった。