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突然だが私には好きな人がいる。それは今私の隣にいる幼馴染兼私の初恋の人、東雲崚。
崚と一緒に行動しているうちに好きになってしまったのだ。しかし私の恋は叶わないのだ。何故なら崚には好きな人がいるから、だから死ぬまで崚には秘密にしていた。
それはある夏の帰り道
「夏祭り?」その崚の一言からすべては始まった。
「そうそう!」
「一緒にどうかなって!」
そう私が聞くと崚は少し黙り込んだ。多分私と行くか、好きな人と行くか迷っているのだろう。
「考えとく、」
「……うん、」
長い沈黙のあと彼が発した。
どうせ好きな人と行くに決まっている。でも、少しは期待させて欲しかった…そう思いながら私は夕日に照らされた道を歩いた。
崚と別れ、家に帰って、自室の窓を開け星を見ながら今日の出来事を振り返る、それが私の日課だ。
「流石に夢見すぎか〜」
私がもっと素直だったら良かったのかな…なんて思いながらベッドに入る。
そして翌日。
「おはよう〜」
「はよ、」
私のおはように対して彼は眠たそうに答える。
「相変わらず朝弱いね(笑)」
「昨日は何時まで起きてたの?(笑)」
「3時、」
「え、やば!?」
そんな何気ない会話をしながら登校する。彼の返事はいつも素っ気ないがちゃんと話は聞いてくれる。ぶっちゃけそういうところにも惚れた。
「あ、そう言えば、昨日の返事は?」
「昨日? 」
「ほら!夏祭り行くかっていう!」
「あぁ……」
聞きたくなかったがどうしても気になってしまい思いきって言ってみたものの、言わなければよかったと後悔している。
「お前と行く……」
「だよね……って、え?」
彼から発せられた言葉は意外だった。
「好きな人と行かなくていいの?!」
「誘ってきたのはお前だろ、」
「それは……そうだけど、」
その時の私は、嬉しさと驚きが隠せなかった。
「嬉しいなぁ、 」
ボソッと彼に聞こえないような声で呟く
「なんか言った?」
「ううん!なんでもない!」
(危ない、バレるところだった…)
今年の夏はいいことだらけだと思った。