テラーノベル
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ゆうside
もともと、こったんとちむさん、くにのとれるちが仲が良かった。だからちむさんもれるちも過去を話しやすかったのかな、とか思いながら緊張して震える手足を落ち着かせる
「ゆっくりでいいんだよ?」
くにのの落ち着いた声が心臓に伝わる
「…ゆうさんに、ついてッ、話していい?」
みんなが驚いたような心配してそうな表情を浮かべる
…話さないと
「…ゆうさんは、小さい頃からアイドルを目指してたの 」
だから、元トップアイドルのお母さんに色々とアドバイスをもらってた
「ここ踊る時は体の重心を足に置くの」
「頭の中でカラオケの画面を思い浮かべながら歌うとやりやすいわ」
学校では 成績も上位だったしダンスをしているおかげで運動神経もまあまあよかったおかげでみんなに好かれてたと思う
毎日が楽しかった。そして
…迫力のある歌やダンスが得意だった。
あの時までは
…
ある日突然言われたんだ
「せっかく可愛い声と容姿を持ってるんだから可愛い路線でいきましょう♪」
「え、あ、うん!」
その発言からが地獄の始まりだった
「違うの!そこはトンッタタ、ダンって踏み込まない方がゆうちゃんに似合うわ♪」
「ッ、はい!」
自分のやりたいように踊れず、やりたくもない踊り方を教えられる日々
「そんな曲よりこの曲がゆうちゃんには似合うわよ?」
「…だよねっ!」
可愛いを演じ続けて自分の好きな歌やダンスはできない。
可愛い曲ももちろん大好きだった。
けど、それ以上に大好きで楽しい迫力のあるかっこいい曲を歌えないのは辛かった
…だからゆうさんはやりたいことをやらなくなった
救われることもない
かと言って苦しめられるわけでもない
ただただ自分の好きなことを否定されてしたいことをできない日々
…いや、歌を歌えて踊れるだけで幸せだったのかもしれないけど
だから、自分を殺して親の理想になりきった
ゆうさんじゃないゆうさんはみんなから好かれてた
「ゆうちゃん可愛い〜💞」
「ダンス上手すぎない⁈」
「なんか可愛いの擬人化みたい!」
「んへへ、ありがとぉ!」
それが本当の自分だと思ってた
けど、オーディションに参加してグループを組んで
ぶりっ子しすぎないように
暴言を吐かないように
かっこいい行動はしないように
綺麗じゃなくて可愛いと思わせるように
…そう気をつけていたのに
「今日もこえちむがいっちばーん💞」
ぶりっ子してても頼れて
「無理すんなバカ!!」
暴言を吐くけど優しくて
「大丈夫だよ?」
かっこいいのにどこか愛嬌があって
「…ごめん今なんて言った?」
とても綺麗なのに天然で
そんな子達と会って何かが変わった気がした
本当の自分なんて分かるわけないけど、やりたいことをもう一回理解できた気がする
…けど、今更そんなことできっこない
「…親の期待を裏切ることになるから」
一つの光が床に溶けていった
読んでいただきありがとうございます!
どもども星音です!
好きなことを好きと言えない、やりたいことをまともにやれない。そんな環境って本当にしんどいものじゃないかなと思います。
誤字脱字等大目に見てください😭
それでは!また次回!
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