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「そろそろ帰りますね。ゆっくり浸かりすぎてのぼせた…」
「夜道には気を付けて帰ってくれ」
「そういえば鶴丸さん」
「なんだ」
「ここの本丸の主って……やっぱりなんでもないです」
「?そうか」
「ではまた明日」
「あぁまた明日」
夜風が涼しいな…帰って少し水を飲もう。明日用に牛乳も買い足しておこうかな。風呂上がりに飲みたい…
「よし…誰もいないな…」
「おかえり主」
「ヒョッッッ」
「こんな時間に、どこに行ってたのかな」
「あ、いやそのえっとえーーーっとですね」
「1人では危ないから出歩いちゃ駄目なの、分かってるよね」
「ゴメンナサイゴメンナサイ」
「明日。朝餉食べた後お話、しようね」
「ヒィィッ」
結局この日の夜は怖過ぎてなかなか寝付けなかった。燭台切光忠、怒らせてはならない
「おはよう…ございます」
「おはよう主。覚悟はできてる?」
「無理ですぅ………」
「大将また何かやらかしたのか?」
「助けて薬研」
「何があったか知らんが自業自得ってやつじゃないのか」
「そんなぁぁ」
朝ご飯を食べた後燭台切光忠によるスーパー説教タイムが始まった。
正直ちょっと真面目に漏らすかと思うレベルで怖かった。美人の怒り顔まじ般若。般若が付いてた顔に
「こっぴどく叱られたなぁ…」
主ってもっとこう威厳あるものじゃないのかなぁ…そう思いながら廊下を歩いていると
「主君!」
「あら、秋田藤四郎さんに五虎退さん」
「いち兄が!いち兄が来てくれたんです!」
「いち兄ってあのお兄ちゃんですか?」
「はい!!」
「この屋敷にあげてもいいですか?」
「大丈夫だけど、少し待ってて長谷部を」
「お呼びですか主」
「うわぁぁびっくりした」
相変わらず機動がおかしいというか流石神というか
「主の護衛ならこの俺にお任せ下さい」
「あ、うん…よろしくお願いします」
「気を取り直して行こうか」
「はい!」
玄関で立っていたのは例のお兄ちゃん
「えっと…こんにちは…」
「…どうも」
「えっと…まずはあがってください。お茶と茶菓子をお出ししますから」
「…はい」
スタスタと居間に向かって歩いていく。初対面の時よりかは敵意は無さそうだ。
「お待たせしました。お茶と茶菓子です」
「ありがとうございます」
「今日はどうしてここへ?」
「監視に来たのです。言ったでしょうあの時監視をしていいと」
「あぁ…確かにそんな事言いましたね」
「それと、自分の考えを冷静に見直して来たのです。」
「はい…」
「確かに悪いのは私の方でした。私は信用できない人間全てを殺してもうこの本丸に誰も触れさせないようにとそう考えていたんです。ですがそんな事をしたとしてもこの本丸は元には戻らない。弟達の楽しそうな声も聞けない。そう分かったのです」
「ここへ来た時出迎えてくれた秋田と五虎退は嬉しそうに笑って貴方へ私が来たと報告しに行きました」
「私があの二振りが笑った所を見るのは初めてです」
「はぁ…」
「その時私は思ったのです。あちらへ戻ってまたあの子達の笑顔が消えるくらいならこちらにいてほしいと。」
「貴女に賭けてもいいかもしれないと」
「嬉しい言葉ですね」
「ですが信用はしきれません。なので数日監視をさせていただきます。」
「えぇ構いません。好きなだけここに留まってください。」
それと
「弟さん達と色々話してあげてください。皆貴方と話したくてうずうずしてますよ」
「そう…ですね」
「ですが少し話をするのが怖いです。」
「?どうして」
「あの時冷静ではなかったとはいえ、私は貴女の仲間を、貴女を傷付けました」
許してもらえるでしょうか
そう言いながら少し下に俯く
「皆分かってますよ。貴方が考えを改めてくれた事。それにあれだけ笑顔で迎えてくれたんです大丈夫ですよ」
「そう…ですか…」
「えぇ」
「…そういえば自己紹介がまだでしたね。」
「あぁ確かに名前聞いてません。 」
「私は、一期一振。粟田口吉光の手による唯一の太刀です。」