テラーノベル
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とある汚い一軒家のリビング。
煙草と酒と、火薬の匂いが充満していた。
〈また、死傷者の出る大きい事故が起きました。今回は大型ショッピングモールの爆発です。〉
ニュースのアナウンサーが画面越しに伝えてくる。
〈この事件について、専門家の──さん、解説お願いします。〉
《今回の爆発事故は、───の事故と同一人─────。───は超能力によ────。》
「はぁ。」
なんだか馬鹿らしくてピッとテレビを消す。
横になっていた所為でガチガチになった身体を、伸びでほぐす。
「ん゙ん〜〜っ、ふぅ。」
さて、行くか。
少し短いボールチェーンを指輪のようにはめ、キッチンで生けていた白いスミレを鷲掴みにして食む。そしてドアを開け、世界で五番目くらいに嫌いな日光を燦々と浴びる。
全身黒に覆われた女、「白原スミレ」は、徐に歩き出した。
太陽系第三惑星、地球。「ヒト」が持つそれなりに良い頭を使い、地球を支配している時代。そのヒト、人間はまた進化し、世界の一割ほどの人間が、「超能力」を扱い始めた。
十数年前まで人類が夢に見てきた、「生身で空を飛ぶ」、「瞬間移動をする」、「口から火を噴く」などの行為は、そろそろ普通に現実でも起こりそうである。
原理を解明されていない今、超能力を持つものは、ネットに超能力を使っているところを投稿していいねを獲得したり、好奇心の尽きない研究者に金を払わせて自身を研究させ、超能力についての知識を得たり。
つまり超能力を持って生まれた者は人生安泰ルートを進めるということだ。
スミレも、超能力者だった。
スミレの超能力は、空を飛ぶ、瞬間移動する、なんてキラキラしたものなんかじゃない。
それは───────
パチンと指を鳴らす。
上空に浮かび、うざったるいほどに青い空に、逆光で黒く目立つ飛行機が、びゅうううううううと音を立て、地に接近していた。
飛行機の乗客の絶望したような声が聞こえるようだった。
「ははっ。」
そのまま落ちて、堕ちて、墜ちて。
機体はスミレの数十メートル先くらいに落下した。飛行機はバラバラに損傷、燃料が引火し、燃えている。
どこから取り出したか、スミレはその火災現場にガソリンをぶち撒けた。
火は強くなる。熱気でスミレの髪の毛と服はヒラヒラと靡く。
その後ろ姿は、酷く恐ろしく、また、酷く美しかった。
スミレの超能力は、「汎ゆる『人間が死ぬ状況』を作り出せる能力」だった。
おにおんりんぐ
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たーくん
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たーくん
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#サスペンス
コメント
1件
うわぁ…これはすごい第1話ですね。冒頭から煙草と酒と火薬の匂いって、もう既に空気感が重くてダークで、一気に引き込まれました。主人公・白原スミレの、超能力を持ちながらも「キラキラしたものじゃない」っていう自己認識が、もう既に痛いくらいで…。最後の「汎ゆる『人間が死ぬ状況』を作り出せる能力」という告白、鳥肌立ちました。飛行機を落とすシーンの描写が美しくて怖くて、スミレの後ろ姿が「酷く恐ろしく、また、酷く美しい」っていう一文、すごく好きです。この先、彼女がどういう理由でこんなことをしているのか、気になって仕方ないです。続きが楽しみ!