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ーーーーー


❤️「ねぇ、翔太って、志望校…やっぱA高?」

放課後、静かな図書室の奥。窓際の席に座った翔太と俺。翔太は数学の問題集を開いたまま、俺の質問にうなずいた。

💙「うん、A高。ずっと言ってたじゃん。行きたいって」

当たり前だよ、って言いたげなその顔に、胸が少しだけ、きゅってなった。

A高は、県外。通学に2時間かかる。寮生活になるかもしれないって翔太は言ってた。

❤️「そっか。やっぱ、そうだよな」

返事をしながら、俺はもう問題集の文字が頭に入らなくなってた。

翔太とは、物心つく前から一緒にいた。幼稚園、小学校、中学校もずっと一緒で、勉強も部活もなんとなく隣にいた。

 でも、春が終われば、たぶん、それも終わる。

❤️「…翔太さ、寮入るの?」

思わず聞いた。そしたら翔太は、少し黙ってから、ゆっくり答えた。

💙「うーん、わかんない。でも、多分、入ることになるかも」

なんでだよ、って言いかけたけど、言えなかった。

 俺には、翔太を引き止める理由がない。…親友だから、応援しなきゃいけないって思ってた。

でも、どうしても言いたくなった。

❤️「…俺は、翔太がいなくなるの、やだな」

ふと漏れた言葉に、翔太が手を止めて、こっちを見た。

💙「…今さら、なに?」

❤️「今さらだけど、今言わなかったら、もう言えないと思った」

💙「…」

❤️「翔太が好きだって、ずっと言えなかったけど。言ったら、離れるの、もっとつらくなる気がして。…でも、言わなかったら、それも後悔すると思って」

翔太は、黙って俺の目を見ていた。そして、小さく笑った。

💙「……バカだな」

静かにそう言って、ページを閉じた。

💙「俺、B高受けてもいいかな」

今度は、俺が驚く番だった。

❤️「え?」

💙「だって、そっちのほうが近いし。親と話したら、どっちでもいいって。…俺、涼太と離れたくないもん」

顔が熱くなる。心臓の音が、図書室に響いてる気がした。

❤️「…それ、今言う?」

💙「今しかないでしょ。だって、春、終わる前に言わなきゃって思ったから」





翔太がB高でもいいって言ったあの日から、少しずつ、毎日が変わった。

変わったって言っても、見た目は何も変わらない。いつも通り、朝は駅まで一緒に歩いて、昼休みは隣の席で弁当を食べて、帰り道にくだらない話をして。

 でも、俺の中では、全部が特別に思えてしまうようになっていた。

❤️「翔太はさ、本当にいいの? B高にするの」

テスト前の自習時間。机の下、そっと視線を送ると、翔太は無言でうなずいた。

💙「いいもなにも、涼太がいない方が俺には無理だから」

そんなことをさらっと言うから、こっちの心臓がもたない。

❤️「翔太、ほんと、ずるいよな」

💙「ん? なにが?」

❤️「…なんでもない」

本当は言いたかった。

 好きだって言ってくれたなら、それ、もう一回言ってほしいって。

 言葉にしてくれたら、俺も胸張って「俺も好きだよ」って言えるのに。

 でも、翔太は言わない。あの日一度きり。

 たぶん、俺が何も返せなかったからだ。

……このままじゃ、翔太がまたどこかへ行ってしまいそうで怖い。

テスト最終日、帰りの駅で人混みを抜けた瞬間、俺は足を止めた。

❤️「翔太」

💙「ん?」

❤️「……やっぱ、言わせて」

翔太が、きょとんとした顔でこっちを向く。

❤️「俺、あのとき何も言えなかったけど…翔太が好き。ずっと、言いたかった」

翔太の目が見開かれる。少しの沈黙。…それから。

💙「はぁ、やっと言ったな。俺、ずっと待ってたんだけど」

ふっと、翔太の顔が笑って、俺の肩にこつんと頭を乗せた。

❤️「…俺も、何回だって言うよ。涼太のこと、好きだって」

電車の音にまぎれて、小さく響いたその声を、俺は一生忘れないと思う。



💙end❤️


長すぎた(´•ω•`)スマヌ

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