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その日、私は生徒名簿を見ていた。

特に何か気になったことがあるとかでもなく、

ただ単に暇だったから見ていただけだ。


仕事中でも暇になってしまう時があるんだよ。

そういう時は大人しく気晴らしした方がスッキリ出来るんだよ。


ぼーっとしながら見ていたため一瞬見逃したが、知った名前を見つけ

私は慌ててページを巻き戻す。


「2年4組…ナナバ、か。」


たまたま名前が同じだけだった可能性も否めないが、確認してみる価値はある。

明日2年4組に行ってみよう。


だがしかし、どうしてこうも私より先に死んだモブリットやナナバが

高校生をやっているのだろうか。

普通は逆だと思うのだが。


6限目の終わりを知らせるチャイムが響き、私は現実に戻される。

とりあえず色々考えるのは後にして、今はやるべきことを片付けよう。


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生徒たちは帰路につき、早く仕事を済ませた私は

やはり暇だったので校内をぶらぶら歩き回ることにした。


なら同僚の仕事を手伝えだとか、ブーイングが飛んできそうだが

そもそも自分の仕事は自分でやるのは常識だと思う。私が手伝う義理はない。

そう考えていると、後ろから紙飛行機が飛んできて頭に直撃する。


「あ痛っ、誰だこんなイタズラをするやつは…」


見てみると、その紙飛行機には文字が書いてある。

“2年4組の教室に来てください”


またモブリットの仕業かと思ったが、筆跡が違うように見える。

だが彼は器用なので、筆跡を変えるなんてのは造作もない…と思う。

そもそもこんな方法でこんな内容の手紙を渡してくるのはモブリットだけだ。


ひとつ引っ掛かるのは、2年4組の教室ってところだ。

そこは例のナナバがいるクラスで、何か関係があるのかもしれない。

ナナバのことは気になるし、行って損は無いだろう。


丁度ここの突き当たりの先は2年4組の教室だ。

恐らく紙飛行機を飛ばして逃げて、そのまま教室に隠れたんだろう。

妙に動きが素早いな…予行練習でもしたのだろうか。くだらない…とか言ったら

このご時世的に叩かれそうだが。


私は教室の扉に手を掛け、いつものようにフルパワーで扉を開ける。


「こんにちはーーっ!!紙飛行機痛かったよぉーーーーッ!!」

「うるさいですよハンジさん」

「全く、ハンジは変わらないな」


中にいたのはバニーガール姿のモブリット。これはいつも通りだからいいとして。

もうひとり、こっちはバニーボーイ姿のナナバがいた。


私の名前を呼び捨てするってことは、このナナバは調査兵団所属の

あのナナバで間違いないだろう。

前世の記憶があることも確定だ。しかし、何故ナナバもコスプレを…


「この状況の説明をしてほしそうだね、私も説明したいからしてあげるよ。」

「はぁ…」

「私とモーちゃんは家が隣で…」

「ちょちょ待った待った!何その呼び方知らないよ!?」


モーちゃんというのは、モブリットのことか?

そんなに親しかったかこの2人は!?


いや落ち着け、家が隣だということは今世では幼馴染ってことで。

もう上下関係も人類の存亡をかけた戦いも無いから、あだ名で呼ぶようになったとか…


「ああ、まずはそこの説明だね。そもそも私とモーちゃんはこの転生が2回目なんだ」

「1回目は私もナナくんも海難事故で死にました」

「エレンとアルミンに海を見せるために頑張っていた

調査兵団の兵士が海難事故で死ぬって…」


私の前世はこの2人の前々世ってことか。紛らわしいな。

その転生のタイムラグもあって、私は大人で2人は高校生っていう関係になったと…

謎が解けた。

前世でも一緒だったんならそりゃ仲良くなるよね。


「で、なんでナナバもコスプレしてるのさ」

「そこだよ、私が中2の時文化祭で男装カフェやることになって…」

「要するにモブリットと同じ流れってことか」

「そういうこと」


女装男装コンビとは、今世でどっちもそういう方向に目覚めるのはなんなんだ。

お前らが通ってた中学校はよっぽど異性装が好きなんだな。


「けどモーちゃんが女装癖あるって知ったのは最近なんだよね」

「それでお互いの呼び方も変わったんです」

「はぁもうほんと、可愛い妹ができたみたいで嬉しいよーっ」


そう言いながらナナバはモブリットに勢いよく抱きつく。

もうお前ら付き合えよ、と言いたいところだが

この小説読んでる画面の前の皆さんは恐らくハンモブ過激派だと思うので

モブナナendはもちろんナナモブendも無いと言わせてもらおう。


ただちょっと距離が近いだけだ。

あの…幼馴染だし。一緒に海難事故でお亡くなりになられた仲だからね。


「で、どうですかハンジ先生!バニーガール好きでしょ?」

「いつ好きって言ったって?…まぁ、モブリットは何着ても悪くはないよ。」

「ナナくん聞いたぁ!?悪くないってさ!」

「聞いたよモーちゃん!調査兵団での“悪くない”は“良い”ってことだからね!」


そう言いながら2人できゃっきゃしている。

さながら好きな先輩に話しかけて返事貰えた時のJKだ。

高校生ってところしか合っていない。


調査兵団での“悪くない”は“良い”って事は初耳だ。

リヴァイ語録がそこまで浸透しているとは思わなかった。

そのせいで変な勘違いをされたようだが…(良くも悪くも無いと言いたかった。)


「ねぇハンジ、私はどうかな?」

「かっこいいね。女子に告白された事あるでしょ。絶対。」

「聞いて驚くといい、今まで女子にしか告白されたことがない。」


驚くといいと言われた手間言いづらいが、調査兵団にいたときもほぼそうだったし

さして驚きはしない。さすがイケメン女子だ。


私は前世ではイケメン女子に分類されると思うが、

女子はおろか男子からも告白されなかったな… やはり風呂キャン界隈だった弊害だろうか。

モブリットからも、何度風上に立つなと言われたことか。


「あー、3年になったらモーちゃんと同じクラスがいいなぁ」

「それでハンジさんが担任だったらいいねぇ」

「良くないよ!?全くもってそれは良くないね!?」


モブリットひとりの相手をするだけでもういっぱいいっぱいなのに

そこにナナバが増えてみろ!!四妖拳とかしないと手がまわらない。

私が過労でぶっ倒れる。


前世でモブリットとかアーベルとかニファとかケイジとかモブリットとかモブリットとか

何度も過労でぶっ倒れさせた罪を償う時が来たらしい。


正直今すぐにでも過労でぶっ倒れそうな所で、

モブリットとナナバがやはり唐突に服を脱ぎ始める。


「ちょーっと待った!!ナナバ!!君もか!?」

「君もって?」

「なんで異性がいる場所で服を脱ぐんだ!?」

「異性?どこ?」


ダメだ、私は前世が女だったから勘違いする気持ちも分かるが

モブリットまで同性認定するのはもう頭がおかしい。

そういえばさっきも可愛い妹って言ってたな。


とりあえず私はモブリットを連れて、教壇の下に潜り込む。


「さあナナバ、今のうちに着替えるんだ」

「ハンジ、そんな心配しなくていいって。

モーちゃんが好きなのはハンジだから、私に手出したりはしないよ」

「ガーン、手出すと思ってたんですね。」

「ごめんって!!!!」


次は着替え終わったナナバと先に廊下に出て、

モブリットが着替え終わるのを待つ。


「あのさ、分かってあげてね」

「何を」

「モーちゃんの気持ちだよ。あれは本気だよ、恋する乙女の顔してる 」

「どんな顔なんだか…」


着替え終わり、教室から出てきたモブリットも一緒に

少し前世(2人からしたら前々世だが、紛らわしいので前世表記)の話をしながら

私達はゆっくり廊下を歩いた。










〜好評じゃないけど続く〜












〜おまけイラスト〜

画像



【進撃の巨人二次創作】誘惑オーバードライヴ

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キャラ設定と注意事項にナナバの設定を追加しました。 ナナバとモブリット、姉妹みたいで可愛いね。

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