文化祭の日、類に会った。
類は、
あの頃の“先輩”とは違ったんだ。
寂しい笑顔はしなくなった。
代わりに、心から楽しそうだった。
…うん。そうだな…。
……先輩は、救われたんだね。
それは、嬉しいけど…
なんだろう。この感じ。
ちょっと…寂しい、のかな…?
でも、きっと、これでいいんだ。
ボクらは、死ぬのは一緒でも
生きるのはきっと別々だから。
結構経ってから気づいたんだ。
みんな、進んでいってるのに
…ボクだけ、進んでないって。
……絶対言わなきゃ
いけないわけじゃない。
ただ、騙してるみたいで
………なんだか、気が引けるだけ。
……今はまだ、この距離のまま。
もう少しだけ…このままで居たいな。
コメント
1件