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ゆゆ@プロフお読み下さい。

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※nmmnです。
※実在する人物の名前を借りておりますが、現実とは一切関係ありません。
※妄想の世界でありフィクションです。
※作品を無断で転載したり、真似や抜粋などして投稿することはお断りしています。
※snsなど多くの人の目の届く所で感想を言ったり、作品について話すことは断固お断りしています。
※問題であれば消します。
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桜並気を吹き抜ける風の中を歩く男の姿は、まるで絵画的だった。
男の周囲は、不思議なほどに穏やかな空気が流れている。
その男の名前はus。そう、俺だ。
自意識過剰でも夢想でもない。ただ事実を述べているだけ。
教室に入ると、生徒達の場は一気に華やいで、ザワザワと寄り集まってくる。
透き通るような白い肌に、光を受けて淡く輝く黒髪。
あぁ、俺って本当に罪な男だ。
…
そう思っていたはずなのに。
俺は窓際の席で頬杖をつきながら、腹の底から興味の無いフリをしていた。
生徒達が落ち着かない様子は、担任が入ってきたと共に徐々に鎮まっていく。
「みんな!静かにして」
「ほら、入ってきていいよ」
まだ静寂に満ちた扉に向かい、どこかあどけないふくよかな声で誘う。
その時だった。
彼が入った途端、生徒達は騒がしくお互いに顔を見合わせている。
教壇の中央に現れたそいつは、騒然としたクラスに閑寂を落とした。
ゆっくりと口を開ける。
「…初めまして、名前は」
波紋は、教室中を波打ち衝撃を食らわした。
余りの衝撃の強さに、その場全員が息を飲み竦む事になっただろう。
(…は?)
殆どの自己紹介は耳から耳に、ただその対象の人物を、干渉も出来ずに瞠目していた。
(何、なんなんだよ…こいつ!?)
長く黒い睫毛が瞳に被さり、少し金髪が混ざったふわふわで短髪な髪。
目を凝らしても、何一つトラブルの無い綺麗な肌。
はっ…として辺りを見渡すと、女子生徒は頬を赤らめたり、アイコンタクトを取っていたり、口元を隠していたり。
そんな光景に、思わず親指の爪をガリっと噛む。
“本物”が来たことによって、きつく結ばれていたはず靴紐が俺に躊躇なく解けていった。
案の定、小休止を迎えると、生徒達は群がって彼に寄り添っていた。
(…さっきまで、俺の機嫌取ってたくせに)
俺の周りには誰も集ってこない。みんな、食べ物を見つけた蜜蜂のように群がって。
(ははっ…馬鹿だなぁみんな)
両手で音を立て机を叩いた。伸びをするように立ち上がり、彼の元へ近づいていく。
味方なんて居なくていい。 本性なんて、俺一人の手で暴いてやる。
(こういうやつほど、性格悪いから)
後ろに回ると、彼の肩に手を置いて呼びかける。
「こんにちは〜gtさん…だっけ?笑」
「よろしく〜」
頬を緩めながら、小さく笑みを零した。
置いた手は馴れ馴れしく、制服を着崩すようにベタベタと触っていく。
「…うん!よろしく」
彼は一瞬きょとんとしていたが、やがて春の日差しのような笑みを浮かべた。
「…」
(何、こいつ)
男にこんな感情を抱くのは初めてだろう。
何故か胸が高鳴って…顔が熱くなる。
その時、横槍を刺すように生徒達の黄色い歓声が飛び交う。
「us優しい〜!」
「2人ともかっこいいし、目の補給〜」
虎の威を借りることに近い感情を抱きながら、目を細めて興奮する。
表には出ていない俺の心は今、どうしようも無いくらいに薄気味悪い笑みが張り付いていることだろう。
「今日、一緒に居てくれないかな?」
「仲良くなる印に…」
そんなものは、氷のように呆気なく砕け散った。
一緒に居て彼に優しさを見せれば、少しは周りの俺の株が上がると思っていたのに。
…保健体育では、彼の持ち前の運動神経が良く、周りの生徒達に黄色い歓声を浴びるほどだった。
勉強もでき、最高点数のテストは感服の声と共に彼に渡される。
ダメな所なんて…見当たらない。
俺と違って、誰にでも心を持つ彼に、どうして相手に成らないのかなんて、もう自分でも分かりきったことなのに。
「…」
周りに囲まれる彼に、嫉妬心を込めた思いに拳を握りしめた。
俺がクラスで1番だったのに。
あんなやつに取られて…散々努力だってしたのに。
そんな屈辱を食らわれながらも時間が経っていって、気が付けば、彼が来てから数ヶ月が経っていた。
「あっ…!」
廊下を辿っていると、床に散りばめられた筆記用具達が足元に転がってきた。
威勢を張る振りをする事も無いし、誰かさんのせいで暇だったから、迷いもなくそれ達を拾い上げた。
「あ、ありがとうございます」
「え?あぁ…」
(…あれ?俺、何してんだ?)
こんなこと、普段の俺なら絶対にやらない事だった。
陰キャの為にここまでする事無かったのに、無意識に身体が動いて…
「…」
(ほんっと、調子狂うんだよ)
(クソが)
帰り道、販売機で寂しく飲み物を購入すると、後ろから気配がし名前を呼ばれた。
「us!」
その正体は、彼だった。
ドクッと心が揺れる。釈放されたあの場の空気から、彼のせいでまた味わうことになったのだ。
「…なんの用?」
珍しく人集りが居ない、こうして一人で居る彼を拝めるのは久方振りだろう。
気持ちがつい露見してしまい、いつもの明るみな声とは裏腹に、思った以上に低く響いてしまった。
「何買ってんの?」
「…見て分かんねぇの?」
もはや建前なんてどうだっていい。
靴紐を解かれた感覚は、今でも余韻に浸っているほどだから。
「え〜なんか酷い、俺にも買ってよ」
再起不能に痛ぶった挙句、態々俺に勝利の一杯を奢ってくれと?
本当に…どこまでもムカついてくる。
「俺には優しくしてくれないの?」
「は?なんだよ…皮肉か?」
「なんで皮肉に聞こえるの笑」
彼はベンチに腰を掛けると、上に見た伏し目で目を細めた。
「俺知ってるよ、usは本音が優しいの」
「さっき、隣のクラスの〇〇さんに文房具拾って上げてたでしょ?」
あそこは人混みも多く、知り合いの2人や3人居ても不思議ではない。
一部始終観られていたのだろう。
「…だったら何?」
「いや、俺さ」
癇癪玉を噛み砕いたかの様な、缶を握り締める手元が視界から外れた。
「本音の友達が欲しいんだよね」
「…」
思わず黙ってしまった。
そんな友達、彼になら自然と作れるはずなのに、何故それの対象が俺なのかが分からない。
「…お前なら自然と作れるだろ、そんなの。いちいち俺に言わせんなよ」
俺には叶わぬ夢の願望に切歯扼腕をする。
「自分でも分かるんだよね、あぁ…この人達は俺を本当の友達だと思ってないんだなって」
「…この人達って、お前の集ってるグループ?」
「そうだよ」
「てかなんで俺なの?そいつらの誰か一人でいいだろ」
「いや…それはまぁ…」
分かりやすく言い淀む彼に、クエスチョンマークを頭上に浮かばせる。
瞬きを繰り返しているうちに、半開きのように小さく口を開いた。
「usが…かっこいいから」
苦笑を浮かばせながら、照れ隠しのように頭をかいている彼は俺を置いていく。
裏腹に、思考が急速に回転したのち、ぷつりと糸が切れたように停止した俺。
「…え?」
飲み物が滑り落ちそうになるのを、手指全体で必死に握り締めた。
「だって俺ってさ…顔…良い方じゃん?笑」
「あんな連中とは釣り合わないと思うし、どうせなら同じ境遇の友達作ってそいつらと仲良くすれば良いかなって」
「…」
燕のように早口な彼は、細かいことまでは通弁者にも良く分からないだろう。
ただ、一つだけ分かったことがある。
こいつは…とんでもねぇ悪魔だってこと。
(やっぱりこう言う奴ほど性格って捻くれてんだな)
「あっごめん…引いた?」
「いやまぁ…何となく、知ってた」
「あはは笑やっぱ知られてたか」
彼はすくっと立ち上がり、唖然とした俺に面と向かって対峙した。
「じゃあ、もう本音の友達は出来たね」
「は?ちょ、おい!」
買ったばかりの飲み物を抱えたまま、彼は気に留めず俺の両手首を掴んだ。
握手をするような形で掴まれると、俺に向かって皮膚が輝き出すような柔らかい笑顔を向けた。
「よろしく!us」
その瞬間、何故か奥底から胸が熱くなり、呆然と彼の瞳を見続けるだけだった。
顔も耳も背けたくなるほど、全身が染まりそうな体温にやり切れない思いを抱えたままだ。
「…あ、あぁ……」
顔を背け、瞳も見ないまま頷くとほんと!?と無邪気に声を荒らげる彼。
「…っぷ、子供すぎだろ」
いつの間にか、俺からは笑みが零れていた。
俺の表情を見ると、彼は何故か優しい顔をして俺を見つめていた。
…たくっ、
本当に調子狂うんだよ。
コメント
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うわっ、3話めっちゃ良かったです…!usの“俺が1番”だったプライドがgtの登場でどんどん崩れていく感じ、すごく生々しくて引き込まれました。特に「調子狂うんだよ」って最後に零すセリフ、あれ最高です。嫉妬と惹かれ合いが入り混じる心境の描写が丁寧で、2人の関係性がどう転んでいくのか気になりすぎます。次話も楽しみにしてます!