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ステージに霧が広がっていた。
視界はぼんやりしていて、敵の位置も味方の動きも曖昧だった。
恒は、前に出ていた。
ひろの気配を背中で感じながら、シャケたちを処理していく。
そのとき、霧の奥からヘビが現れた。
ひろの右側に回り込もうとしている。
恒は、何も言わずに動いた。
ひろの位置を正確に把握していたから、声をかける必要はなかった。
ブキの音が、霧を裂く。
ヘビが崩れ、インクが跳ねる。
ひろは、少しだけ振り返る。
恒が、いつものように左側にいた。
目が合う。
何も言わない。
でも、ひろは静かにうなずいた。
——見てくれてる。
——いつも通り、そこにいる。
それだけで、安心だった。