テラーノベル
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降り注ぐ雨の中、僕は一人ダンボールで眠っている。
あぁ、寒い。
あぁ、恐ろしい。
あぁ、寂しい。
ピピピピッピピピピッピピピピッ
「夢か、」
何度もなるスマホのアラームに、多少の安堵と苛立ちを覚える。
「久しぶりに見れたのにぃ」
きっとあの夢は、僕の大切な記憶の手掛かりな筈なんだ。
ピンポーン
「…あっ、ころさんだぁ!」
チャイムを鳴らした人物を見ると、無意識に尻尾が揺れる。
「少し待ってね」と言いつつ速支度を済ませてドアを開ける。
「お待たせ~」
「、!おがゆだぁ!」
遅くなり過ぎてしまったのかもしれない。
ころさんは僕を見たら真っ先に飛びついて尻尾を振る。
「ごめんね、ころさん、待たせちゃって」
「うぅん!こぉね気にしてないから良いよ!」
「ありがとう、」
彼女の心の広さをありがたく思いながらもふとスマホの画面を確認する。
[7:38]
「…ねぇ、ころさん」
「ん?どしたのぉ、?」
「遅刻だ。」
「、、え?」
僕がそう言った直後、ころさんは焦ってスマホの画面をつけ、時刻を確認する。
それを見た途端、ころさんの顔から笑顔が消えて、少しずつ青ざめていく。
「おかゅ?」
「なぁに?ころさん」
「走れぇ!」
「おう!」
そう言って僕は笑顔で駆け出す。
「「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ。」」
「間に、あっt『無いぞ』
ころさんと先生、相変わらず息ぴったりで少し面白いなぁ。
僕は微笑みながらこっそりと席に着く。
『戌神、猫又を見習いなさい。』
「いやいやいやいや、おがゆも一緒に遅れてるっ、、て、おがゅ ?!」
「やぁ、ころさん遅かったねぇ」
席につき笑顔で手を振る。
『猫又なんて一番早く来たんだぞ?何言ってるんだ。』
「…あ、あれぇ?」
あはっ、ごめんねぇころさん、
心の中で謝っておこう。
『全く…授業を進めるぞ! 』
「…はぁい、」
ころさんが頬を膨らましてる、
後で怒られちゃうやぁ。
今日の一時間目は、、歴史かな?
寝そうなんだけどぉ、、
「がゆっ!」
「おがゆっ!」
「んっ、んぇ?」
「なにぃ?ころさん」
「おがゆ授業ずっと寝てたでしょ? ほら、こぉねのノート写して!」
「はぁい、」
今日の歴史の授業の内容をまとめると、こうだ。
現代の世界には、人間、猫人、犬人、龍人が居る。人間と猫人、それと犬人が合わさった国がグラド帝国だ。
龍人だけは、ドラゴ帝国に住まうのだそうだ。
グラドは、知と平和の国。
ドラゴは、野生と力の国。
真反対の両国は、過去に3回、大きな戦争を起こしている。
約135年前までこの世界には魔力が存在した。
元素の魔女の子は魔力を持っていた。
やがてあらゆる者たちが魔力を使える世がやってきていたが、魔力遺伝の欠損により魔力の概念はなくなった。
魔力は両親の血によって決まる。
何世代にも渡って受け継がれ、少しずつ元素の血が薄まっていった。
現代になって、魔力を使わなくてもあらゆる事ができるようになり、魔力はそのうち必要とされなくなった。
とのことらしい、。
「ねぇ、ころさん」
「ん?どうしたの?おがゆ」
「もし今も魔力が使える人がいたらさ、とっても面白そうじゃない?」
「…ぅ‐ん、でもこぉねは別に、いらないや!何か怖いもん!」
「、!…そっかぁ」
「でも僕、もしそんな力があるのなら、」
「使って…みたいな、」
コメント
2件
最高!!!!!!!!!!!!!この世に命があって本当によかった