テラーノベル
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…これは拙い。
敦君の寮には、誰も居なかった。
何処を探しても、敦君の姿はない。
寮を探ったところ、何時ものあのチグハグな仕事着はない。
ならば出掛けて居るのだろうか。
だが、敦君の携帯、財布など、出掛けるのなら大抵持って行く物が置いてある。
それに鏡花ちゃんが先程寮を出て行くのを見た。
そのあと敦君が寮を出たなら私が目撃するはずだ。
だから鏡花ちゃんが出て行った後とは考えられない。
鏡花ちゃんが寮で支度をしている最中に出掛けたのだとしても此方に連絡がくる。
じゃあ鏡花ちゃんが起きる前?夜中に何も持たずに出て行ったのか。
なら朝起きても荷物が置いてあるから気づかない。
敦君が何も持っていないのにこんな夜中からこんな時間まで帰って来ないとなると…。
敵に拐かされたか、?
なら、敦君は今頃、敵と一緒に居る。
今の敦君なら直ぐに騙されて、堕ちていくだろう。
…それに相手が相手なら、直ぐには助け出せない。
携帯を取り出し、探偵社員の一人に電話を掛けた。
…
「乱歩さん」
『…予想は付くよ。敦は?』
「居ません。恐らく近くにも居ないかと」
『そうか。一度探偵社に戻ってこい 』
電話が切れる。
私は寮の扉を開き、探偵社へ向かった。
ガチャと、探偵社の扉が開く。
「 来たか太宰」
と、乱歩。
「何があった?」
「寮へ行って、敦君を探しましたが、何処にも。携帯電話も財布も置いて行っていますが、探ったところ何時もの服はなく、それを着て何処かへ消えたかと」
そこへ鏡花が割り込む。
「私が支度をして居るとき、敦は寝て居るのかと思った。携帯電話も財布もあったから」
「けれど、姿は見ていない」
と乱歩が、鏡花の最後の台詞を推測して云った。
それに鏡花は頷く。
「敵に攫われたか?」
と国木田。彼奴は何かと狙われやすいからな、と付け足す。
それを乱歩が否定する。
「いや、違う。夜に攫われたなら鏡花ちゃんが気づく。それに朝鏡花ちゃんが寮を出たタイミングと太宰が寮に行ったタイミングは殆ど同じだ。それならどっちかが気づく。そして襲われたにしても敦は着替えて居たし、寮は綺麗なままらしい。異能でもないだろ」
国木田が、「乱歩さんが云うなら、そうなのか」と。
「敦君は自分で寮を出て行き、消えた。“誰か”に、拐かされて」
「…“誰か”とは誰だ」
「…誰も僕の頭脳には抗し得ない…。ただ一人…」
少しの間が開く。
「魔人…フョードル、…か」
「…ですが、フョードルが何故敦を」
「フョードルも組合と同じ様に頁を狙っている。頁を探る為の、新しい作戦…敦を手駒にして使う気なんだろうな」
……。
「取り敢えず、全員揃ったら話し合おう」
魔人…。
本当嫌気が指すね。
利用しては要らなくなれば棄てる。
まるで月を弄んでいる様だ。
彼は弄月でもしているのかな。
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最近の敦君は落ち込んでいた様だし、きっとフョードルの言葉に乗ってしまったのだろう。
敦君は、そう云うのに弱いからなぁ…。
相手がフョードルなら計画も完璧だろう。
此方も、解決策を考えなければ。
彼奴何かに、負けては居られないねぇ。
私は、小さく嗤った。
朝が来た。
太陽が照っていた。
太宰さんと同じ程の身長の彼の隣を、無言で俯き乍ら歩く。
いつの間にか此処が何処かなんて判らなくなっていた。
人気もなく、ただ静かで、僕達の足音が響くだけ。
「着きました」
そう云われて顔を上げて見えたのは、ポツンと建っている家。
何年も使われていないのか、綺麗な家だった。
少し不穏で不気味な空気を漂わせているのは、ここが暗い処だからなのか。
でも、慥かに木は多少あるが、森の様に暗い処ではない。
矢張り、雰囲気が、暗いのか。
そんな事を考えていると、フョードルが声を発した。
いきなりの事で、吃驚して仕舞った。
「探偵社の寮はもう使えないでしょうから、これからは、此処に住んでください」
慥かに、寮はもう使えないのか…。
寂しい、と思って仕舞う。
結局棄てられるなら、少し早まっただけの事なのに。
僕は此処で、今更思い出した。
僕…財布も何も、持ってきてないんだ。
「あの、…」
「はい?」
「僕、財布も携帯も、服も、何も持ってない、んですけど…」
「ああ、そんな事ですか。心配要りませんよ、全て新しい物を使えばいいのです」
…。
「…わかった」
フョードルが微笑う。
「では、取り敢えず中へ行きましょうか」
家の中は質素で、何の特徴もなかった。
リビングに、キッチン、寝室。
本当に、何処にでもあるような部屋だけなんだ…。
…ん、?
あの部屋は何の……
「ところで敦さん。その服、着替えたらどうでしょう?探偵社からの物は凡て、身に付けない方が良いのでは?」
…。
ー初めて誰かに、皆さんに買ってもらったものなので……
“ 僕の大切な “ 正装 ” です ”
「そう、ですね…。でも、変えの服がないので…」
「ああ、それなら心配要りません。幾つかあるので…、これとか如何です?」
それは黒いシャツと、外套だった。
「…」
「気に入りませんか?それじゃあ…」
「いや、着る…」
「そうですか、では…僕は少し準備を」
「準備?」
「えぇ、…ふふ、秘密です」
フョードルは悪戯の様に嗤った。
着替えてみたけど……何時も と全然違って、違和感がすごい…。
「おや、着替えましたか。お似合いですよ」
「そうか…?」
「ええ。」
少し間が開いて、フョードルが口を開いた。
「では…早速貴方にお客様です」
フョードルは、笑みを浮かばせ言った。
何も判らない僕が喋れずにいる間の空白は、或る物音で埋まった。
〜 あとがき 〜
こんばんはー…!
わたしは大体夜中に最新話を出しますよ
これテストに出るから、はい、メモメモ!!
( うそだけど )
皆!聞け!
わたしがずっと欲しかった、太宰治の女生徒と津軽を買えた!!
あぁもう幸せ
でも皆聞け!
文マヨのガチャで全然推しが出ないんだよぉぉ…
もうほんとむり
それだけですはい。
それじゃ、ぐっとばい!
コメント
42件
謎バグでコメントが遅くなった😭改めてコメント失礼します🙇♀️今回も最高でした(≧∇≦)/見れてとっても幸せ( *¯꒳¯*)💖ありがとうございます!続きが楽しみすぎる"(∩>ω<∩)"
最近全然見れなかった、、もう最高 ほんとに推しでないよね!?!?運営さんしっかりしてよぉー、!!
今回も最高でした🥺ありがとうございます。幸せです。