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yoichi side
[学校]
ガタッ
「!潔」
「久しぶりじゃん、体調崩してたんだって?」
「まぁ、そんなとこ」
「お前が休みの間、大変だったんだぜ」
「凛がおかしくてさ」
「凛が…?」
「そ~なんだよ。あいつ超イライラしててさ、皆が盛り上がってる所に突っかかってくんの」
「授業はフケてるし、話してもシカトするし潔はなんか聞いてねえの?」
「さぁ?連絡も特に来てなかったし」
「…喧嘩でもしてんの?」
「別に」
「…ふ〜ん」
「まぁ良いやガタッ」
「次移動だし皆で行こうぜ」
「凛もいないしさ」
グッ
凛からの連絡はなかった
鳴らない携帯も
言えない噛み跡も全部
変わってしまった関係性の明示みたいで
こんな風に少しずつ終わっていくのだと思った
積み重ねていったものが
ゾクッ
「な、何?」
「あれ?反応うっす」
「もっと嫌がってくれると思ったのに」
「それともやっぱもうちょい下?」
駄目だ震えるな
悟られる
「悪趣味な遊びはやめろ…?!バシッ」
「だってさぁ潔、休み明けからうなじ隠すようなカッコしてんじゃん」
そうなったら
また終わってしまう
「お前オメガだろ?」
「もしかしてもう」
「凛に噛まれちゃった?」
ドッ
「俺は!!!」
「オメガなんかじゃない?!!!」
「あの反応傑作っしょw」
「いやぁ〜潔が今まで一番面白かったわ」
「超ムキになってたもんな!走って逃げてくし」
「俺あいつのでけー声初めて聞いたわ」
「楽しそーな話ししてんなぁ」
きっと
他の連中にも知られた
これも全部俺のせい
俺が
オメガだから
ダンッ
「…なわけ有るかよ」
「どう考えても俺のせいじゃないだろ‼‼」
「なんでっ」
ガンッ
「なんであんなクソみたいな遊びにっ‼‼」
ガンッガンッ
「何もかもぶっ壊されてっ‼‼‼‼‼」
「ふざけんなよ…」
ズルッ
これからずっと
オメガだったから凛のそばにいると思われるんだ
『アルファの近くに居たいだけの浅ましいオメガ』
そう思われたくなくて
そう言われたくなくて
必死に隠した
俺は俺の意思であいつの側に居るのだと示したかった
オメガを嫌ってるけどそれでもあいつの側にいたかった
他ならぬ自分がオメガのくせに!
おとぎ話みたいに幸せにならなくていいから
オメガなんかにはなりたくなかった
オメガじゃなかったら何でも良かったのに
フラッ
「おい!誰か先生呼べって」
「向こうで喧嘩してる!糸師がまた吹っ掛けたって」
「!」
「何なんだよお前‼‼この前からいちいち突っかかってきやがって‼‼」
「別に?随分楽しそうな遊びをしていたからまぜてもらおうと思っただけだが?」
「楽しいんだろ?俺にもやらせろよ」
「撫でるなんて生温かい事しないで血が出るくらい爪立てて皮膚抉ってさぁ」
「そのほうが面白いだろ?」
「何いってんだそんなことやるわけねえだろ?」
「取り繕うなって」
「そういうの見たくてやってんだろ」
グッ
「凛!」
「世一」
「なんで…」
「り…」
「お前たち何をやっている?!!!」
「またお前か糸師!?!問題ばかり起こして」
ガッ
「おい!聞いているのか!」
ドサッ
「ゲホッゲホッ」
トコトコ
「おいどこに!!」
「待て!待ちなさい!糸師‼‼」
「そうか…」
「最近の糸師の素行について、潔でも心当たりがないか」
「まぁお前もここのところ休んでいたもんな」
「ふむ…」
「潔帰りに糸師の家に寄れるか?」
「え?」
「いや…あいつ教室にカバンおいたままで帰って行ったんだよ」
「無理にとは言わないが」
様子見てこいってことか
「カバン開けっぱなしかよ」
「不用心なやつ…」
ガサッ
「…え?これって?!」