注意書き
・無一郎(記憶が戻った)
・有一郎しんだ
・なんでもありな人向け↩︎重要
・ネタバレ注意
・原作のセリフ後半めっちゃパクってます
僕は刀鍛冶を理由に、家族のこと、僕の事、
あの日の事…全てを思い出した。
僕は傷が治って数日後、
実家に帰ることにした。
御館様から 許可を頂き、今日だけ特別に
休みを頂いたのだ。
ふと兄さんの墓のことが気になって
あまね様に聞いた所、兄さんの墓は
僕達の家の外に
両親と一緒に眠っているらしい。
…僕は3年ぶりにあの家に今から帰る。
僕は家に向かいながら考え事をした。
3年間、僕は兄のことも忘れて
家族のこともみんな忘れてしまった。
兄さんは耐えられるだろうか。
弟に自分の事を忘れらてしまうだなんて。
…僕は本当に馬鹿だ。
今までなんで こんなに大切なことを
忘れていたのだろうか。
僕は兄さんの事を冷たい人だと
思っていたけれど、本当はそうじゃ
なかった。僕より、すごく心の優しい人
だった。
僕があの日鬼に襲われかけた時、兄さんは
必死に僕の事を守ってくれた。自分の
片腕を無くしてまで。
あの言葉を僕はもう二度と忘れない。
「無一郎の無は、無限の無なんだ。」
僕はその言葉を聞いて始めて、僕の事を
大切に思ってくれていたんだとわかった。
もう気づいた頃には遅かったけど。
よく良く考えれば、兄さんはずっと僕に
優しかった。遠回しに僕のことを
守ってくれていた。
喧嘩した時は必ず 僕の大好物の
ふろふき大根を 作ってくれるし、
家事だってほぼ 兄さんがやっていた。
11歳なのに、兄さんはすごく大人だった。
きっと、兄さんは僕を守るために必死
だったんだろう。
ごめんね。兄さん。迷惑かけて。
兄さんの存在すらも、忘れてしまっていて。
ごめんなさい。
あんなに守ってくれていたのに。
それも忘れちゃって。
結局僕は、兄さんに恩返ししたこと
なかったね。
しばらく歩きながらそんな事を
心の中で呟いていると、僕 たちの家に
着いた。
そのままゆっくりと歩くと、いちょうの
花びらが舞っていた。
…懐かしいなぁ。よくこの外で兄さんと
鬼ごっこしてたっけ。
自然とくすっと笑っていると、
あるものが僕の目に映った。
…母さんと父さんと兄さんの墓だ。
僕は走って駆け寄った。
「っ…!!」
横3列に並んでいる墓に僕は
なんとも言えない気持ちになった。
でも、これだけは言いたい。
「…ただいま。」
僕はそっと兄さんの墓を撫でるように触る 。
「…兄さん。あの時、僕を 庇ってくれて
ありがとう。
庇ってくれたのに、僕、兄さんの事
忘れちゃってた。ごめんなさい、。
あ、それとね。ぼく、鬼殺隊に入って
柱になったんだよ。しかも2ヶ月で。
凄いでしょ?
…兄さんは僕が鬼殺隊に入ること
反対だったけど,
あの女に利用されるだけだって。
でも、僕、柱になる才能があったよ。
だから僕は、これからもずっと柱を
続けていくつもり。
…大丈夫。 僕こう見えて強いからさ,
しかも、泣き虫でもなくなったんだよ。
力も強くなったし、兄さんより
背が伸びたんだ。双子だったのに、僕の方が
お兄さんになっちゃったね。」
…返事はかえって来ない。
「…ねぇ、兄さん。僕、思うんだ。
あの日の夜、僕が兄さんの方で寝ていたら、
僕が死んでいたんじゃないかって。
ぼく、兄さんには死んで欲しくなかった。
だから僕、後悔してるの。
兄さんの方で寝ればよかったって。
そしたら、兄さんは生きてたと思うんだ。
…僕は死ぬけどね。
でも、僕は別に兄さんの為なら死んでも
良かった」
そう伝えると、僕はしばらく沈黙していた。
その間、背中には冷たい風が吹いていた。
「…ねぇ、兄さん、」
僕は段々と声が震えて、耐えきれず、
涙を流した。
「寂しいよ…」
僕はそっと兄さんの墓の隣に座って
体育座りで俯きながら声を上げて泣いた。
「兄さん…ぼく、兄さんに会いたい、
わがままでごめんなさい。忘れてたくせに
そんなこと願ったらダメかもしれない。
でも、辛かったんだ。ずっと。
記憶が無いのに、胸の奥が何故か毎日
苦しくて。ねぇ、お願い、1度だけで
いいから、会わせてよ…」
少し待ってみるも、返事も何も起きない。
…もう諦めた方がいいのかな、
そう思った瞬間、
何かに抱きしめられる感覚がした。
「…!?にいさんっ、?」
ぱっと顔を上げるとそこには、
いつもの厳しい顔の兄さんが僕に
抱きついていた。
「にいさんっ、、、!」
「…1人にさせてごめんな」
「謝るのはこっちだよ、
本当にごめんなさい。僕のせいで、
兄さんは…」
「…あのな、無一郎。俺は、死んだ事に
後悔はしていない。何故なら、お前が
生きてくれたから。
お前が記憶をなくした時、流石に俺も
悲しかった。でも、お前が生きてくれさえ
いれば、俺の事を忘れたって
良かったんだ。」
「でも、それでも兄さんも
辛かったんでしょ、弟に忘れられるなんて
僕は耐えれないよ、」
「…確かにそう…だが、今こうやって
やっと記憶を取り戻せたんだろ?
それだけで俺はもう十分だ。」
「…そう、」
「…そろそろ時間だ。俺はもうそろ消える」
「えっ、やだ、!行かないで、」
「ごめんな無一郎。でも、俺は
お前のことをずっと見ている。
だから、安心しろ。姿が見えなくても、
俺はずっとお前のそばにいる。」
「…うんっ、約束だからね。」
「…あぁ」
兄は何年ぶりかの笑顔を僕に見せると、
僕が瞬きした瞬間に兄は
消えてしまった。
「…兄さん、元気づけてくれてありがとう。
僕、頑張るから。兄さん、僕の事、
“見ててね”」
僕はそう言って微笑んだ後、
後ろを向いて一歩前へ歩き出した。
────────────決して後ろを向かず。
────────────無限城
まずい。上限の壱に殺される…!!!
まだ何にも役に立ってないのに
俺は右胸に刺された刃を必死に抜いた。
「…はーっ、はーっ、」
右胸に激痛が走る。痛い。痛い。痛い!!
「~〜〜ッ…!!」
ズズ…と刃を抜くと俺はしばらく
うずくまった。
「はっ、はっ、…」
…状況が悪すぎる。
これだけの傷を負わされたら
役に立てない。
なら、まだ生きて戦える人の負担を
少しでも減らせ。
死ぬ前に役に立ってから死ね!!
僕はそう自分に言い聞かせながら
包帯を巻いた。
俺は右足も切断されるも 上限の壱に
刃を思い切り刺した。
…まだだ…!!!もっと!!!
そう思った瞬間、急に上限の壱から
体中に刃が出て、
俺の上半身と下半身が真っ二つに
されてしまった。
死んでしまう…!!!
でも、 まだこの2人がいる。
この二人は何がなんでも
死なせちゃ いけない。
みんなの為にも二人を守らなければ !!
上弦の技が来る。俺が何とかしなくちゃ…
俺が 死ぬ 前に !!!
その瞬間、俺の刃が赤くなる、
どうやら上弦の壱にかなり
効いているようだ。
─────────今のうちだ、
不死川さん、悲鳴さん!!!
俺はそのまま意識を失った。
「…!!」
僕はしばらくして目が覚めた。
ここは何処だ…?
上弦の壱はどうなった…!?
僕は体を起こして立ち上がると、
目の前には大号泣している兄がいた。
…そっか、僕、
「兄さん…」
「こっちに来るな!!戻れ!!」
「…どうして?僕は頑張ったのに、
褒めてくれないの?」
「どうして?こっちが聞きたい。
逃げれば良かったんだ。
お前はまだ十四だぞ」
「仲間を見捨てて逃げれないよ」
「お前が死ぬことなんてなかった」
「こんな所で死んでどうするんだ?
無駄死にだ。こんなんじゃ何のために
お前が生まれてきたのか
分からないじゃないか」
「兄さんが死んだのは十一だろ
僕より兄さんの方がずっと可哀想だよ
それに、僕が何の為に生まれてきたのか
だなんて、そんなの自分でちゃんとわかってるよ」
「僕は、幸せになる為に生まれてきたんだ」
「兄さんもそうでしょ?違うの?幸せじゃ
なかった?幸せな瞬間が1度も無かった?
僕は幸せだったよ。家族四人で
暮らしていた時も。
…ひとりぼっちに
なってから辛いことや苦しいことが
沢山あったけど、仲間ができて
僕は楽しかった。また笑顔になれた。
幸せだと思う瞬間が数え切れないほど
あったよ。…それでもだめなの?
僕は何からも逃げなかったし
目を逸らさなかったんだ。
仲間のために命をかけたこと
後悔なんてしない。
無駄死なんて言わないで。
他の誰かになら何て言われてもいい。
でも兄さんだけはそんなふうに
言わないでよ…」
「…ごめん。わかってるよ。だけど俺は
無一郎には死なないで欲しかったんだ。」
僕達は抱き付き合った。
僕は久しぶりに兄さんに触れた。
昔と変わらない兄の体温。
僕はずっと涙が止まらなかった。
「…あとお前、俺よりボロボロ
だったじゃないか。片腕も無くなって
右胸も刺されて右足も切断されて
最後には真っ二つだ。
…ふざけんなよ、俺がどれだけ
絶望したか!!」
「…痛かったよ。ありえないほど。
すごく激痛で、もう死にたいと思ってた。
でも、やっぱり上限の壱を
倒したかったんだ。最後まで目を逸らさず。
仲間にも迷惑をかけたくない。
もし僕が途中で諦めていたらあの二人は
どうなるのか分からないしね。」
「だからといって…あの死に方は…」
兄さんはぷるぷると震えていた。
「でも、僕、今は全然痛くないよ。
もう死んだし。しかも僕、
死んでよかったかもって思ってる。」
「…は?」
「…だって、兄さんと会えたんだもの。」
僕は微笑むと、兄さんは
少し怒ったような 、
微笑んでいるような、悲しんでいるような…
とにかくなんとも言えない表情で
僕の方を見つめていた。
「…死なないで欲しかった。
お前には、鬼のいない世界で
ずっと生きてて欲しかった。」
「僕だけ幸せにのうのうと生きるだなんて
無理だよ」
「お前はそのくらい頑張ってたんだ。
それくらいいいだろ」
「それだったら兄さんだって鬼の居ない
世界で生きる意味があるじゃないか。
兄さんはそう思わなくても僕は
そう思う。」
「…俺はお前と一緒なら別になんでもいいんだ。
だから、俺は鬼のいない世界で生きてても
お前がいなかったら楽しくない。」
「…ふふ、そっか。僕と同じだね。」
僕達はそっと手を繋いだ。
──────────── せめてこの絆が
一生切れないように 。
コメント
2件
無一郎死んで欲しくなかった
やばい泣きそう····