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熊
☆プロローグ☆
規則的に並んだ街灯の白い光を浴びながら、厚いマフラーを首に巻いた「大地」(だいち)はゆっくりと家路に着く。
ふいに、携帯が振動する。
何かと思い通知の欄を見てみると、熊出没情報と、妻からのメールが来ていた。
「付近で熊が目撃されました。ご注意ください」という呪文のようにありふれた定型文が書かれていた。
勘弁してくれよ、と彼は思う。
妻の「由喜」(ゆき)からのメールを見てみると、これも熊に関することであった。
「熊出没警報が出てるわよ。十分に気をつけて帰ってきて。」
早く駆除されてくれ、と苛つきながら彼は強く思う。
早く帰りたくて、大地は走り始めた。
田舎は暗い。もう街を抜けたので街灯の間隔は広まっていき、懐中電灯がないと真っ暗で何も見えない。
星がそこにあるのが異質に思えるくらい綺麗に見えることぐらいしかいいことがない。
都会の星はよく見えない。東京に住んでいた時はそうだった。
ふいに足音がして、彼は振り返る。
速い。すぐに彼は
人間じゃない、と確信する。
二足歩行にしては速すぎる。靴の音がしない。
その違和感に気づく頃には、彼は背中から突き飛ばされていた。
立て続けに恐ろしいほど鋭利な牙が肌に食い込み、鮮血が流れる。
やがて、彼の意識は遠のき、やがて真っ暗になった。
瀬名 紫陽花
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コメント
1件
もうもう読んだ読んだ!!😭💦 プロローグからガツンと来た…!田舎の真っ暗な道、街灯の間隔が広がっていく不安感、そして「靴の音がしない」って描写がめっちゃ怖かった…!大地さん、熊出没情報と妻からのメール見てるのに間に合わなかったの切なすぎる…😢 続きでどうなるの!?次話待ってるよ🔥