【おはよう。昨日は楽しかったね。千秋君とまたこうして交流持てるの嬉しいよ。今日もお仕事がんばってね!】
【おはよう。また美奈子と会えると良いな!2人じゃまずければみんなと一緒でも良いけどさ。美奈子も家事頑張れよ】
そんなたわいのないLINを2人は楽しんだ。
繋がっているだけで、お互いの存在が嬉しかった。
【今日ね、スーパーの特売日で、カートにいっぱい入れたのは良いんだけど、結局重くて持っていられなくて、タクシーで帰ってきちゃった】
【ドジだなぁ。それって得したの?損したの?】
【うーん。わかんない。でもたくさん買ってストレス解消にはなったよ!】
【おいおい!買い物依存症になるなよ】
【大丈夫だもん!ちゃんと特売日の時だけだもん!】
毎日の本当に些細な会話だったが、千秋は心が満たされた。
美奈子の返事に毎日癒されて、1日に数回のやり取りが千秋にとって幸せな時間になっていた。
美奈子も千秋との会話で、自分の中にしまっている寂しさを忘れられた。
「ただいま」
裕介が帰ってきて、美奈子はスマホをテーブルの上に置いた。
美奈子もスマホにカバーを掛けていて、裕介が勝手にスマホを触ることもないので画面を見られる心配はなかった。
「おかえりなさい。先にお風呂にする?」
「先に夕飯にするよ。美奈子もお腹すいたでしょ?」
裕介がリビングの隣の、書斎に使ってる部屋に通勤カバンを置いて出てきた。
そのまま洗面所に行くと手洗いとうがいをする。
「今日ね、特売日でねッ」
キッチンから美奈子が話しかけると、リビングに戻ったはずの裕介の姿がなかった。
食事をダイニングテーブルに並べて、リビングの隣の部屋を覗く。
裕介がデスクでパソコンを操作していた。
「あ、夕飯できた?ごめん、書類プリントアウトしてた」
プリンターから打ち出された物をクリアファイルに入れると、裕介はそれを通勤カバンにしまってリビングに戻ってきた。
「うーん、良い匂い。一気にお腹減ってきた」
ダイニングテーブルに並べられた料理を見て嬉しそな裕介。
今夜もきっと何もないだろうと思いながら、美奈子は缶ビールを裕介に渡した。
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