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裕介の毎日の帰宅時間は早くて19時頃だった。
直ぐに夕飯を食べるか、先に風呂に入るか。
そしてその後は学校の仕事を片付け、ベッドに入るのは0時を過ぎてから。
美奈子は毎日、20時過ぎから寝るまでをひとりで過ごす。
前は最後までできなくても、週末にたっぷりとベッドの中で美奈子を愛してくれた。こんな風に寂しい思いをすることもなかった。
だが今は、平日はほぼ会話もなくなっていた。
「まだ起きてた?」
裕介はベッドに入ると、美奈子と目があったので尋ねた。
「今度の土曜日は仕事?」
美奈子が裕介を見つめたまま尋ねると、裕介は美奈子をギュッと抱きしめた。
「午前中だけ仕事してくるけど、お昼前には終わるよ。どこかで待ち合わせしてランチでもする?」
美奈子の髪を優しく撫でながら裕介が言うと、美奈子は裕介の腕の中で頷いた。
「ランチしたい。渋谷の新しいビルに行きたい」
甘えて美奈子が言うと、裕介は笑顔で美奈子にキスをする。
「分かったよ。待ち合わせの時間はまた当日決めよう」
キスだけでは寂しくて、もっと先まで欲しくなる。
土曜日にランチ。
夜はゆっくり過ごして、裕介に抱いてほしいと美奈子は思ってしまう。
「土曜日まで甘えるの我慢するから。だから」
美奈子が頬を染めて裕介にしがみつく。
裕介はフッと笑って美奈子に再びキスをする。
「土曜日は、アルコール控えるよ」
裕介の言葉に、おねだりを分かってくれたんだと、美奈子はあと数日我慢しようと自分に言い聞かせる。
しばらくすると裕介の寝息が聞こえてきた。
週に一度なんてもう期待もしていない。
月に一度でも良い。
裕介に愛されているのは分かっている。
だからこそ、渇いた身体もたっぷりの愛情で満たしてほしかった。