テラーノベル
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「なんなのあの人!シオン、一発殴ればよかったのに!!」
『あははっ、確かにそうかもね〜』
横で怒るセイカを宥めながら歩くシオン
「しかも聞いた!?もう来んでええって!彼女にそんなこと言う!?」
『多分、あれは私達を気にかけてだよ〜…多分』
きっとそう
『忙しいだろうから、来なくていい』そう言おうとしたんだよね
カラスバさんは少し口下手な所があったから、きっと今回もそう言おうとしたんだよね?
『カラスバさんは余裕が無い時言葉足らずなんだよ〜!だから、来なくていいなんて本心では思ってないよ』
「でも───」
『思ってないから』
釘を刺すように言うシオンにビクッと身体を震わせ「そ、そうだね」と頷くセイカ
どこかいつものキラキラした瞳が曇っているように見える
いつも通りの明るい笑顔なのにどこか貼り付けられたような笑みで、 言葉もまるで自分に 言い聞かせて いるように見える
「そ、そうだシオン!」
『ん?』
「またホテルZに泊まりに来てよ!ガイ達も待ってるから!!」
どこか異質な雰囲気を変えるため、セイカが話題を作る
『いいの?えへへっ、じゃあまた時間ある時寄らせて貰うね!』
「うんっ!今ねアンシャちゃんって子が居て、ドーナツ作ってくれるの、すっごく美味しいんだよ」
『ドーナツかぁ!いいなぁ〜!!またそれも食べに行かないとね!』
アチャモを優しく撫でるとアチャモも頷き目を輝かす
「(良かった、いつものシオンだ……)」
そんなシオンに安心しつつ、またシオンへ明るく話を続けた
「それじゃーね!絶対来てね!」
『うん!ありがとう〜!!』
ZAロワイヤルの時間になったからと手を振り去るセイカを見送ったあと、家へ帰るシオン
『(大丈夫、カラスバさんは私のことを思って言ってくれた)』
『(来ないでいいなんて思ってない。本心じゃない。大丈夫。私の事気にかけてだから、大丈夫。)』
「──い、おーい…」
『(忙しいと口下手になるのは今までもあったし、大丈夫。きっと良くなる。また話せるようになる)』
「──おい!!嬢ちゃん!!」
『きゃっ!?』
「おいおい、大丈夫かよ。前向いてあるかねーと危ないぜ」
いきなり肩を捕まれ驚き後ろを振り向くと、少し焦ったような顔をしたレギネがそこに立っていた
「切羽詰まった顔してどーしたよ、また彼氏か?」
『…ほっといてください』
「お?いつもの営業スマイルはどこ行ったんだよ」
手を振り払い先へ進むシオンの後を追いかけるレギネ
なんでここまでこの男も構ってくるのだろうか
『あれから、探していたポケモンは見つかりましたか』
「ん?あー、それがまーったく。もしかしたらもうミアレにはいねーのかもな」
『……なんでそのポケモンを捕まえようとしてるんですか?』
シオンの言葉に目を見開いたあと、悩むように手を顎に置いたあと「まぁ、隠す事でもないし嬢ちゃんならいっか」と呟きシオンを見つめ笑う
「ま、簡単に言っちゃ。そのポケモンの力は恐ろしいもんだからな」
『え…?』
「ポケモンっつーのは、純粋だろ?だから、良い悪いの判断も分からない」
そう言うとシオンの腕を引き、近くのベンチへシオンを座らせるとダークボールを手にしアブソルを出す
「ポケモンはいつだって悪くない。純粋なんだ、だけど世の中にはその純粋な心に漬け込むのが薄汚れた人間がわんさか居てな」
『はぁ……なるほど…?』
アブソルを撫でながら、レギネは続けて話す
「主人が攻撃を出せと命令したら、人であろうと攻撃をする。その人間が悪い人間でもポケモンにとっては、主人が1番だからな」
『というと……?』
何が言いたいのかいまいち分からず、問いかけるとレギネは小さく笑う
「俺達が追いかけてるポケモンはそりゃまー、人の心をいとも簡単に壊す力を持っててな
そんなポケモンがダメな人間にまた利用されたらいけねーだろ」
『人の心を…?』
エムリットが?そんな力を持っているようには到底思えない
純粋で可愛らしいポケモンだ、そんな事できるはずがない
「それを止めるために俺達は、そのポケモンを探して保護してるってワケ」
『あの…レギネさん自身はその力を利用しようとは思ってるんですか…?』
「ぷはっ!そら、魅力的な力だろーよ。だけど、そのポケモンはそんな事望んでねーだろーし、そもそもそんなことに利用したくねぇ」
笑いながら話すレギネの言葉は本心に見える
だけど、まだ分からない
この話も作り話かもしれない
けど、よく分からなくなった
レギネさんがいい人なのか、悪い人なのか
『───見つかると、いいですね』
「そーだなー、けどまぁソイツ逃げ足がはえーわつえーわで大変なんだわ」
最初は普通に歩み寄ろうとしたらしいが、そのポケモンは完全に人間を拒んでいて捕まえれない為、無理矢理捕まえるという強行策に出ているのだと言う
『(初めて会った頃からずっと愛想の良いエムリットが人間を拒む…?想像できないな…)』
でも確かに私以外の人間と初めて会う時は、かなり警戒心は強かった
カラスバさんの事も最初はかなり嫌っていて、物を投げたりカラスバさん自体を振り飛ばしたりしたこともある為かカラスバさんも「こんの、紙袋が!!」とかなり怒っていた
しかし、自分の知り合いだと話し、エムリットも一緒にいる時間が増えるに連れカラスバへの警戒心は無くなっていっている
『もう少し待って、次会った時は無理矢理じゃなくて話してみたらどうですか?』
「それができたら苦労はしてないぜ、嬢ちゃん」
そう笑いながら「トロトロして、変なのに捕まったら元も子もないからな。それに相手は本気で此方を殺す気で攻撃してくるし、お話なんて出来る関係性じゃないんだよ」と話す
今までの話を聞く限り、彼の言葉が嘘には見えない
だけどまだエムリットの事を話すには信頼がない
『( レギネさんともう少し話してみて、本当にいい人ならエムリットに悪い人じゃないって言ってみるのもありかな…)』
そう思いながら、シオンはレギネのアブソルを優しく撫でた
コメント
4件
レギネ怪しいのか怪しくないのか分かりません…笑笑そこが見どころですよね、レギネが異常にシオンを不審に思って付け回してたりしたらカラスバさん怒るだろうな笑笑笑
シオンちゃん一応レギネの事警戒しとくんだよー(←誰目線?