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何もかもが嫌になって
身体が動かない朝
変わらない景色に
白く
大きな翼を持った
美しい天使が現れた
「 てっ、天使… ! ? 」
思わず目を見開くと
大きな瞳に吸い込まれそうになった
その天使はにっこりと微笑んでいた
ただ微笑むだけ
触れたかった
その透き通る肌に
美しい翼に
でも
手を伸ばしても触れられない
天使だから
私みたいな人間が
気易く触れられるものではないのだ
ここまで来て
落ち込むまでもないや
天使とただ見つめ合った
その時間はまるで
長かったようで短い
この狭い世界から一瞬
抜け出せたような気がしたんだ
それから私は
その天使に会うべく
早起きをした
話すことも
触れることもないけど
何故か安心した
「 ········ぁ 」
驚いた
今まで声を聞いたことがなかったから
外見だけじゃなくて
声まで
透き通ってて
綺麗で
細くて
それにしても
「 い、今······喋ったの··· ? 」
天使は何も言わず
にっこりと微笑んだ
もっと声が聞きたかったけど
仕方ないかな
いつかは話してみたいな