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眼に写るは鮮血、
自分の身体が熱くなる。
私の眼に写るのは一人の涙を流す可憐な女性。
「…何…故で…す…?」
そう問いかけても答えは返ってこない。
「…ごめんなさい…ッ……ごめんなさい……」
彼女の手は赤く染まり、彼女は泣いて謝るばかり
───何故?
貴女は悪くない、悪いのは私
そう言いたかった、伝えたかった。
彼女は一人倒壊した瓦礫の中で動かない私の傍に
いる。
「私が…ッ私が悪いんです…だからッ…私がッ私が終わらせないと…いけなかった……」
泣かないでいてほしかった。
貴女のために頑張ってきたはずだった。
貴女のためなら私は残酷な魔王にも
人々から恐れられ独りになっても、
貴女さえいれば、
貴女が生きていてくれればそれですべてが許せた
「姫ッ…様……わた…し…は…騎士…として……
禁…忌を犯…しまし……たッ…ガはッ……」
「■■■!ま■◇▽な○ね\い!!」
「そん…な悪…い……騎士に……は罰…が下っ…ッたん……で…す……よ……」
視界が遠のく、血を流しすぎた。私の身体は
今にも崩れてしまうだろう、既に身体の下半身が失く、左手は斬れ落ち、顔の右半分は焼けただれている。
「グオオオォォッッッ!!!」
瞬間私の眼に写ったのは我が主を傷つけようとする悪しき魂の持ち主。
刹那、私は自らの主を守るため残った魂、魔力、僅かな意識を全て棄てた。
「ガァァァァ…………!!」
その者は頭から崩れ落ちた。
私は主君を貴女を守れた。
────そこで私の意識は途切れた。