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嗚呼こんな人生も悪くないなと思えるように歩きたかった。そんな人生もすぐに終わる…というより終わった。
今ここにいる僕は『僕』ではない。
どういうことか?私は『僕』自身の本当の感情を暗い暗い海の中に沈めてしまった。だから僕がやりたいことなんて何も無くなった。いや、何もしたくなくなった。
この瞬間、この感じ、この感覚!
「おりゃぁぁぁー」
僕は今バスケを見ている。
「スリーポイントシュート決まったー!!」
今こうやってお話ししている子は…わからない。別に、名前を忘れたというわけではない。思い出したくないだけだ。そう、それだけ…
「なぁなぁ、今のシュートカッコ良くなかったか?!やっぱり俺って★天才★かも(笑)」
「…すごいね」
「あ、やっと喋った!いやぁ、ずっと喋ってないから死んでるのかと思ったよ。」
照れ顔で笑う君その瞳には僕が写っていた。
ガンっ!
「____っ…」
「あーいい顔みせるねぇ、無口サン」
「…」
チッと、舌打ちをつく君
「またダンマリかよ」
拳が僕の頬に触れる。
赤く腫れ上がった頬はまるでお餅みたいだ。焼いた時のお餅は膨れ上がる。それと一緒だ。床に滴っている赤色絵の具は私の血。綺麗な紅が床について夕日みたいだ。
僕が少し微笑んだその瞬間君の足が私の腹を突き飛ばした。
「____ッあ」
「マジこのあとどうする?てか暇じゃね?じゃぁーカラオケでもいこーぜ」
「お?いいね!」
なんとなく、嫌な予感がする。というよりこの人たちといる時点でもう嫌な予感しかしない。
「お金頂戴?」
「…」
何も言えない僕。というより、なんでお金を渡さなくてはならないのだろう。
なんで
なんで
なんで
なんで
なんで
なんで…
あ、どうでもいいや。
なんでってなんで思ってるんだよ。
「わかりました」
あ、やっと返事したと言う君は僕のポケットから財布を出して2枚の紙を持ってった。目の前がくらくらする。あ、血を出しすぎたからかな、それともたくさん蹴られたからかな。そんなことを考えているうちに視界が変になっていった。
「ただいま」
しーんとしている僕の家。
この家には僕しかいない。
親は随分前に死んだ。
僕の目の前で死んだ。
お父さんは銀行員の社長さんだった。お母さんも銀行員の社長さんだった。そんな2人だから殺された。「ニャァ〜」
…?
猫がいる。家に猫がいる。
「可愛い…ボソ」
可愛い…?
どうでもいい。
課題をやらないとと思う僕はすぐに机に向かって勉強をした。
少しだけ息抜きをしようとキッチンに行った。
瑠璃色の飴があった。
少しお腹が空いていたので丁度良いと思って舐めた。
舐めてみた。
美味しい。
甘い香りがする。
甘い。
そして私は倒れた。