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「桜が綺麗」と言う人も
落ちた花弁は踏んでいくように
誰しも落ちた者には興味を失う。
ままもぱぱも
愛らしく咲き誇っていたときは
たくさん褒めてくれていたはずなのに
今じゃ視界にも入らない。
鯨の香りが、ぷかぷかと漂うはずだった。
そして今頃には、前よりもっと甘く香るはずだった。
でも、熟成不足だった。
そこそこ勉強ができた。
努力をしていたはずだった。
でもどんどん点数は落ちていって、
どんどんどんどん、やる気も減ってしまって。
それでも頑張って努力をしていたつもりだった。
“していたつもり”じゃ駄目だった。
きっと私は、失敗作の龍涎香。
そして私たちはいずれ落ちる桜の花弁。
離弁花の私たちはいつか孤独に落ちていって
記憶の隅の欠片でさえも、なくなってしまうのでしょう。
ならばどうか今だけは、大好きを伝えたい。
あなたのことが大好きだと
そしてあなたも、同じ気持ちであることを伝えてほしい。
花弁が落ちて花が散ったその先で、また新たな生命が宿る。
その新たな生命もまた、同じ過ちを繰り返すだろう。
だけど、生き残った花弁が伝えてくれる。
私たちは、幸せな瞬間が必ずあると。
今を苦しみ、未来も必ず苦しむことがある。
ただそれだけではないことを、私たちは知っている。
きっと私は、失敗作の龍涎香。
だけど同時に、花弁としての役割を果たした、立派な花弁。
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#ホラー
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コメント
3件
花崎乙葉 ↻ さん、第22話を読ませていただきました。 冒頭の「落ちた花弁は踏んでいくように」という一節に、ぐっときました。誰もが散ったものから目を逸らす冷たさと、語り手が自分を「失敗作の龍涎香」と重ねる切なさ。でも最後に「花弁としての役割を果たした、立派な花弁」と自己を肯定するところで、胸がじんわり温かくなりました。 生きていると誰しも「落ちる瞬間」があるけれど、その先でもがく姿に共感しました。素敵な時間をありがとうございます🌷