TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

本気になってはいけない恋

一覧ページ

「本気になってはいけない恋」のメインビジュアル

本気になってはいけない恋

109 - 第109話   揺るがない想いと待ち続けていた幸せ⑧

♥

14

2024年04月27日

シェアするシェアする
報告する


「うちの新ブランドのAngraecum《アングレカム》はさ。もちろんこのブランドを手にする人たちが幸せになってほしいって願って立ち上げたブランドではあるんだけど。でも一番はオレにとって一番大切な透子がいてくれたから、そんな透子を想って、出来上がったブランドなんだ」

「私のことを想って?」

「そう。透子がREIジュエリーを愛してくれたようにさ。オレもそんなジュエリーをたくさんの人に届けたいと思った。昔から母親が作るジュエリーへの愛情はずっと見てきてたけどさ。透子の話聞いてさ、本当にそれを手にすることで、勇気づけられたり力になったり、希望や幸せを届けられてるんだなって知って、心動かされたというか。一生残るその人にとっての宝物だったり、想い出だったり、幸せだと感じられる存在として、そんな商品を届けられるのって素敵だなって」

「うん。それだけの力あると思う」

「もちろんそれを自分で買うことで宝物にもなるし、またそれを大切な人から送られたモノなら更に大切にしたくなる宝物になる。このブランドの名前と同じ”ずっと一緒にいたい”という願いや、ずっと身につけて大切にしてほしいという祈りを込めて、そういう想いをたくさんの人に届けられたらなって」

「うん。すごく素敵だと思う」

「だからこの指輪もそんな想いが込められてる。オレから透子へ贈るこの指輪がこれからは透子の宝物になってほしい」

「うん。大切にする」


樹の想いがたくさん詰まった素敵すぎる指輪。

この指輪を見ているだけで幸せな気持ちになる。


「透子。指出して」

「はい」


そして、樹が指輪を入った箱を受け取って、差し出した私の手に樹も手を添えてその指輪をはめてくれる。


「綺麗」


その指輪をはめた指を伸ばして、嬉しさで笑みが零れながらその指を眺める。


「ホントにありがとう」

「これからもずっと透子輝かせ続けるから」

「うん」

「だからずっとそうやってオレの傍で笑ってて」

「うん。もちろん」

「ずっとオレと一緒にいて」

「ずっと樹と一緒にいる」


そう言って、私は幸せな気持ちのまま、笑顔で樹の首にしがみついた。


「これからもよろしく」

「こちらこそよろしく」

「すごい幸せ」

「オレも」


そして樹も同じようにしっかりと抱き締め返してくれる。


この今の私のすべてから樹がこんなにも好きだと、こんなにも幸せだと伝わりますように。

たくさんのありがとうが、どうか届きますように。


ずっと会えなくて、もう別れたままで、樹との縁はもうないのかもしれないと思った。

樹との運命は実現しなかったんだと思った。


だけど、違った。

一緒にいても離れても本気の恋なら続くのだと樹が教えてくれた。

全部が樹が用意してくれた運命だった。


どんなに壁があっても、樹は諦めずにその運命をこの縁を繋いでくれた。

何があっても、樹はずっと好きでいてくれて、ずっと信じ続けてくれた。

私が信じられない時も、樹はその気持ちが揺らぐことなく私との幸せを考えて、ずっとその為に頑張ってくれていた。


お互い知らないところで繋がっていた縁と運命。

私が憧れて入った会社も、ずっと支えられて憧れ続けていたアクセサリーブランドも、樹に出会う前から、深く大きく繋がっていた縁。


そして知らずに好きで関わっていたその運命は、その先にとても大きくて大切だと思える樹という存在に繋がっていた。


何気なく過ごしていたその日常は、知らずに樹と運命的に繋がっていて、何年も前からずっとその運命はきっと始まっていた。

そしてその運命は、力強くてとても深くて、どんなことがあっても途切れることはなかった。


お互い好きで諦められなかった運命。

信じ続けて待ち続けた運命。

だけど、それは二人にとって必要だった運命。


すべての線が繋がってわからなかったことも解決して一つ一つ人生のパズルが埋まって。

きっとそれは神様が用意してくれた運命のパズル。

一つ一つの問題や障害を、それぞれが、時には二人で一緒に解決してくれることで、そのご褒美としてもらえるピース。

それを一つ一つ埋めていくことで人生のパズルが少しずつ完成していく。


私と樹のピースはどれだけあるんだろう。

それはどこから始まったのだろう。

きっとずっとずっと前から、いろんな偶然や奇跡が重なってパズルが埋められていたんだろうね。


だけど、それは自分達だけじゃなくて、周りのたくさんの人が助けてくれて支えてくれて応援してくれて力を貸してくれたことで繋げられた。

私達の周りには本当にたくさん支えてくれた人がいた。

その人たちのおかげで私達は、この縁と運命を諦めずに繋ぐことが出来た。


だから、きっとこのパズルはとても数えられない程のピースがあって。

きっとまだまだ続いていく。


これからいろんな時間を過ごしながら、また一つ一つ一緒に完成させていくパズル。

それをこれからは樹と一緒にずっと繋いでいける。

樹がいる限り、きっとこの縁は、この運命は途切れず永遠に続いてく。


こんなにも大切だと想える相手と巡り合う運命。

お互い足りないところは補い合いながら、お互いの気付かないところを気付き合いながら、これからも一緒にお互いの人生のパズルを完成していこう。

二人でしか完成させられないこれからは二人の人生のパズルとして。

これからも永遠にいろんな時間を一緒に重ねていこう。


ずっと二人で・・・。




本気になってはいけない恋

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

14

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚