「先生来ました!」
私は満面の笑みでそう言った。
先生の顔が少し上がった。いつも通りの無表情だ。
私は、近くに置いてあるパイプ椅子に腰を掛けた。
そうしていつも通り話をする。
「先生って、喋るの好きなんですか?」
「そこそこ、なんで?」
「いやぁ、先生を最初見たとき先生があまり話すの好きじゃない感じがしたからです」
「こんなに話してくれるなんて初めて見たときはま〜ったく思いませんでした」
「そういう望月さんはどうなの?」
「私もそこそこですね~」
「いや、あなたは話すの大好きでしょ」
「もちろん話すのも嫌いじゃないんですけどひとりでいる時間も大切にしたいと思うタイプです」
「部活がない日はひたすら家にひきこもってますもん」
そんな他愛もない会話を交わす。
そしてまた友達に連れ戻され、会話は終了した。
部活の活動時間が終了し、いつもの帰路につく。
今日も、楽しかったなぁと思いながら友達と話もせずに真っ直ぐ家に帰る。
今日は何もないといいなと思いながら。






