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瑠渡🕊🤍
桃 ちょっと君!
何してるの!
そんなところにいたら危ないよ
土砂降りの中でフェンスの上にいる君を無理矢理降ろす
青 さわんな
俺はもう…
そううつむく彼を見て心が動かされた
桃 死ぬくらいなら…
俺のために生きてよ
青 は?
俺は自分でも驚くような言葉を発していた。
青 いつもはこの時間誰もおらんのに。
お前なんでこんなとこにおるんよ。
桃 俺のために生きてとか言っちゃったから言うけど…
俺実は吸血鬼なんだよね。
お腹空いて人襲いそうだったから避難してきた
俺は彼を抱えてとりあえず屋根のある場所まで避難した
ぽつりぽつりとゆっくり話す彼の言葉に重すぎるほどの返事をしながら
青 吸…血鬼?
桃 そう。吸血鬼。
だから死ぬくらいなら俺の食事として生きてほしい。
食い殺す気なんてないから安心して。
青 ちょっと待ってや…
そんな一気に言われても頭が追いついてない
桃 そうだよね…
とにかく俺は人間になりすまして学校に来てるから。
早く判断して、 今から血吸わせて欲しいんだけど
お腹減りすぎてこっちが死にそう。
青 わ…分かった。
血飲むくらいやったら別にええよ。
桃 まじ!?
じゃあ遠慮なく…
ガブッ
青 っぅ…
桃 おぇッ…ゲホッゲホ
俺は彼の血を吐き出した
桃 不味…
青 血に不味いとかあるん?
なんかごめんな…
桃 君…愛されたことないでしょ。
青 愛されて生きてきた人間が自殺なんてしようとせんやろ。
桃 人間は強欲だから…愛されてる人間が自殺することは少なくない。
青 そうなんや。
血の味と愛には何の関係があるん?
桃 人間の血はもらった愛の量で甘さが変わる。
愛をもらえば貰うほどその血は甘く美味しくなる。
俺に対して愛をもらってこなかった、愛を知らない人間の血は鉄みたいで苦くて不味い。
君の血に甘さは少しも感じなかった。
こんなの初めてだ。
まぁでもいいよ。
俺の食料になってくれるなら俺が血を甘くしてあげるから。
桃 青ー
一緒にお弁当食べよ!
青 …おん。
わざわざ作ってきてくれたん?
ありがとうな。
必要もないのに人間と同じ食事をした
桃 出かけよ!
どこが良いかなー
青 俺は別にどこでも。
桃 青が行きたいところじゃないと意味ないでしょ!
外はあまり好まないがわざわざ一緒に外出をしてやった
桃 勉強教えてー
青 別にええけど…俺じゃなくてももっと優秀な人なんていっぱいおるやろ
桃 俺は青がいいの。
人間界でそこまで優秀である必要もないのに勉強もした
もちろん一緒にいるたびに
桃 青は偉いね。すごいね。
青 うん。
たくさん褒めたし触れてやった。
頭を撫でたり抱きしめてみたり。
不慣れなりにも必死に愛を与えていた。
なのに…
桃 おぇッ…
あいつは俺の愛を拒んだ
桃 なんで血が甘くならないんだ…
青 ごめんな。
どうしてもこれが愛やって信じられんくて
上手く受け取られへんねん。
桃 …諦めないから
そう決心した翌日だった。
事件が起きたのは。
同級生 あははっ…
お前なんかがなんで桃くんと仲良くしてんのよ
隣に立ってるだけで目障りなんだけど
青 っう”…
血が流れていた
目は虚ろだった
それでもやり返さない
何も反論しない
初めて見る顔をした君がいた。
初めて怒りが湧いた。
人間には無関心な俺が
初めて人間を守りたいと思った
頭よりも先に身体が動いていた
桃 なにしてんだ
同級生 なんで…ここに
これは違うのっ
桃 言い訳なんか聞きたくない
さっさと失せろ
同級生 ごめんなさいっ…
同級生は顔を青くしながら走り去っていった
青 …
桃 大丈夫?痛かったよね…
そう言い抱きしめると
ーー甘い香りがした。
彼から嗅いだことのない香りだった。
血が全身を駆け巡り、汗が頬を伝った。
これが本能というものなのか恋なのかを考える余裕さえも俺には残っていなかった。
桃 …。
気づいたら彼の首筋に噛み付いていた。
青 い”っ…
桃 …甘い。
俺の愛は受け取らなかったくせにっ…
たいして関わったことない女からの行動に
どうして振り回されてんだよ
青 痛かってん。
でもその痛みが…
ー今までで一番俺が生きていることを教えてくれた。ー
その言葉に本当に腹が立った。
あの女に抱いた怒りの方が綺麗に見えるほどの汚い感情が腹を渦巻く感覚がする。
身体が煮えたぎるように熱くなる。
桃 じゃぁ…俺が愛を与えてやるから。
初めはいつもと変わらない接し方をしていた。
無表情はあまり変わらなかったが、触れてやるときの反応が前とは変わっていて。
触れることに抵抗がなくなっていたが、優しく触れてやると少し不機嫌になった。
こいつはもう今までの愛し方では何も変わらないんだろうと確信した。
桃 嬉しいんだろ?
受け取れよっ”
これが愛なんだよ
ほかの誰でもない俺だけの愛だ
俺からの愛だけ受け取ってろ
青 嬉しい。
桃だけや
俺にたくさん愛をくれるんは。
ありがとうな。
彼の身体に増えていく愛の証
それに比例するように甘くなる血
学校では根も葉もない青の噂が立ち、青が縋れる相手は俺しかいない
どうせ女の仕業であることなんか分かっているが
、学校になんか行かずにこのまま俺のもとにいればいい。
だから解決なんてしてあげない。
むしろこの状況を利用した。
それなのに
愛を映した虚ろな瞳は
ーー俺を見ることはなかった。
青 今日は俺に愛くれないん?
甘い血あげるから…俺のこと愛してや
な?
お願い…
俺はいつだって桃の為に生きてるんやから
そんな事を言う彼の瞳には愛への執着が見える
でもきっとその相手は誰でもよくて
そんな現実から目を背けながら
俺のために生きると言う彼の言葉だけを信じる
この選択が正しいと信じて。
だから
俺にたくさんアイを頂戴?
コメント
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