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『ごめんね、彰人君…私、他に好きな人が出来たの、さよなら』
その一言が、オレの歯車を狂わせた気がした
「クソッ..!クソッ….!何でだよ!オレは彼女に尽くした筈だったのに!!」
その日から、ずっとその事しか頭に無かった
何でフられたのか、愛が足りなかったのか、俺なんかじゃ彼女を満たせなかったのか
本当に分からなかった
「あ、彰人…落ち着け、もう終わった事は考え無い方がいい」
「…それも、そうだな..すまん」
「そういえば、今日からしばらく家に誰も居ないんだ、一緒に…来るか?」
「あ、ああ…」
冬弥はオレに何があったか把握している唯一の知り合いだった
杏にもこはねにも、そんなこと言えなかったから、冬弥にだけ伝えた
冬弥の家にて…
「すまない、俺は床でいいから、彰人はベッドで寝ていいぞ」
「いや、いい、オレが床で」
「分かった、でも寒いだろう?あ、そうだ、一緒に頑張ってベッドに寝るか!」
冬弥は本当に純粋だな、と思いつつ頑張って笑った
彼女以外と同じベッドで寝ることなんて少し抵抗があったが、もう彼女とは他人だし、忘れようと一瞬思ったけと、忘れる事なんて出来るはずが無いと思った
それからは少し楽しかった
冬弥と話をして、同じ風呂に入って、適当に少し夜更かしした
その日の夜..
夢の中に彼女が出てきた
『ねぇ、彰人君、何でもっと愛してくれなかったの?ねぇ、もっと愛して欲しかった』
「..う…うあっ…ああ…!!」
忘れようとしてるのに、忘れさせてくれない 本当の苦痛はここからだった
「あ…あ….?」
冬弥の声で起きた
冬弥の話では、どうやら数時間ほど魘されてたらしい
「彰人、大丈夫か?」
「はは…気にすんな、本当に冬弥は優しいな…」
それからも、冬弥はずっと支えてくれた
「どうだ?彰人、これで少し外見は女性っぽくなったか?」
何故か最近は冬弥が女装したり、髪を長くするために頑張ったり、メイクを覚えたり、オレの心を埋めてくれるために頑張ってくれているみたいだった
いつの間にか、そんな冬弥に惹かれていた
そんな時
「あっ…」
冬弥と歩いていた時、偶然元カノに出会った
前よりも少し美人になって、服装とかもかなり綺麗になっていた
結局忘れられずに、彼女の顔をずっと見ていた
でも、忘れるために声を振り絞った
「行くぞ、冬弥」
「あ、ああ…良いのか?」
「ん?別にどうでもいいけど」
本当はどうでもいいとか、思ってもなかった
その日の夜
今日は冬弥の夢だった
『彰人、俺はお前の為なら、何でもする』
彼女からフられたあの日に言われた台詞
その日から冬弥はオレの為に頑張ってくれた
なのに
何故か冬弥は俺から離れて行っている
『待ってくれ!冬弥!』
『彰人、実は..好きな人が出来たんだ』
冬弥の口から聞いたこともない台詞
心做しか、彼女の声も重なって聞こえた
もう辞めてくれ
やっと回復出来たと思ったのに
またそんな事になるのか?
今度は冬弥も失うのか?
そんなの、もう二度と回復できるはずがない
そんな事を考えつつも、オレは夢の中を彷徨い続けた
朝
「冬弥…」
オレが起きた時は、隣にはまだ寝てる冬弥がいた
「可愛いな…冬弥…」
また大切な人を失わない為に
冬弥がどこにも出て行かないように
オレは、あることを決意した
後編に続く…
あとがき
絶対、ゼーッタイこの後キメセクとか書くのでお待ちください!
絶対彰人のメンタル・精神をボコボコにしていくのでお待ちください!
あと3話完結のつもりが3話以上になりそうです!