中間真っ只中なのに筆が結構乗ったので投稿します。どうも一般人参です。
まず最初に、「100年後を夢見て」の♡が1000を超えました。本当にありがとうございます。もしかしたらこれ以外にも派生作品作るかもしれないんでそのときはよろしくお願いします。
この話は「100年後を夢見て」の後日談的なものになっています。先にそちらを見てからこちらをご覧ください。
ちなみに『』が無線です。
<注意>
この作品は9割が捏造でできています。
ご本人様とは一切の関係がありません
キャラ崩壊あり
伊藤ぺいんの過去捏造あり
では本編へ
「黄金の風が吹くのを、感じないか?」
いつも通りにこの挨拶を俺を見てる誰かに言う。そしたら無線に入って、今なんか事件起きてるー?と聞いてみれば挨拶と共に今の状況を教えてくれる。
…今は特に何も起きていないらしい。平和で何よりだ。
昨日はあまりの恥ずかしさであの後速攻で寝ちゃったからなぁ…今日はその分精一杯頑張るとしますか!
『ぺいん屋上に来てくれー!』
『はーい』
とか思ってたらオルカからお呼び出しがかかった。絶対昨日のことだよなぁ…と考えながらエレベーターで屋上に登る。
扉を開ければ、昔の警察服を着ているオルカがいた。
そういえばオルカの正体について聞こうとした時も屋上に呼び出してたなぁなんて昔を少し懐かしみつつ声をかける。
「来たよー」
「おう、来てくれてありがとな」
そう言いながらオルカはそこに止まっているヘリを指差した。
「詳しい話は空でやるから乗ってくれ」
「りょーかい…運転は俺がやるよ」
「じゃあ頼んだ」
「任せとけ」
ヘリに乗り込んで発進させる。本署の中にいたから気づかなかったが今はもう周りが暗く、街の光が爛々と輝いている。
それなりに空の散歩をしたところでオルカが話し始めた。
「昨日はありがとな」
「…どれのこと?」
「オルカのこと人間って言ってくれたこと」
「それね、どういたしまして。別にそこまで感謝されるほどでもないと思うけど…」
「でもあの言葉すっごく嬉しかったぞ?」
「それは…まぁ…ありがとう?」
「何でお前が感謝するんだよw 」
「…っふははw」
少しヘリの中が笑いで満たされた後、オルカが外を眺めながら言う。
「…オルカな、あの言葉を言われた後に少し考えたんだよ。人間ってなんなのかなって」
「確かにね、人間ってなんなんだろうな」
「お前昨日感情があれば人間だよみたいなこと言ってたよな?」
「そうだけどさ…このロスサントスに来て、たくさんの人間を見てると時々俺と人間の違いがわからなくなってくるよ」
「…それはつまりぺいんには感情がないってことか?」
「さぁ、どうでしょうね?」
「少なくともオルカから見ればお前も人間だけどな。実際言われるまでわかんなかったし」
「俺は演技がすごく上手いんだよ」
「それ本当か?」
「どうだと思う?」
オルカの目が真偽を見極めようとこちらを見る。
「…ダメだわかんないや」
「まぁだって俺だしな」
「そこは黄金の風だからじゃないのかよ」
「今の俺はただの伊藤ぺいんだからね…で、なんの話だったっけ?」
「人間ってなんなのかなって話だ」
あー、そうだったわ、と返しつつ考える。
人間がなんなのか、か。
施設を出た時から他の奴らに疑われないようにずっと人間の勉強をしてきたけれども、いまだにその答えは俺の中で出ていなかった。
「オルカは、人間がなんなのか…分かったの?」
「いや分からん」
「え?」
「生物学的に答えるなら、二足歩行で感情を持ってて考えることができる動物っていう答えになると思う」
「…それは人間がなんなのかっていう問いに対する答えじゃないの?」
「確かにそうだけど、お前が求めてた答えはこういうのじゃないだろ?」
まぁそれはそうなんだよね。俺が求めていたのはそういう生物的な答えじゃなくてもっと、こう…精神的なものだったから。
俺の沈黙を肯定と受け取ったのか、オルカが続ける。
「でな、そうやってずーっと考え続けて、そもそも何でオルカが人間がなんなのかを求めていたのかを考え直したんだ。原点回帰ってやつだな」
「…うん」
「オルカはな、みんなと一緒でありたかったんだ」
少しだけ、オルカの顔が俯く
「別にロボットじゃない方が良かったとかそういうマイナスな気持ちは持ってないけど、みんなと一緒じゃないと仲良くなれないってそう思い込んでいたんだ」
だから、人間の振りをした。
そう独白するオルカの声はどこか自嘲する響きがあった。
「馬鹿だよな、そんなことしなくてもみんなはいい奴だから仲良くしてくれたってのに」
そう言ってようやく見せたオルカの顔は———笑顔だった。
喜びとか楽しいとかそういう笑顔じゃなくて、ようやく大事なことに気づけたという清々しい笑顔。
「まぁ要するにだな…オルカはオルカのままでいいし、ぺいんもぺいんのままでいいってことだ」
「…ははっ」
俺も思わず笑みがこぼれる。
そうだよな、わざわざ人間と同じになる必要なんて少なくともこの場所ではなかったんだ。
ロスサントスは来るものを拒まない街だ。それが例えロボットだろうが人造人間だろうが、妖精だってエイリアンだって受け入れてくれる。
そんな街に住む人たちがたかだか人外ってだけで受け入れないわけがない。
そんなこと、とっくの昔に気づいてたはずなんだけどなぁ…
「まぁそういうわけで、オルカが言いたかったことはこれで終わりだ。そろそろ事件起きそうだし帰るぞ」
「…そうだな」
どこか清々しい気持ちで本署に帰っていく。道中でふと街を見てみると、景色はほとんど変わっていなかったはずなのに何故だかさっきよりもより輝いているように見えた。
「…うし、とうちゃーく」
「ありがとなー」
「別にこのぐらいどうってことないよ」
長かったようで短かった時間を終えて本署に着陸する。ヘリを降りると何やらオルカが俺の顔をじっと見つめていた。
「…何?俺の顔になんかついてる?いや仮面はついてるんだけど」
「いや…なんかいつもより元気そうだなぁって」
「…そんなに雰囲気に出てた?」
「おう」
「…」
今戻ったら何があったのかめちゃくちゃ問い詰められそうだな…主にミンドリーに
「俺もう少しここで涼むわ」
「おっけー。んじゃまた後でなー」
そう言ってオルカが扉の向こうに消えていったのを確認して、屋上から街を眺める。
やっぱり何度眺めてもさっきよりもこの街が輝いているように見える。
この日、俺は元々好きだったこの街がさらに好きになれた。
これ後日談じゃなくて実質続編ですね。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
ではまた次の作品でお会いしましょう。
コメント
6件
もう、、マジで、、、愛してる、😇
いやーおもろ
まさか前回の続きがでるとは……。 人間についてはぺいんとオルカが語るからこそ重みがありますよね。