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伊藤ぺいん妄想短編集

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伊藤ぺいん妄想短編集

4 - 例え死んでも…

♥

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2024年05月30日

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なえがキャラエンドを迎えるかもと聞いてかなり憂鬱な一般人参です。

最初に書く死ぬバディ小説がなえのキャラエンドが決まってからになるとは思ってませんでしたよ…

<注意>

この作品は9割が捏造でできています。

ご本人様とは一切の関係がありません

キャラ崩壊あり


では本編へ


「えぇーっ?!なえ帰っちゃうの?!」

「あまり大きい声を出すでない。皆が起きてしまうじゃろ」

朝早くからなえに本署に来いと呼び出されて来てみれば

「実はのう…わし多分そろそろ江戸に帰ることになる」

と急に言われた

「えっそんな…何で急に?」

「…なんとなくな、分かるんじゃ。予感とでもいうのかのう、この世界がわしを拒絶している感じがするんじゃ」

「拒絶って…どういう意味だよ?」

「お主も知っていると思うが、わしはこの時代の人間ではない。大方それが関係してるのじゃろう」

「でも…そんな急に別れだなんて… 」

受けいれることができるわけない。

もっとなえとやりたいことがたくさんあったし、まだ一緒にこの世界を楽しんでいたかった。

そう言葉にしたいのに、衝撃とか悲しみとか、色んな感情がごちゃ混ぜになって何も言えなくなってしまった。

「じゃがまだ予感ってだけじゃから帰るまでにそれなりの猶予はあろう。それまでこの世界を堪能するとするかのう………ぺいん?」

なえがこちらを振り返り、そして目を丸くした。

「お主…泣いておるのか?」

「…っえ?」

瞼を触ってみれば、濡れているのがわかる。

俺は今泣いているんだ。

そう自覚した途端に次から次へと涙が溢れてくる。なえが駆け寄って来るのがわかるけど視界がぼやけてるせいでどんな顔をしてるかまで見えない。

「…そんなに泣くでない。大丈夫じゃ例え江戸に帰ってしまっても、またここに———」

「嘘、つかないでよ」

感情のままに、言葉を紡ぐ。

「もし、本当になえ、が帰って来れるならっ、わざわざ俺を呼び出す必要ないでしょ」

嗚咽でうまく喋れない。

「…っこうやって、俺だけ呼んで、言うってことは…もう、帰って来れないんでしょ?」

なえは何も言わない。

「…何とか言ってよ…頼むからさ、俺の言葉をっ、否定してくれよぉ…」

もう、堪えきれなかった。

そのまま膝から崩れ落ち、静かに声をあげて泣く。溢れる涙は止まることを知らず、次から次へと流れ落ちていく。

もっといて欲しかった、もっと遊びたかった、もっと一緒に事件対応したかった、涙一粒一粒に感情がのって、もっと悲しくなってしまう。

そうやって泣きじゃくる俺に、なえが声をかける。

「…そう、じゃな。正直言ってわしはもう帰ってこれないじゃろう…」

「きっと、次かもしくはその次に起きてきた時…それがわしのこの時代における最期じゃ」

…っ

「…じゃがな」

そこでなえが言葉を切り、俺の手を取って立ち上がらせる。その顔には憂いなど一切なく、ただいつも通りのなえがそこにいた。

「さっきも言ったであろう、これはあくまで予感じゃと。ならばわしはその予感を覆してお主の元に帰ってくるだけじゃ」

「…そんなこと、できるのかよ」

「そこはわしを信じろ、というやつじゃ。なんてったってわしらは———」

死ぬバディ、じゃからな!

その声は、俺の涙を止めるには十分すぎるほどに自信に満ち溢れていて…すごくかっこよかった。

「…絶対に、帰ってこいよ」

「おう、もちろんじゃ」

「そう言ったからには、江戸で穏やかに生きて死ぬなんて、絶対に許さないからな」

「そもそも江戸で平穏に生きれるのかのう…」

「…」

なんというか、やっぱりなえはなえだ。どんな時でも自分を貫き通してくる。

その生き様に俺はきっと惹かれたのだろう。

「…まぁとはいえ、流石に骨を埋めるのは江戸でありたいのじゃが…そこはどうじゃ?」

「流石にそれぐらいはわかってるよ」

「それは何よりじゃ」

「…なぁ、なえ」

「ん?どうしたぺいん?」

「…俺もさ、江戸に行っちゃダメかな?」

「ダメじゃ」

「即答?!」

前から考えてたことをなえに言ってみたら速攻で拒否されてしまった。

「なんで?」

「うーむ…なんでかって言われると少し難しいが…別にわしはお主を江戸に連れて行きたくないわけじゃないんじゃ。なんならどっちかというと連れて行きたい」

そこで一旦ごほん、となえが言葉を区切る。

「じゃがな、お主はこの時代の人間じゃ。お主を勝手に連れてゆくわけにはいかん」

「俺は別にいいけど?」

「あほう、お主が良くてもお主の周りがよくないじゃろうが」

あっ、と思わず声を漏らす。確かに言われてみれば周りの人の気持ちを考えてなかったかもしれない。

さぶ郎も、黄金世代のみんなも、それだけじゃなくて警察のみんなも…もしかしたら一部のギャングも。

全員が全員悲しむとは思わないけど、まぁでもさぶ郎はもしかしたら泣いちゃうのかなーって考える。

「…まぁそういうわけでお主を勝手に連れて帰るわけにはいかん」

「そっかぁ…でもちょっと意外だな、なえなら俺のこと強引に連れていくかと思ってた」

「まぁ考えたことがないわけでもない。が、それなりに周りの奴らとも仲良くしてきたからのう…少しは情もわくというものじゃ」

本当に少しだけじゃがな、と付け足すなえをみて少し笑みが溢れる。

そんな少ししかないなら俺のことを強引に持ってってただろうによく言うよ。

「…ところでなえって江戸のどこに住んでるの?」

「なんじゃ突然?…確か南の方だったかのう…」

「そっか。じゃあ死ぬまでそこに住んでてね。ついでにお墓はでかくしといて」

「?」

なえが不思議そうな顔をしているので、俺が何を考えているのか言う。

「…なえの遺体さ、俺が絶対に見つけにいくからわかりやすいようにしとけよってこと」

俺の言葉を聞いたなえは口をポカンと開けた後に…めちゃくちゃ大笑いし始めた。

「…っふはははははw…なるほど、そういうことか」

「わかった?」

「無論じゃとも…死んでもバディってことじゃな?」

「そーいうことよ。そのためにちゃんと俺がわかりやすいようにしといてよ?」

「わしのバディの頼みだというなら仕方ないのう…いやはや、よくそんなことを思いつくものじゃw」

「…へへ」

「褒めとらんわい!」

気がつけばいつも通りになっていた。

「はぁー…いやしかし、わしの遺体を手に入れてそれでどうするつもりじゃ?」

「んーまぁ俺が生きている間は持ち続けて…そんで死んだ後は俺の遺体のそばに埋めてもらおうかな」

「お主…マジか」

なえの視線が割とやばいものを見るものになってきているが、これは俺がやりたいことなので絶対に折れることはない。

「…まぁお主になら何されてもいいじゃろ…ただし他の奴には絶対に取られるでないぞ?」

「当たり前だろ」

そんな会話をしながらふとスマホを見るといつのまにかみんなが起きてくる時間になっていた。

「おお、もうこんな時間か」

「時間が過ぎるのは本当に早いのう」

「そーだな」

まだ一筋だけ残っていた涙を払って、ようやく立ち上がる。

「そんじゃ、今日もたくさん楽しもうぜ、なえ!」

「おう、楽しんでゆこう!」

そう言って歩き出す。

なえの横顔を見れば、本当に楽しそうな顔をしていて、俺も顔を綻ばせるのだった。


一応なえの後に続きがあるらしいのでそれを楽しみに待っています。(時期尚早)

追加:全然時期尚早じゃなかったわ

ここまで読んでくださりありがとうございます。

ではまた次の作品で

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