テラーノベル
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「ずっと前から、好きでした!」
それは高校最後の日、卒業式を終えた後の、私の一世一代の決死の愛の告白だった。
同じクラスで、頭がよくて、少しチャラいけど笑顔は爽やか。そんな壱月が好きだった。
それなのに。
「あー、わりい。俺、お前と付き合う気ねえや」
壱月はいとも簡単に私の告白を言葉のナイフで切り刻む。それどころか──
「キスだけならしてやるよ。俺のこと好きなんだろう?」
そう言って、彼は強引に、私の人生初めてのキスを奪った。
そんな苦い思い出も笑い話に変えられるようになった七年後、壱月と再会した。今度は、マッチングアプリで。
当時付き合っていた恋人と別れたばかりだった私に、姉が「いい人と出会えるから」と薦めてくれたマッチングアプリ。
使い方を指南されているうちに、あれよあれよという間にプロフィール欄が埋まり、登録完了。
そして初めてマッチングしたのが、壱月だった。
何度かアプリ内でやりとりをしていたから、互いに同級生の〝海野壱月〟と〝大木本愛音〟であることは分かっていた。
最低なフラれ方をしたはずなのに、それでも彼に会いたいと思ったのは、笑い話になってしまった過去が良い思い出に感じてしまったからだ。
「愛音、さん?」
駅前で待っていた私に、壱月はおちゃらけてそう声をかけてきた。
「やめてよ、壱月」
振り返ると、いたずらのバレた子供のようにへへっと爽やかに笑う壱月がいた。
その顔が七年前と変わらなくて、私の胸は高鳴った。
「久しぶり」
「うん、久しぶりだね」
まるで運命のように、再会したのだと思った。
あの頃と変わらぬ、大好きだった笑顔が目の前にある。それで、溢れる気持ちが叫びだした。
彼のことが、好きだ、と。
だからあの日、私は彼に体を許してしまったのかもしれない。
*
あの時のことを思い出すと、今でもため息がこぼれる。私はいったい、何度幸せを逃してきたのだろう。
そんな思考を遮るように、隣から愛しい寝息が聞こえてきた。
「花斗がいてくれて、幸せなのにね」
そう呟いて、愛しい息子のサラサラの髪を撫でた。だが悔しいかな、その感覚は、今日再会したばかりの壱月を連想させる。
私は思考をシャットダウンするように、頭からその男の顔を追い出した。
彼のことは、今日はもう考えたくない。
だからそのまま、私はぎゅっと目を閉じた。
コメント
1件
読み終えたわ……「二度目の再会は突然に③」、第5話ね。 卒業式の日の告白シーン、あれはキツかったなあ。軽くあしらわれて、しかもキスだけ奪われるって、愛音の気持ち考えたら胸がぎゅっとなる。 それなのに七年越しにマッチングアプリで再会って、運命って残酷で不思議だよな。 でも最後に「花斗」って名前が出てきて、彼女の今の"幸せ"があることが分かってホッとした。過去の傷と今の愛情が交錯する描き方がすごくリアルだった。続き、気になる🔥