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ヒモ男拾いました

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ヒモ男拾いました

15 - 隠し事(2)

♥

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2022年11月24日

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息が詰まって心臓の音だけが耳に響く。

なんでこんな気持ちになるのか自分でも分からなくて、ただ苦しい。


「□□さん?」


「は、はい」


「どうしたの?さっきからずっとそんなんだと大事な交渉なんだから困るよ」


「すみません…」


あの後から仕事に全く身が入らないまま1日が終わってしまった。

体に冷たい鉛を流し込まれたような気持ちだった。


「もう、こんなんじゃ家帰れないよ」


やるせない思いをどうにかしたくて、夜道に感情を吐き出した。


◇◆


ムカつく…自分にムカつく!

樹って遊びっぽそうだし、女の1人や2人くらいいることなんて最初から分かるじゃん。なのにこんなことくらいで振り回されるなんて。


「□□さんも飲みなよ〜」


同期の人達からご飯に誘われて、家に帰らないための口実にしたいのもあって来てしまった。ちなみにその同期達の中には北斗もいる。


着信音が鳴った。





“今日帰るの遅い?”


少し悩んで、スマホの電源を落とした。今までみたいに普通に接せられる自信が無い。けど帰らないわけにも行かない。

でもとりあえず、


「飲むぞー!」


「お、いけいけ〜!」



_________________



「はぁ…冷たっ」


「大丈夫?」


「北斗か、びっくりした。どうしたの?」


「〇〇急に抜けてったから。これ水」


頬に当てられた冷たいペットボトルの水を渡してきた。


「ありがと、体調は平気だから」


「ずっと浮かない顔してるけどなんかあった?…あの人のことか」


「…うん」


思い出すと胸が痛くなる。どうしちゃったんだろう。


「彼氏なんだっけ、喧嘩?」


「いやいや、付き合ってないし!喧嘩もしてない。私が勝手に悩んでるだけで、」


「うーん、でも好きなんでしょ?だから悩んでんじゃないの」


「そういうのじゃ…」


“好き”その言葉が胸の中で反復される。

私のこの感情に今やっと名前がついた気がした。



私、樹のことが

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コメント

6

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この話面白くて一気に読んじゃいました!続き待ってます!!

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