「俺だけを見て」
「はっ、離して……!」
「離せない。どういうことか説明して」
掴まれた腕を振りほどこうとすると、ぐっと力を入れられ、そこに痛みが走った。
自由がきかず体が震えた時、場違いな声が聞こえた。
「なんかあそこ揉めてない?って、あの人超イケメンじゃん!それになんかあの人テレビで見たことあるような……」
「えっ、嘘っ!もしかして芸能人!?」
周りがざわめき、視界の端でだれかがスマホを構えた。
それを見た 佐伯(さえき)は強引にその場を抜けて、止めていた彼の車に私を押し込んだ。
「やっ、やだ! 降りる」
怖くて降りようとするけど、佐伯が車を発進させるほうが早かった。
やがて家の近くの緑地公園で車が止まり、それまで黙っていた佐伯が口を開いた。
「さっきのメール……どういうこと?」
さっきと同じことを聞く彼に、私は顔を伏せたまま返事をしない。
……言えない***************
*********
**********************
************************
****************
*****************
******
******
コメント
1件