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「激情」
まるで 噛(か)みつくようなキスだった。
息を継ぐ間もなく、何度も何度も唇を求められ、自分が食べられているような錯覚に 陥(おちい)る。
「まっ……ひか……」
必死で声を絞っても 佐伯(さえき)のキスはやまず、手首を押さえつける力はますます強くなる。
どうしてこんなことをするんだろう。
私がレンアイゲームを降りると言ったから?
侑(ゆう)のことで佐伯を責めたから?
前に彼としたキスは、唇が触れているだけで心が温かくなったけど、今は逃せない激情をぶつけられているようで、合わせられた唇がただ痛かった。
もしかして……私、嫌われちゃったのかな。
もう私のことなんてどうでもいいから、こんな乱暴にするのかな。
自然とそう感じた時、今まで堪えていたのに、涙が 堰(せき)を切ったように 溢(あふ)れた。
嫌だ、嫌われたくないよ……。
目を閉じていて*********
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