コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
「宇宙一周ラブバラエティだんがん紅鮭団」
あのコロシアイの記憶が夢だったかのように
目が覚めるとそんな世界が広がっていた
ふざけた展開に最初こそ閉じこもっていた僕だけど今は
「最原ちゃーん」
「あれあれ?1人なの?寂しい奴だなー」
「王馬くん、君と約束してたんじゃないか」
「にしし、そうだっけ?」
信じられないことに王馬くんと中を深めている真っ最中だ
「最原ちゃんってさ、随分表情が柔らかくなったよね」
「…そうかな」
「うんうん、はじめて会った当初なんて顔面蒼白、死体が歩いてんじゃないかって暗ーーい顔してたよ」
(僕からしたら君の方が歩く死体なんだけど…)
(言えるわけないよな)
「ちょっと体調が悪くてさ」
「ふーーん」
モノクマが言うには
この空間でコロシアイの記憶があるのはどうや僕だけらしい
「ちょっとした手違いなんだよねー」
「まぁこっちが現実だしさ、最原クンは普通に楽しんだらいいから」
そんなことをモノクマに言われても、僕は納得できなかった
「うぷぷ、そう簡単にはいけませ〜んって顔だね?」
「ボクも悪かったと思ってるんだよー
でもそう言う”企画”だったからさ」
「でもよかったじゃん!あの世界は嘘でみんなは生きてるんだから!」
「楽しまないと損だよー」
みんなが生きていたことは本当にうれしい
だけど…
(ラブバラエティ?)
(番組?)
(全部無駄だったじゃないか…)
(ふざけるなよ)
いくらあれが嘘だと言われても
あのときに生まれた悲しみや怒り、虚しさはすべて本物だ
浮かれる空気に溶け込めず
僕は閉じこもってふさぎこんで
ただ何も無い日を過ごした
だけど
悲しいことに
寝て目が覚めて毎日を繰り返して
時が経つにつれて
あの日々が遠いものになっていく
(僕…なにしてるんだろ)
(せっかくみんなとまた喋られるのに)
ピンポーン
ガチャ
「やっほー!」
「根暗陰キャ最原ちゃん!」
「たまにはオレと過ごさない?」