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行く先は何も決めないで、銀河と2人、手をつないで歩いた。
途中、目に入った雑貨屋に飛び込んで、いっしょになって小物を眺めたり、
服屋では、彼に服を選んでもらったりもした。
なにげないふたりの時間が、とても楽しくて、そして幸せにも感じる。
「なぁ、理沙。ちょっと歩き疲れただろ?」
「うん、少し。どこかで休もうか」
私たちは、どちらからともなく決めて、休むためのお店を探した。
歩いている通りの先に、小さなコーヒーショップを見つけると、銀河と寄り添って入った。
テーブルに向かい合って座り、とりとめのない話をする。
「理沙と、こうやってデートするのって、久しぶりだよな…」
「うん、お店で会うことが多かったしね…デートは久々だね」
頼んだカフェオレを一口飲む。
「俺とデートできて、うれしい?」
熱いコーヒーを飲んで、銀河がまっすぐに見つめてくる。
いつもストレートな彼にはだいぶ慣れてきてもいたけれど、でもまだ気恥ずかしさが先に立つ気持ちもあった。
「うん…」とだけ、小さく頷く。
「俺は、うれしいぜ? おまえと、こんな風にいっしょにいられてさ」
あまりにも揺るぎない想いをぶつけられて、顔が赤くなってくるのが隠せない。
「理沙の口からも、聞かせろよ…」
コーヒーカップを持ち上げたままで、銀河が私の答えを待って、じっと視線を合わせてくる。
「……うれしいよ…私も。…だって、銀河のこと……」
向けられている視線を捕らえて、
「……大好き、だから」
一言を口にすると、不意をつかれた彼の目の縁が、うっすらと朱色に染まったのがわかった。