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#ur受け
鈴 木
894
朝比奈奏。
その名前を聞くたびに、胸の奥がざわつく。
美月の幼馴染。
ただ、それだけの関係。
頭では分かっている。
でも、感情はそんなに簡単じゃなかった。
休日の昼。
俺と美月は街を歩いていた。
「悠斗、あのお店寄ってもいい?」
🩵ྀི あそこの雑貨屋、前から気になってたの
💙ྀི もちろん
美月が楽しそうに笑う。
その笑顔を見るだけで、さっきまでの
不安が消えていく。
俺は、美月と一緒にいる時間が好きだった。
何気ない会話。
くだらない笑い合い。
そんな普通の日常が、俺にとっては
特別だった。
店の中に入ると、美月が小さな置物を
手に取った。
🩵ྀི これ可愛くない?
💙ྀི 美月っぽい
🩵ྀི え、どういう意味?
💙ྀི 優しい感じがするから
美月は少し照れたように笑った。
その瞬間だった。
「あれ? 美月?」
後ろから声が聞こえた。
振り返る。
そこにいたのは、一人の男性だった。
落ち着いた雰囲気。
優しい表情。
そして、美月の反応を見るだけで分かった。
この人は特別な存在だ。
🩵ྀི 奏くん?
朝比奈奏。
初めて会う相手なのに、
名前だけは知っている。
🧡ྀི 久しぶり。元気そうでよかった
🩵ྀི 奏くんも元気そうだね
二人は自然に会話を続ける。
その空気が、俺には少し苦しかった。
俺の知らない二人の時間。
俺の知らない思い出。
それが、目の前にある。
🩵ྀི あ、紹介するね
美月が俺を見る。
🩵ྀི 悠斗、この人は朝比奈奏くん。
小さい頃からの幼馴染
🧡ྀི 初めまして。美月から話は聞いてます
💙ྀི …神崎悠斗です
握手をする。
奏の手は優しかった。
でも、その優しさがなぜか嫌だった。
その後。
奏と別れてから、俺たちは歩いていた。
🩵ྀི 奏くん、昔から優しいんだよね
その言葉に、反応してしまった。
💙ྀི …そうなんだ
🩵ྀི うん。昔、私が困ってた時も
助けてくれたし
胸が痛む。
美月の過去。
俺が知らない時間。
そこに奏がいる。
💙ྀི 美月は…奏くんのこと好きだったの?
言った瞬間、後悔した。
美月が驚いた顔をする。
🩵ྀི え?
💙ྀི いや、ごめん。変な意味じゃなくて
🩵ྀི 悠斗
美月は少し困ったように笑った。
🩵ྀི 奏くんは大切な友達だよ
その答えに安心する。
でも。
完全には消えなかった。
その日の夜。
俺はベッドの上でスマホを見ていた。
美月とのメッセージ。
写真。
過去の会話。
全部、大切なものだった。
でも、ふと思う。
俺は美月の全部を知っているわけじゃない。
知らない過去がある。
知らない人間関係がある。
それが怖かった。
スマホが震える。
美月からだった。
LINE
🩵ྀི
今日は楽しかったね
💙ྀི うん。俺も楽しかった
少し迷う。
そして送った。
💙ྀི 美月
🩵ྀི ん?
💙ྀི 俺のこと、一番好き?
送信した後、すぐに後悔した。
重い。
分かっている。
こんなこと聞くべきじゃない。
でも、止められなかった。
数分後。
返信が来る。
🩵ྀི うん。悠斗が一番大切だよ
その文字を見た瞬間、安心した。
そして思った。
もっと安心したい。
もっと確かめたい。
もっと美月の一番でいたい 。
翌日。
美月の親友である小鳥遊彩乃は、
彼女に言った。
🩷ྀི 美月
🩵ྀི なに?
🩷ྀི 悠斗くんのこと、本当に好きなんだね
🩵ྀི うん
🩷ྀི でも……少し心配
美月の表情が曇る。
🩵ྀི 何が?
彩乃は少し迷ってから言った。
🩷ྀི あの人、自分が傷つくことを
怖がりすぎてる気がする
美月は何も答えなかった。
ただ、悠斗の優しい笑顔を思い出していた。
――この時、誰も気づいていなかった。
悠斗の愛情が、少しずつ形を
変え始めていることに。
コメント
1件
るあさん、読了しました。悠斗くんの「知らない時間」への不安、すごく伝わってきました。「俺のこと、一番好き?」のLINE、痛いほど気持ちが分かって苦しいです…。重いって分かってても止められない気持ち、リアルで切ない。彩乃ちゃんの「傷つくことを怖がりすぎてる」という言葉も鋭くてハッとしました。悠斗くんの愛情がこれからどう変わっていくのか、続きが気になりすぎます。素敵なお話をありがとうございます🕊️