テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
286
#誰でも大歓迎
こむぎ@多忙/たまに書いてる
1,272
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
翌日、稽古の前に田辺から発表があった。次の公演は、イギリスのウェールズバレエ団のソリストをゲストに呼んで、マシュー・ボーン振付の白鳥の湖をやることになった。そのゲストというのが、秋のかつての恋人、イーサン・コープだった。秋はイーサンとはたまに連絡するくらいだったが、今回のことは知らなかった。秋は楽しみな気持ちと、どう接していいか戸惑う気持ちと、両方だった。
マリカは自販機の前で文也に出くわして、昨日のことを思い出した。
「昨日は秋が酔いつぶれて大変だったでしょう。」
「ああ。あの後タクシー捕まえて運ちゃんに頼んで送ってもらったよ。秋は酒癖悪いよね。」
文也はマリカにキスを見られているとも知らず、笑った。マリカは文也をやっぱり好きだと思った。マリカは情熱的な恋じゃなく、憧れを抱いていた。たとえ文也が秋と付き合おうと、応援するつもりになった。