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また空気重めのお話です´ᴗ ·̫ ᴗ`
r18、漫画とかの方が伸びるのは100も承知なんですけどただただ主人公が救われない話が好きすぎるのでそれしか書きません⊂( ᴖ ̫ᴖ )⊃
書く気になったらr18も漫画も書くからまっててね、あと登場人物の設定苦手すぎるヤバイ😞😞登場人物づくりがんばります;;
※この作品は実在されている方を登場人物としたnmmn作品になってます。タグに見覚えの無い方は🔙推奨です✋その他、口調がおかしかったり一人称ぐだぐだになったりするところもあるのでなんでも許せる方向けです;;本作は実在する人物、団体様に一切関係ありません。
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⬇️ここから一切伏字無しです✋
雲雀は、音の少ない場所が好きだった。
誰も話さない廊下。立入禁止の建物。
泣き声だけが残って、もう誰もいない空間。
そこでは、余計な感情を使わずに済む。
「……ここ、反応強いっすね」
淡々と呟いて雲雀は端末を操作した。画面に映る波形は荒れている。誰かがここで強く後悔した証拠だった。
雲雀は少しだけ目を伏せる。悲しいとも怖いとも思わない。ただ、胸の奥が空洞になる感覚だけがあった。
それが、自分の“平常”だった。
『ひばー!ちょっと待って!』
背後から明るい声が飛んでくる。奏斗だった。
長い廊下を小走りで追いかけてきて、息を切らしながら笑う。
『一人で行っちゃダメって言ったじゃん、回収レベル高い場所なんだから』
「大丈夫やって」
雲雀は立ち止まらずに答えた。
「危険度 想定内」
その落ち着いた声に奏斗は一瞬、言葉を失う。
『……ほんとさ、ひばって怖いもの知らずだよね」
「知らんだけ」
雲雀は、振り返らない。
この世界には〈音片〉が存在する。
人が強く感情を揺らしたとき、その声は“残滓”として空間に留まる。回収員の仕事は、それを回収し封じること。残しすぎれば回収した側の“現在の感情”が削れていく。それを、雲雀は知っていた。
最初から
現場は古い集合住宅だった。
階段の踊り場に、かすかな声が漂っている。
(……帰りたい)
震えた誰かの声。
雲雀は迷いなく、そこに手を伸ばした。
「……終わった」
音片が、端末に収まる。雲雀の表情は、何も変わらない。
『……ねえ』
後ろで、奏斗が声を落とす。
『今の、きつくなかった?』
雲雀は少し考えてから、首を振った。
「平気」
本当だった。辛いとも、胸が苦しいとも思わなかった。ただ、
“何も感じなかった”だけだ。
研究施設に戻ると奏斗はすぐに記録室へ向かった。
『雲雀、ちょっと待って』
「?」
再生装置の前で奏斗は端末を操作する。
『今回の音片、再生するね』
スピーカーから、さっきの震えた声が流れる。
雲雀は黙って聞いていた。
『……ね?』
奏斗は雲雀を見る。
『こういうの、普通はきついんだ』
「……そっか」
雲雀は、本当に分からない顔をしていた。
奏斗は、別のデータを開く。
『じゃあさ、これ聞いてみて』
再生されたのは、奏斗自身の声だった。
『ひば、後ろ!』
『無理しないでね』
『……ちゃんと休みなよ、』
雲雀の指がわずかに止まる。
胸の奥で、小さく何かが鳴った。
「……これ」
雲雀は少しだけ目を伏せた。
「うるせーな、」
そう言いながら、その場を離れようとする。
『雲雀』
奏斗が呼び止める。
『今の、残ったんだよ』
「……?」
『お前の声は、音片にならないのに』
奏斗は、苦しそうに笑った。
『僕の声だけ、雲雀の中に残ってる』
雲雀は、何も答えなかった。
ただ――
少しだけ、胸の奥がざわついていた。
〜 その夜
雲雀は一人、部屋で天井を見つめていた。
何も考えていないはずなのに、耳の奥で声がする。
『ちゃんと休みなよ』
うるさい。そう思うのにその声が消えない。
雲雀は自分の喉に手を当てる。声を出してみる。
「……大丈夫」
その声は、やっぱりどこにも残らなかった。