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zm emいわひらDomSub
皆様、ご自衛の方だけお願いします
「武太郎くーん!起きてるー?」
返事がない、ただの屍の様だ
大丈夫かなぁ…
「鍵は…」
ガチャ
空いてんじゃんか!?
防犯対策して!?
「武太郎くん入るよ〜…」
そろそろ〜
武太郎君の部屋はいつ来ても殺風景だなぁ
ベッドとクローゼットと簡易的な書斎しかないからなぁ
なんか絵画でも買ってあげようかなぁ
ベッドの方を見ると、武太郎君はまだスヤスヤと寝息を立てていた
針くらい真っ直ぐな姿勢で…
「んー凄い寝相!!真っ直ぐ過ぎだろ!?」
まぁ寝相のことはさておき、
本当に大丈夫だろうか
体調とか悪かったりするかな
「武太郎君?大丈夫?」
身体を揺すってみても、ん〜…と寝息が返ってくるだけだった
これまでの仕事や宴の為の準備で忙しくしていたから、その疲れが出たのかなぁ
そう思い、部屋を後にしようとする
すると
『きょう…さま… 』
と弱々しい声が聞こえて来た
起きたのかと思って振り返るが、起きている気配はない
私は再び武太郎君のベッドに近づく
まさか寝言で私を呼んだというのだろうか
「武太郎君?」
顔を覗き込むが起きている素振りはない
しかし、心なしか苦しげなうなされている様な顔をしている
『教祖さま…行かないで…』
『ずっとそばに…居させてください…』
「武太郎くん…」
「僕は何処にも行かないよ?」
「大丈夫だから…」
子供をあやす様に頭を撫でる
すると徐々に顔がほぐれていく武太郎君
「ふふっ…あの頃と変わんないな…」
私は幼少期の頃の記憶を辿りながら
彼の朝餉とタオルを取りに行くのだった
武太郎side
『んんっ…?』
隣に人の気配がして目が覚める
まだうまく見えない目をこすりながら
横を見ると
我が教祖様が何食わぬ顔で本を読んでいるじゃありませんか!?
『わぁああ!!きょーそさま!?
なんで!?』
「なんでって武太郎君が起きないから笑 」
ケロッとした態度で言われて?が頭に浮かぶ
時計を見るともう10時を過ぎようとしている
『わぁあああ!!!私としたことが!
申し訳ございません、教祖さま!』
「全然大丈夫だよぉ〜、今日は一日お休み
にしよう。疲れていたんでしょう?
うなされてたよ?」
『…教祖様、私の秘密聞いてくれますか?』
「もちろん」
実は私はSubなんです
それ故に両親に虐待されていたんです
normalから産まれたのにSubが産まれるなんてって言って…
父が母を責め、
血の繋がりがあると分かった瞬間、母は私を責め、
父は男のくせにと嘲笑いました
それからは不幸の連続でした
父に夜中に街に駆り出されたかと思えば、
知らないDomに引き渡され
荒々しいcommandを打たれて
Sub drop寸前で放り出されて
また他のDomへと
この最悪なループを断ち切って下さったのが
教祖様だったのです
教祖様が祈ろうと言って、そうしたら両親も
死んで、
私の命の恩人だったのです
でも…教祖様がDomだったと知って、私の思考は複雑に絡み合いました
私を助けてくれた人間が、もしかしたら
私を痛めつける人間かも知れないと思って
教祖様がそんな人間でないのは分かっていました
だからこれまでもnormalとして過ごす事で
教祖様の隣に居続ける事が出来ていました
でも…最近抑制剤が効かず、ダイナミクスが不安定になってしまって
Domである教祖様の事ばかり考えてしまって
毎晩夢に教祖様が出て来て
私の身体中に唇を落として…
教祖様に跡を付けて頂くのはとても嬉しいのですが…
何故か苦しくなって…
そしたら、教祖様の態度が変わってすぐに何処かへ行ってしまうんです
必死に呼び止めても止まってもくれなくて…
「それは…なんか申し訳ないな…」
『いえ!教祖様が謝る事ではありません!』
『ただ私がヤワなだけで…』
「ううん、やわなんかじゃない、
君は強くて良い子だ」
「見ての通り、僕は何処にも行かないよ
だから安心して?」
『っ…!はいっ…!』
私の髪を撫でる教祖様の手
その手の動き一つ一つが私を安心させる
貴方にだったら本当に、抱かれるのも、
怖くないかも知れない