テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
片思いを抉らせてるymmtとそれに気付いてないnp
ほぼnp視点の小説
自分の妄想設定多めですので苦手な方は回れ右
nmmnに久し振りに触れました妄想が尽きない…
…目が覚めると身体が悲鳴をあげていた。
どうやら俺は何かの拍子にそのままブッ倒れて床で眠っていたらしい。そのせいでお風呂に入っておらず、身体が湿気に塗れてネチョネチョしていて気持ちが悪い。更には煙草を昨日の帰りからてあ一度も吸っていないからか、頭も少し痛い。
「最悪やほんまに…」
そんな呟きはこの静かな空間にはよく響き、自分の無様な姿を彷彿させてくるぐらいうざったく感じた。ネチョネチョした身体を洗おうと風呂場へそそくさと歩いている最中、玄関に雑に置いてある姿見を見た。そこに映る自分は何ともダサく、不格好であり尚且つ顔色も悪かった。床に突っ伏して寝てりゃそらそうなるだろうな。と悪態を吐きながら風呂に入った。
風呂をあがった後直ぐに部屋着に着替え、煙草の箱とライターを持って閉じっぱなしのカーテンの奥にあるベランダを目指して歩いた。昨日から一本も吸ってないんやから今ぐらい一服させてくれよな、と独り言を呟きながらカーテンをめくってベランダに出ると見覚えのある姿を目の前にした。 漆黒に近いがほんの少し紫味を帯びた髪、平均の成人男性からしてみると小さいく端整で酷く綺麗な顔立ちをしており、色んな意味で目立つ容姿をしている。身長は俺程高くはないがそれでも170はあるのだから高い方だろう。
そんな如何にもモテますよーを具現化した容姿をしている彼は今、ベランダから外の風景をスマホで撮っている。
「ここの部屋本当に東京とは思えない程綺麗な景色だよねー。ところでさ、約束ほっぽらかして何能天気に一服ぐらい〜とか言ってんの?ねっぴー。」
…何でここにいるんだ、と疑問を抱いたのと同時に今写真を撮るのに夢中になっている美青年こと山本と俺は今日遊ぶ約束をしていた事を思い出した。
「あ…ごめん、約束してたの忘れてた!!!まじごめん!その…」
「どーせ昨日リオラかスキマかやまみちか…まぁ誰と飲んだとかはどうでもいいんだけどさ、酒飲んでベロッベロの状態で家に帰ってそのまま床に倒れ込むように寝たんでしょ?玄関の散乱具合見たら何となく分かったよ。…で、ねっぴーさっきから気になってるでしょ?俺が何でね蓮の家にいるのか。そーだね結構前の事だけど…2人で外に焼肉食べに行った時蓮めっちゃ酔ってさ、そのノリなんだろうねーねっぴー俺に家の合鍵渡してきたんだよ。返そうとしたけどそしたらねっぴーがええから持っとけー!って言ってさ。その合鍵まだ持ってたから使って入りました〜。」
山本は指に合鍵をぶら下げて自慢げにこっちを向いている。しかも、言っている内容が図星過ぎだし俺の失態まみれだからこっちは反論どころか何も言うことが出来ず、口を阿呆らしく開けることしか出来なかった。
「ご、ごめんごめん俺酔っ払ってて合鍵渡したの忘れてわ。それ返して欲しいんやけど…」
「嫌だね。今日約束忘れた挙げ句、煙草吸おうとしてた人になんか返したくないですー。それにこの合鍵、ええから言うて渡してきたんねっぴーでしょ?」
「や、でも流石に俺の家の中一応プライベートやし」
「じゃあ罰として、これ貰うねー。」
駄目だ。何言っても聞かない。こーゆー時の山本は自分の意見が通るまで譲ろうとしない。まぁ俺に非があるっちゃ非があるけど合鍵はちょっと罰にしては重すぎるような気がする。山本は普段は結構常識的で尚且つ礼儀正しく、紳士のような振る舞いをしている。それは俺と遊んでいる時や旅行の時も同じだ。だが、悪戯や今回みたいな罰など自分の意見が通りやすい状況などでは一歩たりとも譲ろうとしない。そう言う時は俺の方が先に折れて山本の意見が通ることが多い。…こいつ絶対営業マン向いてるわ。
「あーもー!分かったわかった、けどあんま頻繁に入ってこんといてな。俺だって一人の時間欲しいし配信もあるから。せやな…せめて来るなら一言連絡欲しいかも」
「分かった!約束守るよ」
山本は心底嬉しそうに笑って鍵を大事そうに財布の中に入れた。別にただの俺の家の鍵やねんからそんな大事そうにせんくてもええのになぁ。
俺と山本は常日頃からこの感じのせいなのか、よく周りからは「付き合ってる?」と聞かれることが多い。実際はそんな事なく、ただの最高に気が合う友達だ。多分それは山本からしても同じだと思う。たまに配信とか動画とかではネタで夫婦とかしてるけど本気な訳では無いし、てか山本も嫌だと思うだろうし。
「あ、そうだねっぴー。今日午後から雨予報だって。どーする?」
「…え、嘘やん?!俺もとくんと買い物したかったのに!」
「…自分のせいでしょ。今何時だと思ってる?」
「あ、すみません。えっと…14時47分?!は?!俺そんなに寝てたん?!」
「だから俺、ねっぴーの家に合鍵まで使って入ったんだけど。何時間待ったと思う?」
「本当にまじでごめん!!!」
土下座して後悔したとて後の祭りなのは分かってるけど、流石に何もしないと言うのも逆に失礼だと思う。だって約束の時間は11時やから…3時間半も待たせてる。ほんまに酷すぎる。最低。
「…から…」
「…?山本どした?」
「ん?あーいや、今から何しようか考えてた。ショッピングはもう無理だとして…折角ねっぴーの家におるんやから家で遊ぶとか?って考えてた」
「あー確かに…じゃ、俺ん家でなんかゲームすっか!」
「賛成」
「じゃあなんか冷蔵庫からつまみとか取ってくるわなんかしたいゲームでも探しといて」
「わかったー」
申し訳ない反面、山本と同じ空間で一緒にゲームするのがちょっと新鮮だからか、楽しくなってきた。そう言えば山本ってつまみとかって何食べるんやろうか。外に遊びに行ったり外食とかは結構するけど家に遊びに行ったりせーへんからつまみみたいなちょっとした食べ物の好みは知らんかったな…まぁ取り敢えず冷蔵庫にあるやつてきとうに並べて好きなやつでもつまんでもらうか。そう思いながらリビングに向かうと、山本は目の前の並べられたゲームカセットと睨め合いっ子していた。
「もとくん、顔凄いことなってる笑」
「え、嘘まじで?考えすぎてた笑笑」
山本はそう言うとさっきまで殺意の高そうな顔をしていたのが一瞬で元の綺麗な顔に戻った。
…殺意の高い顔してても綺麗な顔って何だよ。
俺なんか言葉だけで殺意高いって言われてイジられるのに山本は顔がいいからイジられることなさそうやし、逆にこっち側の背筋が凍って何も話せんくなるんか。
「んー…ここは無難にマリパでもしようかな…」
「せやな、マリパで殺し合いや笑笑笑」
「ちょ、物騒過ぎる笑平和にしよう?あ、俺ガボンね」
「ガボンってあの緑の口から棘ボール吐いてくるやつやん笑笑笑」
「そうそうあの変なやつ!俺ね地味に気に入ってる笑」
山本と一緒に居ると気持ちが楽になる。他のスプラ仲間といる時も勿論楽しいが、根本的に近くにいて感じるものが違う。心から安心出来ると言うか。まぁそれは趣味とか価値観が似ていてお互い素を出しやすいからだと思う。
「ねっぴーのつまみだからザ!お酒のあて!みたいなのだと思ってたけど意外とスナック菓子多いね」
「え、何?俺を酒飲みやと思ってる?」
「うん、何となく」
「いやいやいやいや、俺確かにヤニカスやけど酒飲み程飲まんて笑昨日は飲まされただけやし、そーゆー気分上がったり誰かの飲むときぐらいやでベロベロになるんは笑」
「でもさー、ねぇ。ヤニカスやし…」
「おいヤニカスをイジんな笑笑あ、そいや今年アイスボックスめっちゃ買ってん、食べる?」
「喜んでー」
「うげ、もう23時かよ。もとくん終電大丈夫なん?」
「うーん…今から出て走っても終電間に合わなさそう」
「まじかー…じゃあ俺ん家泊まる?」
「えっ…?」
俺は至って普通の事を言ったと思う。否、言った。友達の家で寝泊まりなんて、普通の事だ。だから俺は普通の事を言った。
…じゃあこの山本の反応は何だ。まるで付き合いたてのカップルが初めて彼氏の家に泊まる時みたいなこの反応は。
「…もしかして人ん家に泊まるん苦手やった?」
「いや、そうゆう事じゃない…ただねっぴーがそんな事言うと思ってなくてびっくりしただけ…」
…正直、山本がこんな反応をすると思ってなかった。てっきり「いいの?!助かるー!」みたいな反応かと思っていたからこの予想外の出来事に何も対応できないでいた。
「…じゃあお言葉に甘えて泊まらせて頂きます」
何も改まらなくてもいいのに。それはさておき、山本は一体何に驚いて、一体何に怖がっているのだろうか。きっとさっき言ってた誰かの家に泊まるのが苦手ではない、と言うのは本当なのだろう。
もしかして、俺の家に泊まるのが嫌?
果たしてそれが正解なのかは分からないがきっとさっきの反応的にそれに近しいのだろう。
それからの俺達はどこか気まずい雰囲気になっていた。取り敢えずこの気まずい雰囲気から抜け出したいから俺は山本に「山本の下着と歯ブラシ買ってくるわ」と言うと「そ、それは自分で買ってくるから!」と少し怒りながら出て行った。
何言ってんだ俺。別の言葉言えばよかったのに何怒らしてんだよ。まじ何だよ人の下着買いに行くとかそりゃ自分で買いに行くってなるわな。
後悔したとてもう起こった事はどうしようもない、後の祭りなのでさっさとお風呂に入って気持ちをリセットしよう。そう思ってそそくさと風呂に入った。暫くして風呂から上がり、身体をそれなりに拭いた後パンツだけ着てリビングへと向かった。暑い。真夏の風呂は頭が可笑しくなるぐらい暑い。服でさえもがうざったく感じるぐらいその日は暑かった。リビングに入ると既に山本が帰ってきており、ソファーでだらんと寝転がっていた。そんな山本はこちらを見た途端、目を大きく見開き顔がじわじわと赤くなっていた。
「ちょ、ねっぴー?!何その格好?!」
「え…?暑いからパンイチなだけやけど」
「お願いだから服着て!!!」
山本は声を荒らげながら畳んで放置していた俺の服を勢いよく投げてきた。何がそんなにダメなんだ?と疑問に思いながら言われるがままに服を着た。
「男同士だからって流石にあの格好は駄目でしょ…!!」
山本はそう文句を吐いた。俺にはよく分からない感覚なので理解出来ずに固まっていた。
「あ……、ねっぴー…。…トイレ借りてもいい……?」
固まっていた俺は山本が話していた言葉をろくに聞かずにそのまま「うん、いいよ」とてきとうに返事をした。すると山本は全速力と言っても過言ではない程のスピードでトイレに向かった。
俺はトイレの中で何が起こっていたのか、後々知ることになった。