⚠️ 注意⚠️ 腐ってます HQ
これより先、及岩 影岩の要素を含みます
地雷さんは自衛を願いします
これより先をご覧になられ
不快な思いをされても自己責任となります。
当方は一切関与しませんのでご注意下さい
「お前らいつも一緒にいるよなぁ」
聞きなれた台詞
「ずっと一緒って…飽きねぇの?」
アイツの神経を逆撫でるような言葉
岩泉一 。北川第一中学校3年
バレーボールに青春の全てを注ぐバレー馬鹿
その隣でぴくりと眉を寄せながらも
弧を描いている美青年は
及川徹。
岩泉と同じ中学三年生だ。
いわゆる幼なじみという及川と岩泉は
いつも行動を共にしていた
離れているといえば、御手洗と授業中位だ
といっても及川が休み時間は毎度
岩泉の元に訪れるし、連れションだ
大概一緒で以心伝心しあっている様から
2人は 阿吽 と呼ばれていた。
その2人にこの質問はなんども問いかけられた
その度に及川が切れるので
岩泉からしたらたまったもんじゃァない
俺は及川が口を開くよりも先に
いつものセリフを吐いた
「飽きるも何も、いて普通、つーか、腐れ縁」
「やだなぁ岩ちゃん、腐れ縁じゃなくて…
う・ん・め・い・♡でしょ?」
「黙れ」
「酷い!ホントのこと言っただけなのに!」
「へー、そんなもんか」
「おう、それぐらいだろ、普通」
「いやわかんねーよ笑」
「…つーか、居て普通って事はさ
居ないと違和感あるって事か?」
「?まぁ、そういうことだな?」
「岩ちゃん、俺の事大好きだもんね」
「お前は黙ってろって言ってんだろ」
本当に口にチャックとでも言うように
口をきゅっと閉ざした及川を笑いながら
岩泉は問いかける
「んで?それがどーした?」
「及川もそーなの?」
「うん?…そーだね、うん、変な感じ
というか及川さんモテるからさ?
女の子達に囲まれて
身動き取れなくなっちゃうんだたよね、
岩ちゃんがいないと」
ごめんね?と舌をペロッと出しながら
ダブルピースをかます及川に
うぜーと3人が笑う
けれど、及川にその質問を浴びせた
クラスメイトは眉間に皺を寄せていた
「?どした?あ、わり、今のは
クソ川の冗談だから気ぃ悪くすんなよ。」
「いや、及川のうざさは知ってる…」
「ねぇ、やめない???
さらっと俺をdisるのやめない???」
「あれじゃね?それって、えーーー」
「共依存」
岩泉の目が見開かれ、固まる
意味は、確か、
互いが互いに極度に依存している
”だめな”状態だ
今の言い方は、そう言っていた。
詳しい意味は知らない、けれど
きっと、及川が嫌う言葉だ。
及川の細められた目から光が消える
何かを感じたのか皆いっせいに押し黙り
質問を投げかけた本人は
神妙な顔をして、唇をかみ締めていた
さて、どうフォローを入れようか、
そうアラビア語の解読よりも難しそうな
問題を岩泉は冷静に考える…が
岩泉は元来頭の良い男では無い
男前であり、優しさも兼ね備え
面倒な幼なじみの扱いを心得てはいるが
物事をストレートに伝えるため
気はきくほうでない。
暫くの静けさのあと
及川が口を開く
「………なーに、いってんの笑」
「そんなんじゃないよ!
岩ちゃんはお母ちゃんだし笑」
「お前を産んだ覚えは無い」
いつもの調子にほっと一息
大人になったということだろうか、
昔ならまず間違いなく
いみわかんない!と、大泣き、大暴れだろう
「たしかになぁ笑わり笑」
「そー、そー!」
「そんなんな訳ねぇだろ。」
柔らかい空気が戻ってくる
そろそろ座れと言う先生の声で
やばいやばいとクラスの違う及川だけが
自分の教室に駈けていった
「おい、グズ川!はやくしろ!
監督呼んでるって言ってんだろぉが!」
「まってよ岩ちゃぁん!」
「グズグズすんなグズ川!!!!!!」
「ややこしいよ!」
「悪いな岩泉」
「いえ、すいませんでした」
「気にするな、行きなさい。」
「はいっ、失礼します。」
キビキビと立ち去る幼なじみの姿に
及川は今日もふっと息を着く
「ほんと、お母ちゃんみたい…」
お母ちゃんじゃぁダメなのになぁ、
岩泉を見つめながら及川はそっと
心の声をこぼす、あぁ幸せだなぁ
うざったい後輩はいるけれどそれでも
岩ちゃんは俺のそばで俺を叱ってくれる
俺だけの幼なじみで、俺だけのお母ちゃん
そして、俺だけのエース。
いつからだろう、いや、初めからだ
岩ちゃんがかっこよくて?
愛らしくて、仕方なかったのも、
好きで、好きで、どーしようもなかったのも。
うっとりと幸せを噛み締めていると
監督の声が俺の世界を壊した
「お前がいつもその調子だからだろう」
呆れと微笑ましさを含んだような
分かっているような笑い方
俺は内心いらつきながらヘラりと笑った
「えー、そんなことないですよぉ、岩ちゃんのお母ちゃん度が高すぎるんですって!!!!!!」
「それもあるな」
「ですよね?」
あははと笑いあいながら話をすすめる
あぁ、早く岩ちゃんと練習したいなぁ
「岩泉さんッ!」
「おぉ、?どした?」
岩泉が驚きの表情を浮かべたあと
優しく笑いかけてくる
影山は嬉しさと恥ずかしさで
頬を赤くして頭を下げた
「いわいずみしゃっ」
「おぉ笑、どした、影山
大丈夫だからゆっくり喋れ」
「は、はいっ、岩泉さん、えっと、その
お願いがあるンスけど…いいですか…?」
おぼこさの残る二つの瞳が岩泉を見つめる
そういや少し前まで小学生だったなと笑った
「おー、なんだ?言ってみろ」
「あのっ俺のトス打ってくれませんか!」
「…」
岩泉の顔が固まり、引き攣る
ひきつった顔に影山は気づかない
気づけない。
岩泉さんが1人で体育館に入ってきた時
嬉しさととも不審に思った
……及川さんが居ない。
いつも、岩泉さんに話しかけようとしたら
岩泉さんの腰に手を回して、
俺を恐ろしい形相で睨んでくる及川さんが
いない。
流石の影山でも、嫌われていることは
分かるほどに及川はわかり易かった
いや、分からせていた。
影山の本能はなにかを察していた
あの二人に近づいてろくなことはない、と。
ただ影山は残念な事にその本能を
ガン無視出来るほどのバレー馬鹿だった。
「あっ、すんません、急に、
あの、でも、ずっと打って欲しくて……!」
恥ずかしそうに、けれど嬉しそうに
体を縮める影山に岩泉は戸惑っていた
影山が強く望む ..
北川第一エース岩泉の影山のトスでのスパイク
後輩のこの切ない願いを、そんな、
小さいはずの願いを、叶えてやりたい
けれど、岩泉の頭に何よりも早く浮かんだのは
今までずっと共にバレーをしてきた
幼なじみの笑っている顔だった
勘が鋭く強かけれど変な所に繊細な及川が
俺が大嫌いで自分の場所を奪われそうで
怖くて怖くて仕方の無い時に
その後輩のトスをエースで、幼なじみで、
ずっと共にいた岩泉が打っているのを見たなら
また、知ってしまったら。
どう、思うのだろうか。
考えたくもないと岩泉は顔を背けた
影山が俺の名を呼ぶ、
及川が恐れている目が、手が、言葉が、
岩泉に向けられる
「……大丈夫ですか?岩泉さん、顔色悪いです」
心配そうに、影山は言う
だめだ、断ろう、すまないと、
だって、俺は、及川が
「影山、すま……」
どこからかそんな言葉が聞こえた
孤独、孤独の王様。
いいのか、俺は、及川にばかりで、いいのか
俺は、及川のためを思って、
あいつが前に出やすいように、
あいつが矢面に立たないように、
あいつが壊れてしまわないように、
細心の注意を払ってきた。
他を傷つけることになろうとも
いいのか?また同じことを繰り返すのか?
影山は金田一や国見とあまりいい関係を
きずけていない、その周りもしかりだ
及川が絶望した時は、俺がいた
けれど、影山は?
この後輩はどうなるのだろう、
俺はきっと、影山を殴ってはやれない。
ならせめて、この少しの切ない願いを
叶えてやらなければならないのでないか…?
俺は、俺には、それしかやってやれない
「?、岩泉さん?」
「いや、なんでもねぇわ、……おっし……、
影山、ボール取ってこい」
「え、それじゃ」
「おぉ、やるか」
「!!!!!!、あざっす!!!!!!!!!!!!」
「おー、気にすんな、はやくやっちまうぞ」
「はい!!!!!!」
ばたばたとつまづきそうになりながら
全力疾走でボールを取りに行く影山に
岩泉はふっと笑ってさっさと
ジャージを脱いだ
「はいっ!」
すぱぁん!!!!!!!!!!!!!!
「ふっ、」
綺麗な弧を描いて俺の手に落ちてきたトス
美しい、いいトスだった
狙って早めのテンポで打ち込む
決まった、決まったのだ
影山の、いいトスで、
だが
何か違う、何かが合わない
ナイストスだった、それは誰が見ても分かる
中学一年生のトスとはとても思えない
けれど……
「……!」
「かげやまナイストス」
「……ん、ナイスキーっす……」
「ふはっ何でお前が悔しそうなんだよ」
「いえ、すんません……!
もう1回お願いしゃす!!!!!!」
またトスをあげようと準備する影山に
やるとは言ってねぇんだけどなぁと
苦笑しながらまた位置に着く
「はいっ!」
さっきよりもワンテンポ遅いトス
どこが先程よりも馴染むような
また手元にやってきたトスを打つ
ばぁぁぁん!!!!!!!!!!!!
轟音が鳴り響く
少し遠いところで練習をしていた後輩や同輩が
振り返るような気配がした
ビビってるな
きっと今は及川がいないから大丈夫だと
安心していないだろう、あのドンピシャの
トスは来ないから、と
俺はと言うと及川のトスでは無いからと
ボールに合わせながらいつもより大きく振り
振り下ろした、あ、とは思った
説教かな、と思った
「……影山、」
「…………ナイスキーです……」
「おい、」
低い声にビクリと影山は強く下唇をかむ
「自分のトスで後悔するな、
後悔するぐらいならあげるな、わかったな」
「……はいっ、すんません!!」
「おー、……影山今のトス及川に似せたな」
問いかけているようで答えは求めていない問
影山はこくりと頷き俯く
「 そうか 」
「……あの、おれは」
「……今のは及川のトスであって
お前のトスじゃない、あれじゃ意味がない
あんなのは紛い物だろ」
また悔しそうに影山は下唇をかむ
「まぁ仕方ないとこもあるだろ
俺が何年及川のトス打ってると思ってんだ
慣れもあんだよ、慣れ」
「でも、俺はもうアンタのことでは
あの人に負けたくなんいです……!」
岩泉は影山はいいトスをあげて
あまり選手にそうタイプではないと思っていたのでエースへの執着に少し驚きわらった
「そうか、でもお前が天才でも、
俺はあれ以上にいいトスは知らねぇよ」
「俺が更新します……!」
鼻をぐずらせ宣言する影山に
調子乗んなよ〜と朗らかに笑い頭を撫でた
それがまずかった
見られたのだ、及川に
今尤も恐れていたことが起きてしまった
「はじめっっ!!!!!!!!」
先程のスパイクの音よりも何倍も
大きな音が体育館に轟く
もはや男バレというより
体育館ないの全ての部活の注目の的だ
及川がかけてくる
「い、岩泉さん、」
情けない、声が震える
意識せずに岩泉の裾を掴む
まって、危ない、ごめんなさい、俺、俺が
言葉が出ない、汗が伝う
及川さんが酷く恐ろしい顔でこちらに来る
、ごめんなさい、ごめんなさい、違うんです
岩泉さんは悪くないんです、俺が無理に
「影山、大丈夫だ、すまん。
お前には、手を出させねぇから、
もう、あんな思いはさせねぇから」
「ぁ……」
情けない、俺は、なんと、愚かで……
守れない、誓ったのに、
守らなければならないのに
また、守られて終わってしまう、
片しといてくれと言って
岩泉さんは及川さんの元に歩いていった
「はじめぇぇっ!!何をしてんだよ!!!!!!」
及川は青筋を浮かばせ
岩泉の胸ぐらを掴みあげる
周りが及川、落ち着けよと
宥めようとするが及川は止まらない
こういう役はいつも岩泉が担っていたので
他は何をするかも分からず戸惑う
岩泉は少し驚いて悲しそうに、痛そうに
及川を見つめた
嗚呼、泣いている
及川が泣いている
小さな小さな及川が泣いている。
ごめんなぁ、俺バカだから、
お前の気持ちはわかんねぇんだよ
『はじめちゃんのバカァァァ……』
そーだな、ごめんなぁ、この通りだよ
許してくれ、
弱いお前をまた傷つけた俺はバカだなぁ
「なにしてんの?はじめは俺だけのエースでしょ?なんで飛雄のトス打ってるの?なんであんな、あんな、強いスパイクを打つの???」
嗚呼、さっきのスパイクの音が
聞こえたのから、だから不安で
走ってきたら、俺と影山がいて、怖くて
幼馴染
「こたえろよ!!!!!!なぁ!!!!はじめ!!!!!!!!」
「……及川、すまん
ここじゃダメだ、場所を移すぞ」
「っ、俺は」
「及川。」
「……わか、った……」
ふぅと一息吐いた岩泉は固まっている
同輩たちに声をかけて
「騒いで悪かったわ、ちょっと裏行く
……ぼけっとしてんな、ぱっぱと練習始めろ」
「あ、おう……」
固まっていた時間が溶けだす
各々自分のすべきことをし始める
影山の視線をかんじ
金田一たちと会わせとけ、と行ってから
俯いて動かない幼馴染の腕を引いた
体育館の裏に行く、
及川は黙ったままだ
「及川、」
「なんでだよ、巫山戯んなよ!!なんで、
飛雄のトスをっあんな、あんな!!!!!!」
「……」
「はじめは、俺のトスじゃなきゃダメ……
俺のじゃないとやなのに……分かってよ、
ねぇ、分かってよ……!!!!」
「……おいかわ、ごめん、ごめんなー、」
「ぇ、」
「後輩育成だとかなんとか理由つけて、
打ったけど、ダメだったんだ、俺」
「お前のじゃなきゃ、ダメだった」
「え、?まって岩ちゃんどういう……」
「お前のトスに、依存してんだよ、俺
お前のじゃなきゃ打てねぇんだ、
今日はコンディションも
良かったし振りも良かったけど
なーんか、違ぇんだよ、調子でねぇ」
「お前じゃなきゃダメだった、
ごめんな、誰にでも合わせなきゃ
いけねぇのに、力不足でごめんな、」
「い、いわちゃ」
「これだから俺は、
勝てねぇんだなぁ、ウシワカに……」
「違うよ、岩ちゃん。」
「おいかわ、」
「ありがと、嬉しい、だいすきだよ」
「俺もね、岩ちゃんへのトスが好きだよ
岩ちゃんのスパイクが好きだよ、
岩ちゃんのことが好きだよ、俺だって」
「俺たち、共依存してるんだね、岩ちゃん」
「……ん、」
「岩ちゃん、愛してるよ、
飛雄のところなんて行かないで、
俺のそばにいて、?」
「ふは……元より、行く気ねぇべ
俺も、愛してる」
「……うんっ」
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あ、なんか岩ちゃん受けで描いて欲しい有りましたら教えてくださいというかかかせてください