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えとゆあ推し!
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第14話 ヒーロー
注微じゃぱたつ
――昔の写真。
たっつんが棚の奥から取り出したアルバムを、俺たちはテーブルに広げていた。
💚「うわ、懐かし!」
🩷「わぁ……!」
❤️「これ、何年前ですか?」
💛「めっちゃ昔やなぁ」
ページをめくるたびに、幼い頃の写真が次々と出てくる。
今よりずっと小さな俺たち。
髪型も違う。
顔つきも違う。
服も違う。
でも――。
💚「あ、これ俺じゃん!」
写真の中には、小さな俺がいた。
そして、その隣には――。
💛「俺やな」
小さなたっつんが写っている。
🩷「二人とも小さいですね!かわい〜♡」
❤️「えまってこのたっつんめっちゃかわいい!笑笑」
💚「そうなんだよたっつんかわいいんだよ。ほらこれとか見てみ?」
やっぱゆあんくんは分かってるな〜!
🩷「え〜!くまさんのぬいぐみもってる笑」
💛「記憶にないです……」
ちょっと恥ずかしそうにたっつんが言う。
💚「でも、やっぱたっつん、今と全然変わってないじゃん!」
💛「…どこがやねん!」
💚「まあ、全部?」
💛「はぁ!?」
🩷「ふふっ」
みんなが笑う。
俺も笑った。
だけど――。
その写真を見つめているうちに。
俺の頭の中に、昔の記憶が少しずつ蘇ってきた。
――あの日のことが。
俺と君は、赤ちゃんの頃からずっと一緒だった。
家は隣。
親同士も仲が良くて、俺たちは物心つく前から一緒にいた。
でも。小さい頃の俺は、今とは少し違った。
人前に出るのが得意じゃなかった。
知らない人がいると、君の後ろに隠れる。
初めての場所では、なかなか喋れない。
そんな子どもだった。
だけど、君は違った。
💛「じゃぱぱ!遊ぼ!」
💚「……うん」
💛「今日は何して遊ぶ?」
💚「……分かんない」
💛「じゃあ俺が決める!」
いつも君が先に動いた。
俺の手を引っ張って。
俺が知らないところへ連れていってくれて。
俺が困っていたら、君がいつも隣にいてくれた。
幼稚園でも。
公園でも。
家でも。
いつも一緒だった。
だから俺にとって、
君…たっつんは――。
ただの幼馴染じゃなかった。
いつも前を歩いてくれる人だった。
――そして、俺たちは小学生になった。
俺たちは同じ学校に通うようになった。
最初の頃は、何も変わらなかった。
君が友達を作って。
俺もその後ろについていく。
君が笑って。
俺もつられて笑う。
そんな日々が続いた。
でもある日ーー。
俺は君と一緒に、学校から帰っていた。
💚「たっつん、今日どっか寄って帰ろーよ!」
💛「ええで!何食べる?」
💚「アイス!」
💛「またかいな笑」
💚「だって暑いじゃん!」
💛「まだ夏ちゃうやろ」
💚「いいじゃん!」
そんなくだらない話をしながら歩いていると――。
ふと、前のほうに女の子が座り込んでいるのが見えた。
💚「……?」
💛「どうしたんやろ?」
俺たちはその子に少し近づく。
その子は、少し困ったような顔をしていた。
どうやら、帰り道に何かあったらしい。
俺には詳しいことは分からなかった。
でも――。
その子が、今にも泣きそうな顔をしていたことだけは分かった。
俺は足を止めた。
💚「……」
どうしよう。声をかけたほうがいい。
でも。なんて言えばいい?変に声をかけたら、余計に困らせるかもしれない。
そんなことを考えているうちに――。
💛「大丈夫?」
君が声をかけたんだ。
その子が顔を上げる。
💛「なんかあった?」
…その子は何も言わない。
たっつんは急かさなかった。
ただ、少し離れたところにしゃがんで、
その子と目線を合わせる。
💛「話したくなかったら、無理に言わんでもええで」
そしていつもの優しい笑顔で。
💛「でも、困ってるんやったら俺らも一緒に考えるから」
俺は、ただその言葉を聞いていた。君は、何か特別なことを言っているわけじゃない。
でも。その子の表情が、少しずつ変わっていた。
「実は…」
とその子は小さな声で話し始める。
君は最後まで黙って聞いていた。
途中で口を挟むこともない。
ただ、ちゃんと聞いている。
そして話が終わると――。
💛「そっか」
君は少し考えた。
💛「じゃあ、こうしたらええんちゃう?」
それから、どうすればいいかを考えた。
すぐに全部解決したわけじゃない。
でも。
その子は最後には少し笑っていた。
「……ありがとう!」
って。
💛「ええって!」
君はいつものように笑った。
その明るい笑顔を見て――。
俺は思った。
君はすごい子だ。
俺だったら、きっと何もできなかった。
どう声をかければいいのか分からなくて。
変なことを言ったらどうしようって考えて。
結局、何もできなかったと思う。
でも、君は違った。
完璧な答えを知っているわけじゃない。
何でも解決できるわけでもない。
それなのに――。
困っている人の隣にいることができる。
そのことが、すごいと思った。
帰り道、俺は君の少し後ろを歩いていた。
💚「……たっつん」
💛「ん?」
💚「さっきのさ」
💛「うん?」
💚「どうしてあんなことできるの?」
💛「あんなこと?」
💚「困ってる人に声かけたり……」
君は少し考えたあと、笑った。
💛「別に普通やろ」
💚「普通じゃないよ」
💛「そうか?」
💚「俺だったら、怖くてできない」
💛「じゃぱぱも、そのうちできるようになるって」
💚「……ほんと?」
💛「うん」
たっつんは、俺の肩を軽く叩いた。
💛「だって、じゃぱぱやから」
💚「……」
💛「…なあじゃぱぱ!知ってるか?」
💚「え?」
💛「誰だって誰かのヒーローになれるんやで!」
💛「泣き虫でも。ひたむきに、前を向いて!
だって…」
それからにこっと笑いーー
💛「君が主人公なんやから!」
その言葉が、なぜかずっと心に残った。
俺も。君みたいになれるのかな。
それから俺は、少しずつ変わろうとした。
まずは、挨拶。
💚「おはよう!」
次は、自分から話しかける。
💚「今日一緒に帰らない?」
困っている人がいたら――。
💚「大丈夫?」
最初は、やっぱり緊張した。
すごくドキドキして、声をかける前に何度も迷った。
変に思われたらどうしよう。
嫌がられたらどうしよう。
そんなことを考えることもあった。
それでも。
君の背中を思い出した。
ーー誰だって誰かの ヒーローになれるんやで!
その言葉を思い出すと、少しだけ勇気が出た。
そして。
誰かが笑ってくれると、俺も嬉しかった。
誰かが『ありがとう』と言ってくれると、もっと嬉しかった。
いつの間にか――。
俺は人と話すことが好きになっていた。
笑わせることが好きになった。
誰かの力になることが好きになった。
そして。
君と一緒にいることが、もっと好きになった。
このでっかい世界で君と巡り逢えた奇跡は、
ただの偶然じゃない。
運命なんだ。
――現在。
💚「……」
アルバムをゆっくり閉じる。
夏休みの午後。
たっつんの家のリビングには、蝉の声が聞こえていた。
🩷「じゃぱぱさん?」
💚「ん?」
🩷「なんか、すごく懐かしそうな顔してましたね」
💚「そう?」
❤️「うん、すごいアホっぽい顔してたけど、昔のこと思い出してたの?」
💛「アホっぽいというか元からアホなんやけどな」
💚「うん」
俺は隣にいるたっつんを見る。
たっつんは、アイスを食べながらテレビを見ていた。
💚「俺さ」
💛「ん?」
💚「昔、たっつんみたいになりたいって思ってたんだよね」
💛「……へ?」
💚「え?」
💛「…急に何言いだすかと思ったら、どした?暑さにやられた?」
💚「いや、本当だって!」
💛「へ〜…知らんかったわ…」
🩷「ふふっ」
❤️「じゃあじゃぱぱって昔からたっつんのこと大好きだったんだ」
💚「そうそう!」
💛「…………ふーん」
💚「たっつんはずっ〜っと俺の『**ヒーロー』**ってこと!」
❤️「うわぁ。じゃぱぱがエモいこと言ってる」
💛「………でもまぁ……」
たっつんは耳を真っ赤にして
少し視線を逸らした。
💛「……ありがとな」
💚「……!」
今度は俺が驚いた。
昔。
俺が君に憧れた。
そして今。
俺と君は二人で、なんでも相談部をやっている。
困っている人が来たら、一緒に考える。
悩んでいる人がいたら、話を聞く。
もちろんすぐに答えが見つからないこともある。
それでも――。
その人の隣にいる。
それだけは、俺のヒーローから教えてもらったことだった。
💚「……それもあるのかな」
💛「何が?」
💚「俺が、なんでも相談部やりたいって思ったの」
💛「……」
たっつんは少しだけ目を丸くした。
そして――。
💛「……そうかもな」
また優しく笑った。
…俺は昔から変わらない、
君のその笑顔が大好きだ。
窓の外では、蝉がうるさく鳴いている。
眩しい夏の日差しが、部屋の中まで差し込んでいた。
昔の俺は。
君の少し後ろを歩いていた。
でも今は――。
君と並んで歩いている。
いつか。
俺も誰かにとっての**『ヒーロー**』みたいな存在になれたらいいな。
困っているときに思い出してもらえるような。
話を聞いてほしいと思ってもらえるような。
そんな『ヒーロー』に。
――あの日から。
俺はずっと、君の背中を追いかけていた。
でも。
今はもう、ただ追いかけているだけじゃない。
俺も少しずつ。
誰かを笑顔にできるヒーローになっている。
そんな気がした。
ここまで読んでくださりありがとうございます!
今回はじゃっぴの過去でした!
今回も本家様のあの曲をイメージして書きました!わかった人はいましたか?
なんか最初の方に恋愛要素ないとか言ってたんですけど、これから先に恋愛要素全然ありました、ごめんなさい!
毎日20:00〜22:00くらいに投稿しようと思ってます。
次回 第15話 夏模様
コメント
3件
マイヒーローですかね?それしか思い浮かばないwめっちゃ気に入ってます!♡28ぐらいにしときました!これからも頑張ってください
え〜〜!第14話、めっちゃ良かったです…!😭✨ たっつんの「誰だって誰かのヒーローになれるんやで」「君が主人公なんやから」ってセリフ、胸にグッときました。じゃっぱくんが小さい頃はたっつんの後ろを歩いてたけど、今は隣に並んで歩いてる…その成長がすごく愛おしいです。なんでも相談部を始めた理由も、たっつんから学んだ“隣にいること”だったんだなって気づいて、じんわり温かくなりました。 夏の蝉の音と、赤くなったたっつんの耳が、なんかすごくリアルで好きです🌻