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鹿の少女は後退りをすると森へ入って行った
急いで追いかけると鹿少女ともう一人子供がいた
「クリス、あの、あのね」
「あの人の事?」
子供が私に指を指すと鹿少女が悲鳴をあげて子供の陰に隠れた
「こんばんは、どうしたんですか?こんな森に遅くまで」
子供がきいた
「さっきついたんです、あの…名前は?」
「僕の名前はレゼ、この人は僕の姉のノエル、あなたは?」
「私は、えっと…鈴季、鈴季奈々」
「素敵な名前ですね」
その時に夜明けが来た
陽の光で子供の顔が少し見えた
顔を見た途端私は顔が熱くなった、少しでも話したい、記憶に残りたいと思ったから
「じゃあ、僕はこれで…」
「は、はいこれ!」
焦りながら私は白いコスモスを渡した
驚いてから、すぐにコスモスと私を見た
「わぁ、ありがとう」
レゼは私を見上げて微笑んだ
その頬はやんわりと赤かったから余計に顔が熱くなる
「僕、この先の、二道って場所で働いてるんです」
レゼが手を振って走り出す
「来てくださいね!お礼は弾むので!」
一際明るく笑うとどこかへ行ってしまった
なんだかふわふわと体が軽くなったようだ
羽をしまい込んで視線が鹿少女と同じ位になると鹿少女は隣にきて私に苦笑いをした
「これ…一目惚れって事?愛想笑いって…」
鹿少女のつぶやきは奈々には聞こえなかった