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アガパンサス が 咲く 頃 に 。
____
さて ,貴方に1つ問います 。
明日貴方の大切な人が居なくなるとしたら
どうしますか ?
夏
転校生が来た 。
紫色の瞳をした子だった 。
皆綺麗と言っていたけど,僕はそう
思えなかった 。
君は僕に話しかけてきた 。
『 おはよう 。シオン 。』
『 どうして僕の名前を ? 』
『 えー ,秘密 。 』
『 … で,何 ? 僕忙しいんだけど 。 』
『 私はスミレ 。シオンに逢いに来たの 。』
そう言って,君はアガパンサスを出した。
小説好きだった僕は ,何かの物語の初め
だろうか 。そんな妄想が過ぎった 。
まぁ,そんな事物語の中でしか起きない
んだけどね 。そう思いながらも ,
僕は君を見ながら言ってみせた 。
『 悪いけど,花は嫌いなんだ 。生憎
花には余っ程苦しめられてる 。』
『 あぁ ,そうなんだ 。』
『 これ,あげるよ 。 』
そう言って君は僕の机に花を置いた 。
『 だから … 嫌いだって 。 』
『 猫は居なくなる時大切な人の前から
姿を消す 。 』
『 … は ? 』
『 覚えておいてね 。 』
君は友達に誘われ教室を後にした 。
花を見てみると,一通の手紙があった 。
拝啓 華方 シオン へ 。
今度の夏休み 一緒に海に行きませんか ?
良ければ 二番地の海へ来てね 。
梅雨森 スミレ
海は好きだ 。
正直,行ってみてもいいんじゃないか ?
まぁ,見て帰るだけならいいと思う 。
『 あ,シオン 。来たんだ 。 』
君は麦わら帽子を被ってベンチに座ってた。
綺麗な茶髪を靡かせて,振り向いて言った。
『 君..初めて話した時以来避けてるんだ 』
『 だよね ~ … 分かってた 。 』
『 ごめんね 。いきなり花押し付けて 。 』
『 本当に … 辞めてくれないかな 。 』
『 何が ? 』
『 だから … 机に花瓶置くの辞めてよ 。 』
『 え ?綺麗でしょ ? 』
『 いじめみたいに見えるから辞めて 欲しいんだ 。君の為だし,僕も勘違いされる 。』
僕はあれ以来されてきた事を本人に言った。
いじめと勘違いされ,親に相談所へ
連れて行かされた事 。
虐めていいと思われ,暴力を振るわれ
身体中に痣ができたこと 。
『 そうだったんだ 。 』
『 そうだったんだじゃないよ … !
僕がどんだけ辛い想いをしたと思ってるの』
『 花は時には凶器になる … だから僕は
花が嫌いなんだ … ! 』
そう言ってシオンはスミレの手にあった花を
海に向かって投げた 。
『 …! 』
暫く経って、シオンは口を開けた。
『 … ごめん,今日は帰るよ 。』
『 迷惑かけたね 。 』
そう言ってシオンは海から立ち去った 。
今更,あの選択は良かったのだろうか,と
後悔している 。
秋
9月に入って,8月よりかは涼しくなった 。
2学期が始まり,空気も一変した学校には
元気な生徒たち 。
私は,華方シオンを詰めに行く 。
『 え いきなり何 ? 』
『 なんで花投げたの ? 』
『 え ? 』
『 なんであの海で花を投げたの ? 』
『 ねぇ …どうして ?』
『 怒ったって投げなくても
よかったじゃない』
『 花を置いた私が悪かった…でも花は
何も悪くないでしょう!? 』
周りがざわつき始めた 。
『 … もういいから,教室行こ 。』
『 待ってよ ! 』
私は立ち尽くしてた 。
『 なんで … ? 』
私は立ち上がって教室に向かった 。
後悔している 。
なんで彼処で謝らなかった ?
こんな事すぐに謝って済ませばよかった
じゃないか 。
僕はずっと後悔して,スミレに謝る事を
決めた 。
冬
『 … スミレ 。 前は悪かった 。僕が
全面的に悪い 。ごめんな 。 』
僕はスミレに謝った 。
窓際の席に座ったスミレはずっと窓を見て
そっぽ向いている 。
『 … 』
『 今度 … 遊ばないか ?植物園とか
行ってさ … 。 』
『 花 … 』
『 … どうした ? 』
『 花 … 嫌いじゃないのかって聞いてんの』
『 … スミレの為なら嫌いじゃないよ 』
『 っ … そっか , 』
僕はスミレの手を握った 。
『 ほら … これはお詫びだ 。人を助けると
思って … 来てくれないか … ? 』
『 … っ ! 手握らないで … 照れんじゃん 』
『 え … ごめん 。 』
意外と反応が良かったから,嫌がられてたと
気づかなかった … 。
『 …とりあえず,行くには行くけど ,
… シオンって好きな人居るの ? 』
『 急にどうした ?居ないけど 。 』
『 人たらしめが … 』
『 おーい!スミレ~ ! 』
『 大声出さなくても分かってるって!』
君はいつものロングとは違い,お団子にして
気合いが入っていた 。
『 植物園ってどんな所 ? 』
『 名前の通り,植物が沢山ある所だよ 。
そんなのも知らずに来たの ? 』
『 そんぐらい知ってるし … 。 』
『 じゃ 行こ ? 』
僕は君に手を差し伸べた 。
『 うん ! 』
君は僕の手を握った 。
『 うわ 花が沢山あるね 。 』
『 うわって何ようわって … 』
僕は顔を青くし帽子を被った 。
『 なんか虫とか鳥とか居そうで怖い … 』
『 それ普通私が言う台詞じゃない…? 』
『 じゃあ言う ? 』
『 嫌だよ … 。情けない … 』
お団子は解け、長い髪が靡いて首元が
見えている 。
スミレの首元に,葉っぱの痣のようなものが
あったように見えた 。
その痣は,何処か見覚えのある形だった 。
『 スミレ … 首 … 』
『 … 気づいた ? 』
『 え ? 』
『 これ,シオンが昔ついてた痣 。 』
『 スミレとは昔会ってな 』
『 会ってる ! 』
何だ?スミレは僕の幼馴染なのか ?
『 シオンが保育園の頃さ … 』
『 シオンくん…大丈夫 … ? 』
『 大丈夫だよ … これくらい … 』
『 痣…広がってるよ…?』
『 大丈夫だって … ! 』
『 … 』
『 お母さん,私シオンくんのいたいいたい
治したいよ!』
『 あら … いいの ? それにはスミレが
いたいいたいする事になっちゃうよ?』
『 いい!シオンくんがいたいいたいなら
私がいたいいたいの方がいいもん!』
『 そう … お母さん悲しいなぁ 。 』
『 じゃあ … 移そっか。』
『 … 僕の痣って ドナーの人が … 』
『 そのドナーが私 。 』
『 そんな … スミ … 御前だったのか? 』
『 やめてよその呼び方,保育園の頃から
変わってないなぁ 。 』
スミレはシオンに向かってウィンクし,
手を握って歩き出した 。
『 ねぇ,私,保育園の頃から好きだったの。』
『 … 好き … って 。 』
『 付き合って欲しいな~…なんて 』
『 … 』
『 あ ~…ごめん!迷惑だよね!急に 』
スミレは俯いて少し微笑んだ 。
シオンはスミレの方を見て ,
『 御前が僕落とすまで一緒にいたげる。』
『 … さっすがイケメ~ン 。 』
『 落としても居てね ? 』
『 … うん 。 』
春
近所の花畑に,アガパンサスが咲く時期に
なってきた 。
僕とスミレは,あの日以来,毎日遊び,過ごし,
幸せな毎日を送った 。
でも,僕はまだ落ちてない 。
今日の卒業式,僕は告白する 。
落とされてない,僕がもう一度落とすって
決めてる 。
『 スミレ ~!今日の放課後 … 』
スミレは居なかった 。
『 あぁ,シオン君。すみすみなら休みだよ』
『 あ … そっか … 。 』
卒業式の日に休み ?そんな事ある ?
昨日までは元気に来てたよな …?
何かの病気 … ?
『 … ッあ ! せんせ-!僕スミレ家
行ってきます!』
『 は? 待て御前今日卒業式だぞ?』
『 スミレが大変なんです ! 』
僕はとりあえず走った 。
何故か自分の体力の無さは気にせず走れた。
そして,スミレの家の前に来た時 。
『 あ … シオン君 … ,』
『 スミレのお母さん?どうしたんですか?』
『 それが…スミレが昨日から
帰ってないのよ … 朝学校に行ったきり』
スミレが居なくなった ?
どうしてだ ?昨日家に帰る時まで
見送ったはずなのに … 。
『 猫は居なくなる時大切な人の前から
姿を消す 。 』
『 彼奴猫好きだもんなァ … !』
『 すんません,探してきます!』
『 …スミレ連れて帰ってきてね 。』
『 はい 。 』
彼奴が行きそうな所…と言えば 。
『 私此処好きなんだ~!毎日来ちゃう』
『 僕は花粉症だから花粉が … 』
『 あはは … 私は花粉症じゃない!』
『 ぇ~ 羨ましい~ 。』
『 スミレ! 』
『 あ … やっほ-… シオン … 』
『 見っかっちゃった?』
『 こんな所で何してんだ!卒業式行くぞ』
『 行かない!』
今,スミレが何を言っているのか
よく分からない 。
だって,卒業式だぞ ?
1年だったとはいえ,自分が選んだ学び舎
なはずだ 。
『 何で ?卒業式…だぞ ? 』
『 だから ~…行かないって 。 』
『 私余命半年なの 』
『 いきなり何を … 』
『 シオンの痣…悪化しちゃってね 』
『 ぁ … 僕の痣 … ? 』
保育園の頃…スミレは何故僕の痣を…
『 だからって…卒業式に行かないは
違うじゃん ! 皆の事嫌いなの?』
『 卒業式行っちゃうと…同窓会とか
成人式とか…未来の話皆してるでしょ?』
『 私は其処に入れないんだな~って
考えると … 本当に 嫌なの 。 』
あぁ … そうか 。
スミレは … みんなの事が好きだから
未来を見たくないんだな … 。
『 だからさ …お願い 。私の事
ほっといてくれない ? 』
スミレは,半年後には,もう居ない 。
告白するなら,今しかない 。
『 好きだ 』
『 え ? 』
『 僕と…付き合ってくれない ? 』
『 …言ったじゃん!余命半年だって … 』
『 半年間楽しませる ! 』
『 卒業して … 自由になったとしても
僕は…スミレを半年間思い切り
楽しませるから ! 』
『 だから … お願い 。 僕の傍から
離れないで欲しい 。 』
思い切りスミレに想いを伝えた 。
スミレは少し頬を赤らめて言った 。
『 … 了解 。私目標達成したよ 。 』
『 … ? 』
『 シオンを落とすっていう…目標 ! 』
『 … 落ちてねーし ~ 。』
『 じゃあ何で好きなの ~ ? 』
『 それは別だろ ~ ? 』
『 あはは !やっぱシオン面白い ! 』
スミレは立ち上がって,シオンの手を取った
『 ほら ,早く行こうよ 。 』
『 え…何処に ? 』
『 決まってんじゃん … 』
『 卒業式だよ ! 』
さて ,貴方に1つ問います 。
明日貴方の大切な人が居なくなるとしたら
どうしますか ?
僕は ,思い切り″好き″と想いを伝えます 。
結構勇気が要る行動ですけどね 。
…貴方ならどうしますか ?
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後日談
半年後
『 えー… 梅雨森さん,単刀直入に言います。
貴方は,普通~に手術で治ります 。 』
『 え 』
『 いや ~ 半年とか言った医者の方多分
ヤブですよヤブ 。じゃ治しましょうね』
『 良かったな,スミレ 。 』
『 シオぉぉぉン~~~まだ一緒に
居れるよぉぉぉ』
『 こらこら泣くな ,服濡れるだろ ? 』
『 ぁ ごめん … 』
『 いいって,手術で治るんだろ?
応援してるぞ 。 』
『 うん ,頑張るね ! 』
______