止むことのないキスを幾度かくり返して、
「こちらへ、おいで」
手がつと引かれ寝室へ向かうと、ピンと張り詰めたシーツに身体を預けた。
口づけた彼が、ふと私を見下ろし、
「……疲れてはいないか?」
と、気にかけてくれる。
「もし式で疲労しているようなら、無理には……」
彼が言い終えないうちに、その首筋に腕を回し抱きすくめた。
「いいの……だって今日は、挙式の初めての夜だもの」
「ああ、そうだったな……彩花」
彼の低く柔らかな声で名前を呼ばれると、それだけで肌が撫でられたようにゾクリと粟立つのを感じる。
「貴仁さ、ん……」
目を閉じるよう促す、不意討ちの瞼への口づけが落ちる。
着ているワンピースのファスナーに彼の指が掛かると、下ろしやすいよう少しだけベッドから背中を浮かせた。
ベッドサイドへ私の着ていた服が脱ぎ落とされると、彼がシャツのボタンを外していくのを、もどかしいような想いで見つめた。
やがて滑らかで厚い彼の胸板が曝け出され、焦がれるように彼の胸に手を当てる。
「心音が高ぶっているだろう?」
早まる鼓動が手から伝わって、無言のままコクッと頷く。
「……君が好きで、たまらないんだ……」
咽元から漏れる切なげに掠れる彼の声が、私自身の鼓動をもいっそう高ぶらせる。
「私も……好き……」
否応もなく上がる息の下から返す。
上裸を覆っていたランジェリーが取り外されると、熱を孕んだ胸の膨らみが、彼の手の平に緩く包まれた。
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